低血圧で考えられる病気・原因は?医師が徹底解説!
血圧とは血液が体内に送られる際に動脈にかかる圧力のことで、この圧力が標準的な値より低い状態を低血圧といいます。WHOの基準では収縮期血圧(上の血圧)が100mmHg以下、または拡張期血圧(下の血圧)が60mmHg以下を低血圧としています。
低血圧になると全身に送られる血液量が減少するため、以下のような症状があらわれやすくなります。
- 疲れやすい/疲れがとれない
- 朝、なかなか起きられない
- 立ちくらみやめまいを生じやすい
- 動悸や息切れが起こりやすい
- 胸に痛みを感じる
- 食欲がない/胃もたれする
低血圧は原因の有無や低血圧が起こるタイミングによって、「本態性低血圧」「症候性低血圧」「起立性低血圧」の3つのタイプに分類されます。
本態性低血圧は、血圧が低い原因が不明のもので、低血圧患者の約9割を占めています。若い女性ややせ型の人に多く、体質的な要因が関係しているといわれています。
症候性低血圧は、他の病気が原因で血圧が低下するもので、その主な病気に貧血、心臓病、胃腸疾患、内分泌の異常、悪性腫瘍などが挙げられます。
起立性低血圧は、急に立ち上がった時に血圧が下がるタイプで、座ったり横になったりしている場合は血圧が正常であるのが特徴です。動作を起こす前後で拡張期血圧が10~15mmHg以上、または収縮期血圧が20mmHg以上低くなる場合に当てはまり、高血圧の人にもみられます。
起立性低血圧は下半身にたまった血液が心臓に戻らないために起こりますが、その原因が明らかなもの(二次性)と、わからないもの(本態性)とがあります。原因が明らかなものでは糖尿病、内分泌疾患、心臓弁膜症、服用している薬剤などが挙げられます。
すぐに病院に行った方が良い「低血圧」症状は?
- 意識障害や手足の麻痺、しびれなどがある場合
- 下血など大量出血をしている場合
これらの場合には、すぐに病院受診しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、内科および循環器内科です。
問診や血圧測定のほか、必要に応じてレントゲン検査、心電図、超音波検査などを実施する可能性があります。
病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。
起床時と寝る前の2回、決まった時間に血圧測定を継続的に行って、普段の血圧測定値を医師へ伝えましょう。
治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。