「股関節が突然痛くて歩けない」のは「変形性股関節症」が原因?医師が徹底解説!
股関節が突然痛くて歩けないとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
柏木 悠吾 医師
「股関節が突然痛くて歩けない」症状で考えられる病気と対処法
股関節は、座っているときや歩くときなど、多くの場面で体重を支える非常に大事な関節です。突然股関節の痛みが出現し、歩けないときにはいくつか原因が考えられます。急いで病院を受診したほうがいい病気のこともありますので注意が必要です。股関節痛が出現した際の対処法や適切な受診タイミングを学んでいきましょう。
股関節が突然痛くて歩けない症状で考えられる原因と対処法
股関節痛の原因として最も多いのは、変形性股関節症です。
変形性股関節症は、股関節の骨と骨の間の軟骨がすり減ることで痛みが出てくる病気です。加齢に伴って生じることが多いですが、発育性股関節形成不全などが原因で若い方でも発症することがあります。
立ち上がりの際や、爪切りなど股関節を深く曲げる動作で痛みを感じる方が多いです。
治療はまずは痛み止めやリハビリテーションなどで痛みを軽減することを図ります。それでも痛みが激しい場合や、変形が激しい場合には手術をすることもあります。
変形を進行させないことが重要で、そのためには早期に整形外科を受診することが望ましいです。股関節の痛みが続く際は一度整形外科を受診しましょう。
右だけ左だけなど片方の股関節が突然痛くて歩けない症状で考えられる原因と対処法
片方の股関節が突然痛く、歩けないとき、大腿骨頭壊死などが考えられます。
大腿骨頭壊死は、中年男性に発症しやすく突然股関節の痛みが現れる病気です。ステロイドを飲んでいる方や、アルコールを多く摂取する方は特に発症するリスクが高いと言われていますが、特別な原因がなく発症することも多いです。
こけたり、ぶつけたりしていないのに股関節の痛みが続く際には早めに整形外科を受信するようにしましょう。
20代で股関節が突然痛くて歩けない症状で考えられる主な原因と対処法
20代で突然股関節が痛くなったとき、坐骨神経痛の可能性があります。
坐骨神経痛は、腰や殿部で何らかの原因で神経が圧迫され、殿部から足にかけての痛みやしびれが出る症状の総称です。
左右どちらかのおしりから足にかけての痛みが出ることが多いですが、股関節が痛いと感じることもあります。長時間同じ姿勢でいると痛みがでると訴える方も多いです。
坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニアなど腰が原因の場合や、殿部の筋肉が原因の場合もあり、症状も人により様々です。原因を特定し治療することが重要で、痛みが続く際はまずは整形外科の受診をおすすめします。
子どもで股関節が突然痛くて歩けない症状で考えられる主な原因と対処法
子供で股関節痛が強く、歩けないとき、化膿性股関節炎などが考えられます。
化膿性股関節炎は、細菌が原因で股関節に炎症が起こる病気です。強い股関節の痛みや発熱などが症状として現れます。
化膿性股関節炎は、早期に治療を行うことが重要で、放っておくと後々後遺症を残すこともあります。気になる症状がある際はすぐに整形外科を受診しましょう。
子供の股関節痛は他にも単純性股関節炎、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など様々な病気が隠れていることがありますので、医療機関を受診することをおすすめします。
すぐに病院へ行くべき「股関節が突然痛くて歩けない」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
転倒後に歩けなくなった場合は、整形外科へ
高齢の方の転倒や、若い方でも高いところから落ちてから歩けないときには大腿骨骨折などの骨折が考えられます。
大腿骨の骨折は手術が必要になることも多いので、股関節の痛みがひどいときやあしの腫れがあるときには急いで整形外科を受診するようにしましょう。
受診・予防の目安となる「股関節が突然痛くて歩けない」ときのセルフチェック法
- ・股関節が突然痛くて歩けない以外にしびれがある場合
- ・股関節が突然痛くて歩けない以外に腫れがある場合
- ・股関節が突然痛くて歩けない以外に赤みがある場合
- ・股関節が突然痛くて歩けない以外に発熱がある場合
「股関節が突然痛くて歩けない」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「股関節が突然痛くて歩けない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
変形性股関節症
変形性股関節症は股関節痛を起こす原因の中でも特に多い病気です。
股関節の軟骨がすり減ることで、立ち上がりの際の痛みや、爪切りなどの姿勢が難しくなるといった症状が現れます。
子供の頃に股関節の骨の形の乱れ(臼蓋形成不全)などがあり、それを放置していると変形が進行しやすいです。
治療は、痛み止めや湿布薬など痛みを取る治療から始め、リハビリテーションなども行います。それでも症状が改善しないときや、変形が激しい場合には手術(人工股関節置換術)を勧められることもあります。まずは整形外科でしっかりと診断を受けることが重要ですので、一度気軽に受診しましょう。
股関節炎
股関節炎は股関節内に炎症が起きている状態を指します。
股関節炎は特に小児に起きることが多く、単純性股関節炎や化膿性股関節炎というのがあります。
単純性股関節炎は、適切な治療を受けることで手術などをせずにすむことがほとんどですので、こどもの股関節痛が出現した時は整形外科でご相談ください。
化膿性股関節炎は、細菌の感染により股関節に炎症が起こるものです。こちらは早急に治療が必要な病気です。股関節痛の痛みとともに発熱などが症状として現れることがあり、股関節痛以外にも症状があるときは注意が必要です。急いで整形外科を受診しましょう。
「股関節が突然痛くて歩けない」の正しい対処法は?
股関節が突然痛くて歩けないとき、まずは安静にしましょう。
市販の痛み止めや湿布などを使用することは問題ありませんが、用法用量を守るようにしましょう。突然の痛みであれば、痛い場所を冷やしてあげることで痛みが和らぐことも多いです。
痛みが改善すれば運動や日常生活で制限することは特にありませんが、痛みが出るような動作は避けるようにしましょう。
歩行が不安定であれば杖などを使うことも考えると良いかもしれません。
早く症状を改善したいときや、応急処置をしても症状が収まらない、どんどん悪くなるときには医療機関を受診するようにしましょう。日中であれば整形外科を、夜間の場合は救急病院を受診するのがよいでしょう。
「股関節が突然痛くて歩けない」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「股関節が突然痛くて歩けない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
急に股関節が痛く歩くのが辛いのは何科の病院で相談できますか?
柏木 悠吾 医師
まずは整形外科でご相談ください。
股関節が突然痛くて歩けないときはまず何をすればいいですか?
柏木 悠吾 医師
まずは安静にすることが重要です。痛みが改善しない場合は医療機関を受診しましょう。
歩くと股関節が片足だけ痛いのは関節の病気でしょうか?
柏木 悠吾 医師
関節の病気の可能性がありますが、腰など他の部位が原因のこともあります。
股関節が突然痛くて歩けないのはどれくらいで治りますか?
柏木 悠吾 医師
原因により治るまでの期間は様々です。整形外科でご相談ください。
まとめ
股関節が突然痛くて歩けないときの原因や対処法についていくつか紹介しました。
股関節痛の原因は様々なものがあり、年齢などによっても考えられる病気が異なります。痛みが続くときには医療機関で早めに相談することをおすすめします。
「股関節が突然痛くて歩けない」症状で考えられる病気
「股関節が突然痛くて歩けない」から医師が考えられる病気は12個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
年齢などによって考えられる病気は異なります。まずは整形外科で相談するのが良いと思います。
「股関節が突然痛くて歩けない」に似ている症状・関連する症状
「股関節が突然痛くて歩けない」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 股関節が腫れている
- 股関節がしびれている
- 股関節とともに足も痛い
- 股関節とともに足もしびれる
- こどもの歩き方が普段と違う
- 股関節の痛み
- 股関節の左だけ痛い
- 足の付け根に痛みがある
「股関節が突然痛くて歩けない」症状の他にこれらの症状がある場合でも「変形性股関節症」「梨状筋症候群」「大腿骨寛骨臼インピンジメント」「大腿骨骨折」「大腿骨頭壊死」「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」「化膿性股関節炎」「単純性股関節炎」「大腿骨頭すべり症」「ペルテス病」「下肢静脈瘤」などの疾患の可能性が考えられます。
激しい痛みがある場合、特に転倒後に歩けなくなった場合には、早めに医療機関を受診しましょう。