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「蚊に刺されてパンパンに腫れる」ことはありませんか?医師が徹底解説!

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」ことはありませんか?医師が徹底解説!

蚊に刺されてパンパンに腫れる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

マイマイテイリ イマム

監修医師
マイマイテイリ イマム(新宿アイランド内科クリニック 院長)

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医師、医学博士。2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許取得。2014年10月に血液悪性腫瘍の研究を志して、神戸大学大学院に入学。2019年3月に医学博士号と日本医師免許を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院などを歴任後、2022年2月新宿アイランド内科クリニック院長に就任。内科全般の疾患を幅広く診療している。

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「蚊に刺されてパンパンに腫れる」症状で考えられる病気と対処法

蚊に刺されて、その傷口を中心に大きく腫れ上がってしまうことがあります。症状はさまざまですが、基本的にはアレルギー物質が関係していることが多いです。どんな場合に病院受診を行う必要があるのか解説していきます。

蚊に刺されてパンパンに腫れる症状で考えられる原因と対処法

蚊に刺された場所を中心に、赤みやパンパンに盛り上がった状態が見られ、非常に痒みが強い状態を指します。蚊に刺された場合、蚊の唾液に含まれる物質に対してアレルギー反応が生じることで症状が出現します。アレルギー反応に大きく関与する、ヒスタミンと呼ばれる物質があり、これを抑えることが治療となります。
もし市販の花粉症の薬で「抗ヒスタミン薬」と記載されているものをお持ちであれば、内服して問題ありません。しかし痒みが強い場合はそれだけでは不十分ですので、医療機関を受診するようにしましょう。
初期にステロイドを含んだ塗り薬を適切に使用しないと、治療に失敗して病変が長く続くことがあります。診療科は皮膚科を受診するようにしましょう。

蚊に刺されてパンパンに腫れて痛い症状で考えられる原因と対処法

蚊に刺された部分を中心に赤く腫れ上がり、熱と激しい痛みを伴う場合、蜂窩織炎の可能性が考えられます。虫刺され後の痒みを和らげようと、皮膚を引っ掻いてしまった時にできた傷から、皮膚の常在菌(健康な人でも常に存在する菌で、普段は病気を引き起こすことはない)が侵入し、皮下組織まで感染を引き起こした状態です。
すぐにできる対処法は、腫れ上がっているところを挙げることです。足にできているのであれば、足に枕を挟んで高くするといった対応が有効です。しかしそのまま治る病気ではありませんので、できるだけ早く病院を受診することを勧めます。
膿が溜まっている場合は、皮膚を切開して膿を排出し、抗菌薬投与を行います。もし高熱が続き、病変が急速に広がっている場合は、ガス壊疽や壊死性筋膜炎という緊急疾患の可能性があります。皮膚科を受診するのが良いのですが、夜間でも救急外来に連絡して受診することも考慮してください。

大人で蚊に刺されてパンパンに腫れる症状で考えられる原因と対処法

蚊に刺された場所を中心に痒み、赤みを伴って、大きく腫れ上がる場合も、前述と同様に、その毒性物質よりも蚊の唾液に含まれる物質に対して、アレルギー反応が生じることで症状が出現します。一方で、茶毒蛾の毛虫や蜂などでは、その毒による中毒反応と考えられます。
蚊に刺されて腫れている場合、すぐに出来る処置としては痒み止めを塗り、出来るだけ掻かないようにすることです。もし市販の抗アレルギー薬(花粉症に対しての飲み薬)などを持っていれば、それを内服しても問題ありません。
緊急性はありませんので日中に皮膚科を受診しましょう。

子供で蚊に刺されてパンパンに腫れる症状で考えられる原因と対処法

子供の虫刺されでは、リンパ浮腫(リンパ液が皮膚の下に溜まってむくんだ状態)を引き起こし、大人よりも強くパンパンに腫れてしまうことが多いです。子供は体質的に虫刺されに対して強く反応してしまいますが、その詳しい原因は判明していません。しかし、成人になればこの反応は消失していくことが多いです。
治療は初期からしっかりとステロイドを含んだ塗り薬を塗ることです。子供の場合、痒みが我慢できず掻きむしってしまい、伝染性膿痂疹(いわゆる“とびひ”)を発症することがあるためです。ただし、大人が処方されたステロイド薬が家に残っていたとしても、子供と大人では適切な薬の強さ(レベル)が違いますので、安易に使わないようにしましょう。
小児科か皮膚科をできるだけ早く受診して、お子さんに合ったレベルのステロイド外用薬を処方してもらってください。

すぐに病院へ行くべき「蚊に刺されてパンパンに腫れる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

高熱が出て、刺された場所から赤みと痛みがどんどん広がる場合は、救急科へ

ガス壊疽や壊死性筋膜炎という緊急疾患の可能性があります。蚊に刺されたことが原因ではなく、その後に不衛生な状態でかきむしり、傷口を作ってしまうことが原因です。傷口から細菌が侵入してしまい、皮膚の下という閉鎖環境でどんどん増殖してしまい、この病気を発症します。すぐに集中治療や外科手術を行わないと、命に関わる危険な病気です。たかが虫刺されと侮らず、赤みと痛み、高熱が見られる場合は、救急要請してでも医療機関を受診するようにしてください。

受診・予防の目安となる「蚊に刺されてパンパンに腫れる」症状のセルフチェック法

  • ・腫れる以外に赤く腫れて痛みがある場合
  • ・腫れる以外に高熱がある場合
  • ・腫れる以外に痒みが拡大する場合

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「蚊に刺されてパンパンに腫れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

虫刺され

蚊に刺された場所を中心に赤みやパンパンに盛り上がった状態が見られ、非常に痒みが強い状態を指します。蚊に刺された場合、蚊の唾液に含まれる物質に対してアレルギー反応が生じることで症状が出現します。アレルギー反応に大きく関与する、ヒスタミンと呼ばれる物質があり、これを抑えることが治療となります。
もし市販の花粉症の薬で「抗ヒスタミン薬」と記載されているものをお持ちであれば、内服しても問題ありません。しかし痒みが強い場合はそれだけでは不十分ですので、医療機関を受診するようにしましょう。
初期にステロイドを含んだ塗り薬を適切に使用しないと、治療に失敗して病変が長く続くことがあります。皮膚科を受診するようにしましょう。

蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)

蚊刺過敏症とは、蚊やブヨに刺された場所に、赤みと痛みや腫れ、潰瘍(皮膚の表面が欠損して、皮下組織の一部が露出している状態)が出現し、同時に高熱やリンパ節の腫れ、肝機能障害を引き起こす症状のことを指します。発症の原因として、EBウイルスの関与が認められていますが、詳細な原因は未だ分かっていません。稀に自然に治ることのある病気ですが、基本的には5年の経過で生存率は50%という報告があります。
一番の対処法は蚊に刺されないことです。治療法としては、副腎皮質ステロイドやシクロスポリンで一旦は症状の改善が認められることがあります。一方で効果無効の場合もあり、造血系幹細胞移植などの積極的な治療も検討する必要があります。
刺された部分の腫れや痒みだけでなく、高熱・リンパ節の腫れなど全身に広がる場合は病院を受診しましょう。
主な診療科は皮膚科です。診断のために、細胞・組織の病理検査、血液検査などを行います。

「蚊に刺されてパンパンに腫れた」ときの正しい対処法は?

小さい範囲の虫刺されであれば、市販の塗り薬、虫刺されの薬を塗っても問題ありません。しかしパンパンに腫れ上がった来た場合、赤みや痒み、痛みを伴う場合は効果が乏しいと考えられます。医療機関を受診し、適切な外用薬を処方してもらいましょう。
温めたり冷やしたりする民間療法は昔からありますが、現状どちらが有効という結論は出ておりません。
かきむしる、触る等の行動は、皮膚を傷つけ細菌が侵入する経路を作ることになりますから避けるようにしましょう。応急処置をしても痛みや症状が収まらない場合は、皮膚科のある病院を受診しましょう。

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「蚊に刺されてパンパンに腫れる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

蚊に刺された場所が腫れてかゆくなるのはなぜですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

蚊の唾液に含まれる物質に対して、アレルギー反応が起きるためです。このアレルギー反応に大きく関与する、ヒスタミンと呼ばれる物質があり、これを抑えることが治療となります。

虫刺されが大きく腫れて硬いのは危険な状態ですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

大きく腫れて硬いだけでは、そこまで危険な状態ではありません。他の皮膚に比べて熱い(熱感)、赤い、痛みがある場合はやや危険な状態と考えて、病院受診を検討してください。

子供が蚊に刺されて手が腫れ上がったらすぐ病院に行くべきですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

子供は体質上、蚊に刺されると手が腫れやすいです。基本的に緊急性はありませんが、日中の出来るだけ早い日程で小児科か皮膚科を受診し、お子さんに合ったレベルのステロイド外用薬を処方してもらってください。

蚊の種類によっても、虫刺されの症状は異なりますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

日本国内で蚊に刺されても、アナフィラキシーを起こす場合を除いて、多くの場合は致命的になることは少ないでしょう。しかし、海外ではマラリアなどの致命的な蚊による虫刺症もあるので、症状はかゆさや腫れることだけでは済まないことがあります。

蚊に刺されたらすぐにできる対処方法はありますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

刺されて腫れ上がっているところを挙上することです。足にできているのであれば、足に枕を挟んで高くする、といった対応が良いでしょう。しかし、そのまま治る病気ではありませんので、症状がひどい場合には病院受診をお勧めします。

海外で蚊に刺されてパンパンに腫れたときの対処法を教えてください。

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

アジア、アフリカ、中南米などの熱帯・亜熱帯地域では、マラリア、デング熱など、蚊に刺されることで感染する感染症が流行しています。この地域への渡航がある際には、予防することに尽きます。肌の露出をしないことや虫除けをする、予防薬を使うなどです。もし刺されて腫れてしまった場合には、現地で相談して場合によっては医療機関への相談が必要です。

まとめ

蚊に刺されることは皆さん何度もあることと思いますが、それからパンパンに腫れるまではあまり経験しない人もいると思います。「たかが蚊に刺されただけ」と放置していると、状況が悪化することがあります。普段に比べて明らかに腫れている時は、医療機関の受診を検討してください。

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」で考えられる病気と特徴

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

蚊に刺される場合に見られる症状はさまざまありますが、基本的にはアレルギー物質が関係していることが多いと思われます。

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」と関連のある症状

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「蚊に刺されてパンパンに腫れる」症状の他に、これらの症状がある場合は、「蜂窩織炎」「蚊刺過敏症」「ガス壊疽」「壊死性筋膜炎」などの疾患の可能性も考えられます。複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。