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「つま先を上げるとすねが痛い」原因と考えられる病気はご存知ですか?

「つま先を上げるとすねが痛い」原因と考えられる病気はご存知ですか?

つま先を上げるとすねが痛いのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

告野 英利

監修医師
告野 英利(名古屋大学医学部附属病院)

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2018年、浜松医科大学医学部卒業。整形外科医。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院、名古屋大学医学部附属病院で勤務したのち、現在は社会医療法人財団新和会八千代病院にて勤務。整形外科診療の傍ら、多くの患者様に質の高い骨粗鬆症治療を届けたいという思いから、骨粗鬆症診療支援アプリの開発、骨粗鬆症治療の啓発活動を行っている。

「つま先を上げるとすねが痛い」症状で考えられる病気と対処法

脚に痛みがある場合、スポーツや日常生活に大きな影響を与えてしまいます。特につま先を上げるとすねが痛い場合、いろいろな病気が考えられるので、その原因と適切な治療方法を知ることは重要です。この記事では、つま先を上げるとすねが痛む主な原因と、対処するための方法について解説していきます。

つま先を上げるとすねが痛い症状で考えられる原因と対処法

つま先を上げた時に生じる痛みは脛骨や腓骨という脚の骨や筋肉、腱に生じます。炎症により腫れや押したときの痛みがみられることが多く、特に運動時や負荷をかけた時に強まることがあります。痛みが強い場合には、安静とアイシング、腫れがあるときには圧迫包帯の使用、ストレッチ、鎮痛薬の使用などで対処できる場合があります。対処法は原因によって異なりますが、急な怪我をしてから痛みが起きた場合には安静と包帯での圧迫で腫れを抑えていき、スポーツなどによる慢性的な痛みの場合にはストレッチ、アイシングなど日々のケアを丁寧に行うようにしてください。考えられる病気として、シンスプリント、脛骨や腓骨の疲労骨折、肉離れ、コンパートメント症候群、こむら返り、アキレス腱周囲炎などがあります。整形外科の受診が必要ですが、怪我の場合には早めに病院を受診するようにし、慢性的な痛みの場合は、経過をしっかりとまとめた上でなるべく早めに受診するようにしましょう。

つま先を上げるとすねの外側が痛い症状で考えられる原因と対処法

つま先をあげた時にすねの外側の部分に痛みが生じます。ほとんどの方は安静にしている時には無症状ですが、運動で痛みが悪化することが多く、押した時に痛みを生じる場合もあります。痛みに対しては安静とアイシング、ストレッチ、鎮痛薬の使用が有効です。原因として前脛骨筋の炎症、肉離れ、シンスプリントや疲労骨折などがあります。緊急性はあまり高くありませんが、症状が長引く場合には整形外科を受診することがおすすめです。

すぐに病院へ行くべき「つま先を上げるとすねが痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

歩けないほどの強い痛み、急激に発症した痛みなどの症状がある場合は、整形外科へ

歩けないほどの強い痛み、急激に発症した痛み、安静にしていても痛い、我慢できないほどの痛みなどの症状がある場合は緊急性の高い病気の可能性があります。
例として急性の動脈閉塞や、骨折、骨の腫瘍、感染、またはそれらに伴うコンパートメント症候群などがあります。これらの場合には、足の色が悪くなったり、腫れや熱感、強い痛みを伴います。緊急で処置ができる総合病院の整形外科や内科を受診するようにしましょう。受診時には飲んでいる薬がわかるお薬手帳を持参し、今回の症状の経過や既往歴などをまとめておくと診察がスムーズとなります。

「つま先を上げるとすねが痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「つま先を上げるとすねが痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

シンスプリント

シンスプリントは脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれ、陸上競技の中・長距離選手やサッカー、バスケットボール選手など走ることの多い競技をしている中学・高校生によく起こります。疲労がたまった時に起こりやすく、すねの内側に痛みが起こり、運動時や運動後に悪化します。スポーツ初心者に多く、発症の原因はランニングの量や質の急な変化、足の形、関節や筋肉の柔軟性低下、硬い路面でのランニング、靴底がすり減っていたりクッション性の悪いシューズの使用などがあります。痛みが強い場合は練習量を減らすことが必要で、その他にアイシングや、ストレッチ、足部の筋力訓練と湿布、鎮痛薬を使用します。またシューズの変更も有効です。痛みが長引く場合や走れないほどの痛みの時には脛骨や腓骨の疲労骨折の可能性もあるため整形外科を受診するようにしましょう。

「つま先を上げるとすねが痛い」ときの正しい対処法は?

症状を和らげるには安静とアイシング、ストレッチ、テーピング、湿布や鎮痛薬の使用が有効です。また、足のアーチをサポートするシューズやインソールを使用して足への負担を減らすようにしましょう。このような対処方法で痛みが悪化する場合には疲労骨折などの可能性があるので、整形外科を受診し、疲労骨折の場合には、運動の制限などより厳密な治療が必要になる場合があります。
市販薬の使用については、症状や健康状態によって異なりますが、添付文書の用法用量通りに使用すれば問題ないことが多いです。
例としてロキソプロフェン(ロキソニン®)やアセトアミノフェンなどを含む消炎鎮痛薬が有効です。ただし、鎮痛薬は症状を緩和するお薬で早く治るということはありません。そのため、しっかりと治すために医師の指示通りに安静やストレッチ、筋力訓練を行う必要があります。
湿布、貼り薬、冷却スプレーについても皮膚にかぶれや湿疹などの症状がなければ適宜使用していただいて構いません。
症状を和らげるマッサージとして、シンスプリントを発症する方では足関節や足部の柔軟性が低下していることが多いので、ボールを足裏において体重をかけて転がしながらマッサージをしたり、イスや台の上に片脚を乗せ、ゆっくりと足首を曲げていったり、アキレス腱を伸ばすようにふくらはぎをストレッチすることが有効です。
治療方法は運動量を減らして安静にするのが一番の治療ですが、早く治したい時にはアイシング、ストレッチ、テーピング、筋力訓練、靴の変更など、できることを1つ1つ組み合わせるようにしましょう。
シンスプリントは運動量の増加によって徐々に発症しますが、これらの処置をしても痛みが悪化する場合には疲労骨折や肉離れなど別の病気の可能性があります。そのため、正確に診断して、治療を適切に受けるためにも、痛みがでた時には我慢せずに早めに整形外科を受診するようにしてください。

「つま先を上げるとすねが痛い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「つま先を上げるとすねが痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

運動中、つま先を上げると脛が痛いです。対処法を教えてください。

告野 英利 医師告野 英利 医師

まずは病院を受診して診断をつけることが必要です。シンスプリントの場合には安静とアイシング、ストレッチ、筋力訓練などを毎日欠かさずに行うことが重要です。また疲労骨折や肉離れの可能性もあり、その場合も安静にすることが大切です。その他の対処法には、クッション性の高い靴への変更、インソールの使用、鎮痛薬や湿布の使用があります。これらを必要に応じて組み合わせて対処するようにしていきましょう。

つま先を上げるとすねが痛いときに効果的なストレッチはありますか?

告野 英利 医師告野 英利 医師

代表的なものにカーフストレッチがあります。カーフとはふくらはぎのことでふくらはぎや足首の柔軟性を高めるストレッチです。やり方は足を腰幅程度に開き、痛みのある脚を後ろ側にして、後ろ脚の踵を床につけたままでつま先を内側に向けて、前側の脚に体重を乗せていきます。後ろ側のふくらはぎの筋肉が伸びた状態で15秒〜30秒程度伸ばします。反対の足でも同様に行います。

つま先を上げるとすねが痛いのはシンスプリントが原因でしょうか。

告野 英利 医師告野 英利 医師

つま先を上げたときにすねが痛い原因は色々あります。すねの内側が痛い時はシンスプリントや脛骨の疲労骨折、外側の場合には腓骨筋腱炎や腓骨の疲労骨折などの可能性があります。すねの後ろが痛い時は腓腹筋の肉離れやアキレス腱周囲炎、こむら返り、コンパートメント症候群などの可能性があります。前側が痛い時は前脛骨筋に痛みの原因がある場合が多いです。シンスプリントは運動不足だった人が急に練習量を増やしたときなどに起きることが多いので、運動不足は1つの原因となりえます。しかし、身体の柔軟性が低下していたり、不適切な走り方、クッション性の悪い靴の使用などそれ以外の要因もあるので、ご自身の状態をしっかりと把握しておくことが必要です。

つま先を上げるとすねが痛いときヒールの着用は控えるべきですか?

告野 英利 医師告野 英利 医師

つま先を上げると脛が痛む場合、ヒールの着用は控えることが推奨されます。ヒールの高い靴は、足の前方に強い力が加わるため、シンスプリントなどの症状を悪化させる可能性があります。またヒールを履くと、体重が前に移るため、足の接地や歩行パターンが変化し、脚にかかる負担が増えることがあります。そのため、つま先を上げるとすねが痛い場合は、ヒールの着用を控えることが望ましいです。代わりに、低めのヒールやフラットシューズを選び、足の負担を軽減することが重要です。

まとめ

つま先を上げるとすねが痛い場合にはシンスプリントが原因の可能性があります。シンスプリントは脛骨過労性骨膜炎とも言われるように、疲労がたまった時に起こりやすいので、普段からストレッチやアイシング、クッション性の高いシューズを使用するなどして予防に努めることが大切です。また痛みがある場合には、別の病気の可能性もあるので、我慢しすぎずに早めに病院を受診するようにしましょう。

「つま先を上げるとすねが痛い」症状で考えられる病気

「つま先を上げるとすねが痛い」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

基本的には、筋肉や筋膜、骨などの病気が考えられるため、整形外科で相談するのが良いと思います。

「つま先を上げるとすねが痛い」に似ている症状・関連する症状

「つま先を上げるとすねが痛い」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「つま先をあげるとすねが痛い」症状の他にこれらの症状がある場合でも「シンスプリント」「疲労骨折」「肉離れ」「こむら返り」「コンパートメント症候群」「アキレス腱周囲炎」などの疾患の可能性が考えられます。歩けないほどの強い痛みや、急激に出現した痛み、安静にしていても痛い場合には、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

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