目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. 「頭痛と微熱が続く」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「頭痛と微熱が続く」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「頭痛と微熱が続く」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
頭痛と微熱が続く時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が原因・考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

プロフィールをもっと見る
医師、医学博士。
2011年福島県立医科大学医学部卒業。2013年福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長を歴任。2022年より東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医、健康経営エキスパートアドバイザー。

「頭痛と微熱が続く」原因と対処法

私たちの体は、ちょっとしたことで色々な反応を見せます。頭痛と微熱が同時に続くのは、よくあることですが、その背景にはさまざまな理由が考えられます。軽い風邪のような一時的なものもあれば、注意が必要な病気のサインである可能性もあるのです。 本記事では、頭痛と微熱が続くときに、自分でできる対処法と、どんな原因が考えられるのかを説明していきます。

頭痛と微熱が続く原因と対処法

頭痛と微熱が続く場合、どんな頭痛か(ズキズキする、締め付けられるなど)、熱の高さ(37度台前半など)、症状が続く長さ、そして他の症状があるかどうかで、考えられる原因が変わってきます。 原因はいろいろと考えられますが、多いのは風邪やインフルエンザなどのウイルスによる感染症や、副鼻腔炎・扁桃炎のような特定の場所の細菌による感染症です。その他には、血管炎や膠原病のような炎症性の病気なども考えられます。 感染症の場合、ウイルスや細菌といった病気の原因となるものが体の中で増えて、炎症を起こすことで頭痛や熱が出ます。炎症性の病気や膠原病の場合は、体の免疫の仕組みがうまくいかなくなって、炎症が起こると考えられています。 すぐにできることは、無理せずゆっくり休むことです。また、汗をかいたりして体の水分が減りやすいので、水分をしっかり摂ることも大切です。熱っぽく感じたら、おでこや脇の下、首筋などを冷やすと楽になります。市販の冷却シートや冷やしたタオルを使ってみましょう。軽い頭痛や熱には、市販の痛み止めや解熱剤(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDsなど)を使うことも考えられます。 もし症状が良くならない場合や、ひどくなる場合は、内科を受診してください。

頭痛と微熱が続き、咳も出る原因と対処法

頭痛と微熱に加えて咳も出る場合、一番考えられるのは、喉や気管支などの呼吸器系の感染症です。ウイルスや細菌などの病原体が感染して、喉や気管支に炎症が起こり、頭痛や熱と一緒に、痰が絡んだり、乾いた咳が出たりします。 一番多い原因は、普通の風邪(感冒)です。鼻水や鼻詰まり、喉の痛みなども伴うことが多いです。もし、高熱が出て、関節や筋肉が痛むようなら、インフルエンザの可能性も考えられます。次の項目で説明する新型コロナウイルス感染症のことも頭に入れておく必要があります。その他、気管支炎や肺炎なども原因として挙げられます。 すぐにできることは、体を温めて安静にすることや、喉が乾燥しないように加湿器を使ったり、濡れたタオルを干したりすることです。こまめなうがいは、喉の炎症を和らげ、細菌やウイルスを洗い流すのに役立ちます。熱や咳で体の水分が失われやすいので、こまめに水分を補給しましょう。市販の咳止めや痰を出しやすくする薬(去痰薬)も、必要に応じて使うと良いでしょう。 症状が良くならない場合は、内科や呼吸器内科を受診してください。病院に行く際には、頭痛と微熱に加えて、どんな咳か(乾いた咳か、痰が絡むか、痰の色など)、いつから咳が出始めたか、他にどんな症状があるか(鼻水、喉の痛み、だるさなど)を、医師に伝えるようにしましょう。

頭痛と微熱が続き、コロナの疑いがある原因と対処法

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の症状は、熱、咳、だるさなどが一般的ですが、頭痛や微熱だけで始まることもあります。また、においや味がおかしくなるのも特徴的な症状として知られていますが、これらの症状は他の感染症でも見られるため、症状だけでコロナかどうかを判断するのは難しいです。 すぐにできることは、他の人にうつさないように、外出を控えて家で休むことです。 安静にして体を休ませることや、こまめに水分を摂って脱水を防ぐことが大切です。また、部屋の空気を定期的に入れ替えること、石鹸と流水でしっかり手洗いやうがいをすることも心がけましょう。症状に合わせて、市販の解熱鎮痛薬を使うのも良いでしょう。 症状が良くならない場合は、内科を受診してください。受診する前に、必ず医療機関に電話で連絡してから行くようにしましょう。病院ではマスクを着用し、いつからどんな症状があるか、周りに感染した人がいるかなどを詳しく伝えてください。

すぐに病院へ行くべき「頭痛と微熱が続く」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

激しい頭痛、意識障害、麻痺などの症状の場合は、脳神経内科や脳神経外科へ

今まで経験したことのないようなひどい頭痛、突然始まった頭痛、だんだんひどくなる頭痛、吐き気や嘔吐を伴う頭痛、意識がぼんやりする、手足が動かしにくい、しびれる、物が二重に見える、ろれつが回らない、けいれんなどの症状が見られる場合は、脳に重大な異常が起きている可能性があります。例えば、脳出血やくも膜下出血、髄膜炎などが考えられます。 このような症状が見られた場合は、脳神経内科や脳神経外科がある病院を受診してください。

「頭痛と微熱が続く」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「頭痛と微熱が続く」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急な呼吸器の感染症です。A型、B型、C型、D型がありますが、人に流行するのは主にA型とB型です。高熱、咳、鼻水、喉の痛み、全身のだるさ(倦怠感)、関節痛、筋肉痛などが代表的な症状ですが、頭痛や微熱だけで始まることもあります。特に高齢の方や、持病のある方は重症化しやすいです。 感染した人の咳やくしゃみなどからウイルスが空気中に広がり、それを吸い込むこと(飛沫感染)や、ウイルスが付いた物に触れた手で自分の口や鼻を触ること(接触感染)で感染します。 治療には、抗インフルエンザウイルス薬が有効で、発症してから48時間以内に使い始めることが勧められています。その他には、熱を下げる薬や痛み止めなど、症状に合わせた治療を行います。家で療養する際は、安静にして体を温めること(十分な休息)、こまめに水分を摂ること(脱水を防ぐ)、部屋の湿度を保つこと(喉の乾燥を防ぐ)が、体力を回復するために大切です。 高熱が続く場合(特に38℃以上)や、咳がひどく呼吸が苦しい場合などは、内科、呼吸器内科、または小児科(お子さんの場合)を受診してください。

副鼻腔炎

副鼻腔炎は、鼻の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。急性の副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染の後に起こることが多く、鼻詰まり、黄色や緑色の鼻水、顔の痛み、頭痛、発熱などが主な症状です。慢性化すると、鼻詰まりや鼻水が長く続き、においがわからなくなったり(嗅覚障害)、鼻水が喉に流れ込んだり(後鼻漏)することがあります。微熱が続くこともあります。 急性の副鼻腔炎の主な原因は、ウイルス感染に続いて起こる細菌感染です。アレルギー性鼻炎や鼻の骨の歪み(鼻中隔弯曲)なども、副鼻腔炎のリスクを高めることがあります。慢性の副鼻腔炎の原因は色々あり、細菌感染が長引いたり、アレルギー、カビの感染(真菌感染)、免疫の異常などが考えられています。 急性の副鼻腔炎の主な治療は、抗菌薬を服用することです。鼻詰まりや炎症を抑えるために、痰を出しやすくする薬(粘液溶解薬)やアレルギーを抑える薬(抗ヒスタミン薬)、ステロイドの点鼻薬などが使われることもあります。慢性の副鼻腔炎では、薬の治療に加えて、内視鏡を使った手術が必要になることもあります。家でできることとしては、鼻うがい(生理食塩水などで鼻の中を洗うこと)、加湿(鼻の粘膜の乾燥を防ぐこと)、安静にすることなどです。 鼻水が黄色や緑色で、症状が1週間以上続く場合や、顔の痛みや頭痛がひどい場合、熱が続く場合、市販薬を使っても良くならない場合、においがわからなくなった場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

髄膜炎

髄膜炎は、脳や脊髄を覆っている髄膜という組織に炎症が起こる病気です。細菌、ウイルス、カビなどが原因となります。主な症状は、ひどい頭痛、高熱、首の後ろが硬くなる(項部硬直)、吐き気、嘔吐、意識が悪くなる、けいれんなどです。微熱で始まることもありますが、進行が早く、重い状態になることがあります。 細菌が感染して起こる細菌性髄膜炎、ウイルスが感染して起こるウイルス性髄膜炎、カビが感染して起こる真菌性髄膜炎などがあります。 治療法は、それぞれの髄膜炎の種類によって異なり、細菌性髄膜炎には抗菌薬、真菌性髄膜炎には抗真菌薬を使います。ウイルス性髄膜炎の場合は、特別な治療法はなく、安静にしたり、水分を補給したり、熱を下げる薬や痛み止めを使ったりするなどの対症療法になります。 早く診断して早く治療を始めることが大切な病気です。ひどい頭痛や高熱、首の後ろが硬い、意識がぼんやりする、けいれんなどの症状があれば、脳神経内科や救急科を受診してください。

「頭痛と微熱が続く」時の正しい対処法は?

軽い頭痛や熱に対して、市販の解熱鎮痛薬を使うことは、一時的な対処法として考えられます。しかし、症状が良くならない場合や悪化する場合は、自分で判断して薬を飲み続けずに、病院を受診することが大切です。 症状を和らげる市販薬としては、解熱鎮痛薬や総合感冒薬(アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどが含まれているもの)が一般的で、頭痛や熱を和らげる効果があります。漢方薬では、葛根湯や麻黄湯、桂枝湯などを使うことがありますが、漢方薬は体質や症状によって合う薬が違うため、医師や薬剤師に相談するのが良いでしょう。 市販の薬を飲んで様子を見ても良いのは、軽い〜中程度の頭痛、38℃以下の熱で、他に意識が悪くなったり、手足が動かしにくくなったり、ひどく吐いたりするなどの重い症状がない場合です。しかし、ひどい頭痛がある、高熱がある、意識がおかしい、手足が動かない、ひどく吐くなどの症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。 また、療養中は、しっかり睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけ、無理のない範囲で体を動かすなどして、体力の回復を助けるのが良いでしょう。安静にして、体を休ませることが一番大切です。これらのことを試しても症状が良くならない場合や、むしろ悪くなっている場合は、自分で判断せずに病院を受診してください。

「頭痛と微熱が続く」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「頭痛と微熱が続く」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

頭痛と微熱が続くのはインフルエンザなのでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

インフルエンザの可能性は十分に考えられます。インフルエンザは、高熱、咳、鼻水、喉の痛み、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などが典型的な症状ですが、初期には頭痛や微熱のみが見られることもあります。 ただし、頭痛と微熱が続く原因には風邪をはじめとする他のウイルス感染症、副鼻腔炎、髄膜炎、膠原病など、様々な病気が考えられます。自己判断せずに、医療機関を受診して正確な診断を受けることが大切です。

37度の微熱はストレスが原因でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

ストレスが原因で微熱が出ることがあります。精神的なストレスや疲労が続くと、自律神経のバランスが乱れ、体温調節機能に影響を与えることがあります。その結果、37度程度の微熱が続くことがあります。 しかし、微熱の原因には感染症の初期、慢性的な炎症性疾患、ホルモンバランスの乱れなど、様々なものが考えられます。一度内科を受診して、他の原因がないか確認してもらうことをお勧めします。また、ストレスが原因と考えられる場合でも、適切な休息やリラックス、ストレス解消法を見つけることが大切です。

37度の微熱でもインフルエンザを発症することはありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

はい、37度程度の微熱でもインフルエンザを発症する可能性はあります。 一般的にインフルエンザは高熱を伴うことが多いですが、特にワクチンの接種後や、免疫力が弱い高齢者、乳幼児などでは、微熱程度で経過することもあります。また、インフルエンザの初期症状として微熱が見られることもあります。ただし、微熱の症状だけでインフルエンザと決めつけることはできないため、咳、鼻水、喉の痛み、倦怠感、関節痛、筋肉痛などの他の症状の有無や、周囲のインフルエンザの流行状況なども考慮する必要があります。インフルエンザが疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、検査を受けることをお勧めします。

まとめ

頭痛と微熱が続くという症状の背景には様々な原因が潜んでいる可能性があります。多くは一時的な風邪などの感染症によるものですが、中には注意が必要な病気のサインであることもあります。 激しい頭痛、意識の変化、麻痺、高熱、首の後ろの硬直などの症状が見られる場合は、緊急性の高い病気の可能性があります。これらの症状が現れた場合は救急外来を受診してください。また、症状が長引く場合や、改善しない場合も、必ず医師の診察を受けましょう。

「頭痛と微熱が続く」で考えられる病気

「頭痛と微熱が続く」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経科の病気

耳鼻咽喉科の病気

内科の病気

いろいろな病気が考えられる症状であるため記事内で紹介した病気のみを挙げましたが、他にも多く考えられます。実際には重篤な病気である頻度は少なく、一時的な症状ですむことが多いと思います。

「頭痛と微熱が続く」に似ている症状・関連する症状

「頭痛と微熱が続く」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

頭痛と微熱が続く症状には様々な原因が考えられます。多くの場合、一時的で軽い風邪のような症状なので過度に心配する必要はありませんが、激しい頭痛や意識障害などの症状がある場合には緊急性のある病気が隠れている可能性があるのですぐに受診するようにしましょう。