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「一日中動悸がする」のは「バセドウ病」が原因?医師が徹底解説!

「一日中動悸がする」のは「バセドウ病」が原因?医師が徹底解説!

一日中動悸がするのはなぜ?Medical DOC監修医が考えられる原因や対処法・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

木村 眞樹子

監修医師
木村 眞樹子(医師)

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医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学の大切さを改めて感じるようになる。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
総合内科専門医、循環器専門医、睡眠専門医、認定産業医の資格を持つ。

「一日中動悸がする」症状で考えられる病気と対処法

「動悸」という症状で医療機関を受診される方は多くおります。一日中動悸がするときに考えられる病気と対処法についてみていきます。

一日中動悸がする症状で考えられる原因と対処法

動悸というと不整脈を思い浮かべるかもしれませんが、不整脈に限らず動悸症状がでることもあります。脈が速い状態、脈が飛んでいる、心臓が脈打つのを感じるいずれも「動悸」という主訴で医療機関を受診されますが治療が必要となる「動悸」はごく一部です。
動悸の原因がなんであれ、ストレス、疲労、脱水、飲酒などは動悸のきっかけとなります。動悸を自覚したらまずは深呼吸をする、などリラックスすることを心がけ、水分はしっかり摂るようにしてください。
動悸がでる病気としてはまず不整脈が考えられます。
そのほかにも甲状腺機能が過剰に働いてしまうバセドウ病では甲状腺ホルモン、交感神経系ホルモンが増えることで動悸、汗かき、暑がりといった症状がつづきます。
動悸が続いたときには、まずは循環器内科を受診することをお勧めします。心電図で不整脈の有無を確認し、さらに採血検査などでバセドウ病など動悸、頻脈を引き起こす病気が隠れていないかチェックします。
受診するタイミングとしては日常生活に支障が出る場合には早めに医療機関を受診するようにしてください。

更年期で一日中動悸がする症状で考えられる原因と対処法

更年期になって一日中動悸がするという場合にはホルモンバランスの乱れなども考えられます。女性ホルモンの分泌が少なくなることで自律神経のバランスが崩れ動悸症状などを含めた更年期症状がでるのです。
体調不良や睡眠不足、ストレスなどでホルモンバランスの乱れ、自律神経のバランスが崩れは助長されます。症状がでたときにはまずはリラックスすること。深呼吸をするなど気持ちを落ち着けてみてください。
コーヒーやタバコ、アルコールなどは動悸の誘因となるため控えることをお勧めします。
更年期障害は婦人科の受診となります。しかし、動悸の原因となるのは不整脈、甲状腺機能亢進症など他の要因も考えられます。まずは内科、循環器内科の受診も検討してみてください。

すぐに病院へ行くべき「一日中動悸がする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

一日中動悸が続いて足のむくみがある場合は、循環器内科へ

基本的に不整脈があっても危険な状態にはなりません。しかし、もともと心臓病があるかたで不整脈が続くことで心不全の状態になってしまうことがあります。
もともと心臓病で病院を受診されている方は動悸症状がある場合には注意したほうがいいでしょう。

受診・予防の目安となる「一日中動悸がする」ときのセルフチェック法

  • ・一日中動悸がする以外に脈がバラバラな症状がある場合
  • ・一日中動悸がする以外に息切れ症状がある場合
  • ・一日中動悸がする以外に首の腫れが気になる場合
  • ・一日中動悸がする以外に強い不安がある場合

「一日中動悸がする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「一日中動悸がする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

不整脈

心臓の電気信号が乱れることを不整脈といいます。動悸症状を来す代表的な不整脈は心房細動や上室性頻拍などの不整脈です。期外収縮という不整脈で脈が飛ぶ感じを自覚される方もおり、一日中続く動悸症状の原因になることもあります。また、脈の乱れを伴う動悸症状は心房細動、突然起きる動悸は上室性頻拍に分類される不整脈です。
寝不足やストレス、アルコール、脱水などが不整脈の起きるきっかけとなります。
水分をしっかりとったり睡眠を十分にとる、生活習慣を整えることで不整脈を出にくくすることができるでしょう。
不整脈の治療は服薬治療や根本的な治療としてはカテーテルアブレーション(カテーテル手術)などがあります。治療を行うひとつの指標としては日常生活に支障があるかどうかです。
まずは不整脈の診断をするためには心電図検査が必要です。さらに心臓の詳しい検査が必要になることもあるため内科、ないしは循環器内科を受診するようにしてください。

パニック障害

パニック障害というのは突然、めまいや息苦しさ、動悸といった症状がでるパニック発作を繰り返す病気です。予期不安といってパニック発作がでるのではといった強い不安が特徴的で、電車やバス、渋滞中の車などパニック発作がおきても助けが得られにくい状況を避けるようになるためパニック発作が起きることの不安で外出もためらわれてしまいます。
パニック発作は通常10分程度で収まるのが通常です。症状がでていることに不安を感じてしまうので、飴をなめる、ゆっくりと数を数えるなど症状から気をそらせると症状が軽減するかもしれません。
パニック障害パニック障害を来した場合には精神科を受診し治療にあたってください。服薬に併せて認知行動療法といった治療を行うことで治療にあたります。

バセドウ病

のどぼとけの下あたりにある蝶が羽を広げたような形の臓器が甲状腺。バセドウ病は甲状腺機能が亢進してしまうことで甲状腺ホルモンが過剰にでてしまう病気の代表といえます。
バセドウ病の症状は動悸だけでなく、多量の汗、暑がり、手の震え、食べても太らないといった症状があります。そのほかに、首が腫れてくる、眼が飛び出て見える顔貌も特徴です。
バセドウ病の治療としては服薬や甲状腺の一部を切り取る、放射線治療などがあります。
不整脈で受診し、採血した際に甲状腺ホルモン過剰を指摘されるケースや甲状腺が腫れていることを健診で指摘されて発見されることも多い疾患です。甲状腺の腫れがある場合には内分泌内科を受診するようにしてください。

「一日中動悸がする」ときの正しい対処法は?

症状を落ち着かせるのにまずはリラックスすること、水分をしっかりとること。病気の有無にかかわらず水分不足や寝不足、ストレスが強いと動悸につながります。タバコやアルコール、カフェインなどを含むものは控えるほうがよいでしょう。
動悸症状が病気によって引き起こされているものの場合には症状のもととなる病気に対する治療が必要です。
精神的な要因で動悸が引き起こされる場合には、症状から気をそらせるように工夫するといいでしょう。

「一日中動悸がする」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「一日中動悸がする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

動悸がずっと止まらないときの対処法を教えて下さい。

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

まずはリラックスすること。疲れていたり寝不足のときには体を休めるようにしてください。気をつけて水分をとることも大切です。
それでも症状が治まらないという時には、病気が隠れていないかを調べるために医療機関を受診することをお勧めします。詳しく調べたところ、特に病的なものがない場合には動悸を気にしないように生活することも必要です。気を紛らわすことのできる趣味や集中できることがあると動悸を気にせずに生活できるかもしれません。

一日中動悸がするのですがストレスが原因でしょうか。

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

緊張すると脈が早くなることを自覚する方も多いと思いますが、ストレスが強い時には常に体は緊張している状態です。そのため、ストレスで一日中動悸がすることもあるでしょう。そのほかにも、寝不足、脱水や飲酒なども動悸が続く原因になります。また、脈がばらばらの時には不整脈が原因の動悸と考えてください。

一日中動悸がするときは何科に行けばいいですか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

「動悸」症状の場合にはまずは心電図検査で不整脈の有無、そのほか動悸の原因となる病気がないかを検査する必要があります。そのため、内科、循環器科を受診することをお勧めします。

心臓がバクバクして動悸が一日じゅう続くのは危険な症状でしょうか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

動悸が続くことで不安に思ってしまうかたもいるようですが、一日中続く動悸症状が命にかかわるようなことはありません。心房細動という不整脈の場合には数日続くことで血栓ができてしまい脳梗塞の原因になることがありますが、心房細動じたいが命を危険にさらすことはありません。

一日中動悸がするときに飲むと良い薬はありますか?

木村 眞樹子医師木村 眞樹子(医師)

不整脈の場合には抗不整脈薬や脈を抑える薬、精神的なものの場合には安定剤など「動悸」の原因によっては薬で改善されるケースもあります。

まとめ

「動悸」と一言でいっても原因はひとつではありません。症状がつらくて生活に支障が出てしまうという場合には早めに医療機関を受診するようにしてください。

「一日中動悸がする」症状で考えられる病気

「一日中動悸がする」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

婦人科系の病気

精神科系の病気

内分泌系の病気

動悸というと不整脈とは限らず、さまざまな原因で起こる可能性があります。

「一日中動悸がする」に似ている症状・関連する症状

「一日中動悸がする」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「1日中動悸がする」症状の他にこれらの症状がある場合でも「心房細動」「心不全」「更年期障害」「パニック障害」「甲状腺機能亢進症」などの疾患の可能性が考えられます。不整脈や息切れ、首の腫れ、強い不安感が見られた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。