拒食で考えられる病気・原因は?医師が徹底解説!
拒食とは、過度に食事量が足りないことにより低栄養になることです。体重が極端にへり、月経不順、無月経になることもあります。うつ状態や寝られないなどの睡眠障害、低体温、栄養が足りないことで血圧が低くなる、骨粗鬆症などの症状がみられます。
とくに、標準体重の60%以下までやせてしまうと多臓器に影響を及ぼすようになります。腎機能障害や感染症にかかりやすくなる、電解質異常からの不整脈など生死を脅かす状態になりかねません。
いわゆる「拒食症」は精神疾患のひとつで、摂食障害という依存症です。ダイエットを機に体重を落とすことに異常なこだわりを持つようになったり、強いストレスから食事がとれなくなったりするなど、低体重が健康を害するほどに及んでも自身で制御することはできません。
医学的には神経性無食欲症と呼ばれていましたが、近年では神経性やせ症とよばれるようになってきました。精神疾患を併存することも多く、双極性障害、不安症、神経発達障害、アルコール依存症、抑うつ障害、強迫症などに同時にかかっていることがあります。
神経性やせ症は若い女性に多い病気で、徐々に増えていると言われています。10代にとても多く、患者の9割が女性です。40代を超えると、罹患者が激減します。
ダイエットによって、痩せることへのこだわりから食事をすることへの恐怖が起きることや、学校や家庭、職場での強いストレスなどがきっかけで食事がとれなくなることもあります。自制が効かなくなってくる状態が依存の状態で、自分ではどうすることもできません。
一方で、過度な低体重、低栄養から自身の健康に影響をおよぼしている認識ができず、病院へ行くことを拒むケースも少なくありません。拒食は、周囲のサポートがとても大切な病気でもあり、本人だけでなく家族も一緒に治療をおこなう気持ちが重要です。
すぐに病院に行った方が良い「拒食」症状は?
- 意識が悪い、顔色が悪い、立ちくらみが起こる、身体を動かすことが難しい場合
- 短期間のウチに体重が減少している場合
- 生理不順になった場合
これらの場合は、すぐに病院受診を検討しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な診療科目は、心療内科、精神科です。
問診、診察、血液検査や心電図検査、画像検査(レントゲン、CT、MRI)などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があり内服・外用している薬がある場合は医師に申告しましょう。
いつから症状があるか、他にきになる症状はあるかなどを医師へ伝えましょう。
治療する場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。