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「血圧が低い(低血圧)」になる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「血圧が低い(低血圧)」になる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

血圧が低い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

久高 将太 医師

監修医師
久高 将太 医師

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琉球大学医学部卒業。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。2022/5に新内科専門医試験受験予定。

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「血圧が低い(低血圧)」症状で考えられる病気と対処法

低血圧とは、血圧を測ったときの上の数値(収縮期)が90~100mmHg、下(拡張期)が60~70mmHgよりも低いものとされています。血圧が基準より低いだけであれば特に問題はありませんが、低血圧による症状がある場合には治療が必要なこともあります。また何かしらの原因がある二次性低血圧と、何も原因がなく血圧だけが低い一次性低血圧(本態性低血圧)に分類されます。今回は低血圧について解説していきましょう。

低血圧の症状で考えられる原因と対処法

低血圧の症状としては、脳への十分な血流が保てずに、ふらつく、頭痛、めまい、意識消失などを起こすことがあります。
起立性低血圧では急に立ったりすることで症状が起こるため、ゆっくりした動作を心がけましょう。症状がある時にはすぐに安全な場所に横になり、症状が落ち着くまで休みましょう。
その他何かしらの原因があって低血圧になっている場合には、そちらの病気を治療する必要があります。心筋梗塞などの心臓の病気で低血圧になっている場合や、感染症、脱水、出血などで血圧が下がっている場合にも緊急性が高い状態です。すぐに病院を受診しましょう。

血圧が低くて頭痛がする症状で考えられる原因と対処法

低血圧の症状で頭痛はよく起こる症状です。頭が重い感じや、めまい、立ちくらみなどの症状を伴うこともあります。症状がある時には横になり、脳と心臓の高さを同じにすると症状が改善することがあります。症状が改善せず持続する場合や、頻繁に痛みが出る場合には治療が必要になることもありますので、内科でご相談ください。

血圧が低くてめまいがする、立ち眩みがする症状で考えられる原因と対処法

低血圧による脳虚血の症状としてめまいや立ちくらみの症状が出ます。症状が出た時にはまず横になって、安静にしましょう。急に立ち上がったりせずに、ゆっくりした動作を心がけましょう。頻繁に症状が出る場合には、一度内科や循環器内科で相談しましょう。

血圧が低くて気持ち悪い、吐き気がある症状で考えられる原因と対処法

低血圧ではさまざまな臓器への血流も低下するため、吐き気などの症状がでることもあります。食事性低血圧といって、食事をすると体の血流が腸に取られて低血圧となり、低血圧症状を起こします。食後に症状が出る場合など、明らかな誘因がある場合には過食は避けて、食事はバランスよく、場合によっては小分けにして食べましょう。

女性で血圧が低い症状で考えられる主な原因と対処法

女性で血圧が低い場合、まずは貧血や脱水がないかどうか確認しましょう。女性は周期的に生理があるため貧血になりやすく、血圧も低くなりがちです。生理が重い、出血量が多いなどの場合には婦人科で相談しましょう。

男性で血圧が低い症状で考えられる主な原因と対処法

男性も貧血や脱水がある場合には低血圧になることがあります。血圧が低いだけではなく、頭痛、めまい、嘔気、だるいなどの症状がある場合には、まずは内科でご相談ください。

高齢者で血圧が低い症状で考えられる主な原因と対処法

加齢により血圧を制御している自立神経の働きや心臓のポンプの働きは低下して、それにより低血圧になることがあります。特に食事性低血圧は高齢者で起こりやすい低血圧です。食事は小分けにして、少しずつ食べましょう。高齢者の低血圧は症状が出やすく、めまいやふらつきがあると転倒のリスクになります。低血圧を指摘された場合には必ず内科や循環器内科を受診して原因検索を行いましょう。

すぐに病院へ行くべき「血圧が低い(低血圧)」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

意識が遠のくような症状の場合は、内科へ

低血圧でめまい、ふらつきに加え、意識が遠のくような感じがすることがあります。また低血圧症状に加えて、胸が締め付けられる、胸の痛みがあるなどの場合には急性心筋梗塞などによる低血圧を疑います。内科や胸の症状がある場合には循環器内科をすぐに受診しましょう。動けない場合などには救急車をご利用いただくとよいでしょう。

受診・予防の目安となる「血圧が低い(低血圧)」のセルフチェック法

  • ・血圧が低い(低血圧)以外に意識を失うような症状がある場合
  • ・血圧が低い(低血圧)以外に胸痛などの胸の症状がある場合
  • ・血圧が低い(低血圧)以外に頭痛、めまい、吐き気などの他の症状がある場合

「血圧が低い(低血圧)」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「血圧が低い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

貧血

貧血で低血圧を起こす場合、多くは急激に貧血が進行している時と考えられます。消化管出血や下血などで大量に出血している場合などには、低血圧になります。貧血が低血圧の原因になっている場合、すぐに治療が必要ですので病院を受診しましょう。

糖尿病

糖尿病では長い期間未治療で高血糖にさらされると自律神経障害が起こります。糖尿病性自律神経障害にはさまざまな症状がありますが、起立性低血圧は頻度の高い症状といえます。起立直後の低血圧でめまいや脱力、目の前が真っ暗になることがあります。一時的に意識を失ってしまうこともあります。まずは糖尿病の治療を行い、血糖値を適切な範囲でコントロールすることが重要です。糖尿病の治療中で低血圧や低血圧症状にお悩みの際は主治医に相談しましょう。

自律神経障害

血圧は自律神経によりコントロールされていますが、自律神経障害により起立性低血圧、食事性低血圧などが起こることがあります。自律神経障害の原因としては、ストレスや生活習慣の乱れが原因になることもあります。まずは、ストレスを溜めないような生活や、上手に発散できるようにしましょう。睡眠時間を確保して、バランスのよい食事、適度な運動習慣などの生活習慣を整えることも重要です。
ただし、自律神経障害に更年期障害やその他の病気を合併することがあります。自己判断せずにまずは病院で相談しましょう。自律神経障害を劇的に治す治療はありませんが、生活習慣の見直しに加えて、低血圧に対しては血圧を上げて症状を緩和させる薬剤治療なども適応になります。

「血圧が低い(低血圧)」ときの正しい対処法は?

低血圧による頭痛、めまいなどがでた場合には、まず横になりましょう。心臓と脳の高さを同じにすると低血圧が改善することが多く、症状も緩和します。痛みに対しては市販薬の頭痛薬を使ってもよいですが、出血や脱水が原因で低血圧を起こしている場合には自己判断でむやみに鎮痛薬を使用すると逆に血圧を下げる原因になることがあります。
まずは、低血圧の原因が何なのかを知ることが大切です。
低血圧の原因が糖尿病や神経疾患などによらない、自律神経失調症の場合には、ストレスを避けたり生活習慣を見直したりして規則正しい生活をとるように心がけましょう。起立性低血圧の場合には、起こる時などはゆっくりした動作で血圧を急激に変動させないように気をつけましょう。水分や塩分の補給は、脱水症の予防・治療として効果的です。

「血圧が低い(低血圧)」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧が低い(低血圧)」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

低血圧は体にどんな症状が起きるのでしょうか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

血圧が低いことで様々な臓器への血流も低下しますが、症状がでるのは脳の虚血症状が多いです。脳が虚血になると、頭痛、めまいなどが起きて、ひどいものでは意識を失う場合もあります。

血圧が低いのは何科の病院で相談できますか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

心臓が原因の場合には循環器内科が専門ですが、その他の原因検索の目的では内科や総合内科などでも診察、検査が可能です。

朝、血圧が低くて寝起きが悪いのは病気の可能性がありますか?

久高 将太 医師久高 将太 医師

通常は朝方になると自律神経の調節で血圧が上がりはじめ身体が起きる準備に入れますが、自律神経調節障害などがあると血圧が低いままで寝起きも悪くなってしまいます。
寝起きが悪いだけで日中は特に症状がないのであれば、まずは自律神経のバランスを戻せるようにストレスを避けていただいたりする工夫で症状が改善することがあります。そのような工夫でも症状が続く場合には、一度低血圧の原因検索をした方がよいかもしれません。

まとめ

血圧が低くなるとどのような病気が考えられるのか解説しました。高血圧はよく病気の認識があるのですが、血圧が低く症状がある場合にも治療が必要になることもあります。記事を読んで思い当たることがあったり、不安があったりする場合には医師にご相談くださいね。

「血圧が低い(低血圧)」で考えられる病気と特徴

「血圧が低い(低血圧)」から医師が考えられる病気は15個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

神経内科系の病気

  • パーキンソン病
  • レビー小体型認知症

精神科の病気

産婦人科系の病気

血圧はもともと低い方もいて、低い血圧であるだけで症状がなければ問題はありませんが、何らかの症状が現れている場合には検査することをお勧めいたします。

「血圧が低い(低血圧)」と関連のある症状

「血圧が低い(低血圧)」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

「血圧が低い」症状の他に、これらの症状がある場合も「心筋梗塞」「糖尿病」「パーキンソン病」「うつ病」「更年期障害」などの疾患の可能性が考えられます。
複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。