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「胃が痛くて寝れない」原因・対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

「胃が痛くて寝れない」原因・対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

胃が痛くて寝れないときの対処法は?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

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「胃が痛くて寝れない」症状で考えられる病気と対処法

胃が痛くて寝れない症状に襲われたことはありませんか。
胃が痛いせいで夜に十分に眠れない場合にはどのような疾患が隠れているか心配になりますね。
今回は、お腹が痛くて寝れない際に考えられる病気とその対処法を中心に解説していきます。

胃が痛くて寝れない症状で考えられる原因と治し方

胃が痛くなって寝れない症状で考えられる原因疾患として、「逆流性食道炎」が挙げられます。逆流性食道炎という病気は成人の約15%前後が罹患していると推定されており、特に中高年や高齢者に多く発症し、適切な治療を受けない場合は胃が痛くて寝れない、あるいは吐き気症状などが持続することで日常生活に支障をきたすようになります。
逆流性食道炎とストレスには深い関係があるといえますので、日頃から大きなストレスを溜め込みすぎないように認識して、ストレスがかかった際には趣味や好きなことを行うなどストレスを発散させるように取り組みましょう。
心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診してください。

急に胃が痛くなって寝れない症状で考えられる原因と治し方

急に胃が痛くなって寝れない症状で考えられる原因疾患として、「急性胃炎」が挙げられます。日常生活における心理的なストレスだけではなく、例えば脳血管疾患や熱傷、外傷などのイベントを体感している時や大きな手術後などで身体的ストレスが存在している際にも急性胃炎は起こりやすいと考えられます。
一度急性胃炎を発症すると、みぞおち辺りにキリキリとした痛みが出現して寝れなくなることもあり、またそれ以外にも吐き気、嘔吐、下痢などの症状が生じます。
胃粘膜の障害が強い場合には、胃粘膜からの出血がみられることもあり、結果として吐血したり、下血(便に血液が見られる)を起こしたりすることもあります。
一般的に、急性胃炎の症状そのものは安静にすることで数日のうちに改善することが期待されますが、症状が改善しない際には、消化器内科など専門医療機関を受診してください。

みぞおちが痛くて寝れない症状で考えられる原因と対処法

みぞおちが痛くて寝れない症状で考えられる原因疾患として、「アニサキス症」が挙げられます。アニサキスは主にイカ、サバ、アジ、イワシ、サンマなどの魚介類に潜んでいる寄生虫であり、アニサキス症は寄生虫のアニサキスを生きた状態で摂取することによって発症するため、アニサキス症を予防するためには生きたアニサキスが含まれる食品を取らないこと重要です。
通常、60度で1分以上の加熱する、あるいはマイナス20度で24時間以上の冷凍処理をすれば人体に害を及ぼすことはなくなるので、アニサキス症を予防するためは、原因となる食品を加熱・冷凍後に摂取することが大切です。
心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

すぐに病院へ行くべき「胃が痛くて寝れない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

強い腹痛症状の場合は、救急科へ

腸の壁に侵入するタイプの「腸アニサキス症」では、食後十数時間~数日後に激しい腹痛、吐き気・嘔吐などの症状が現れます。
一般的に、腸の粘膜壁は胃壁よりも薄いため、重症な場合にはアニサキスが腸の壁を突き破って穴を開けて腹膜炎を引き起こすこともあります。
万が一、強い腹痛症状を認めた際には、早急に救急車を呼んで救急外来を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「胃が痛くて眠れない」ときのセルフチェック法

  • 胃が痛くて眠れない以外に嘔気症状がある場合
  • 胃が痛くて眠れない以外に胸焼け症状がある場合
  • 胃が痛くて眠れない以外に下痢症状がある場合

「胃が痛くて寝れない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「胃が痛くて寝れない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

急性胃炎

急性胃炎とは、胃の粘膜に急激な炎症が引き起こされた状態を指します。
発症原因はさまざまですが、発症すると、みぞおち辺りのキリキリとしたおなかの痛みや吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が生じます。発症要因となるものが判明している場合は、その原因を除去できれば短期間に回復が望めます。
胃の安静を保つことで自然に症状が消失する軽症なものから、内服薬や点滴加療、禁食が必要となる重症の急性胃炎もあります。
ほとんどが軽症の急性胃炎であるものの、症状が胃潰瘍や胃癌とも類似していることもあるため、ご自身で自己判断にて胃炎と判断せずに、もし症状が改善しない場合は胃内視鏡検査による病態の確認が必要です。
心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診して相談してください。

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍はストレスや薬物などが原因で発症することが多く、まさに現代社会における代表的な病気です。
胃液中に含まれる塩酸やペプシンといった物質が、過剰に産生されて十二指腸を保護している消化管粘膜を消化してしまうことによって十二指腸壁に潰瘍を形成します。
十二指腸潰瘍になっていても全く症状を感じないケースもあります。知らず知らずのうちに潰瘍が悪化して、十二指腸に穴が空いてしまうことで、初めて腹部の激痛を自覚して十二指腸潰瘍が発見される場合もあり、注意が必要です。
胃の痛み以外にも急な吐き気、腹部不快感、嘔吐など多彩な症状を呈することがあります。
十二指腸潰瘍に対する治療手段としては、胃酸分泌を抑制する薬や胃や十二指腸の粘膜を保護する薬などが処方される方策が効果的です。
心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

アニサキス中毒・胃アニサキス症

アニサキス症とは、イカやサバなどの魚介類の寄生虫であるアニサキスを摂取することで発症する病気であり、生きたアニサキスが寄生した食品を生食することで、様々な症状が引き起こされます。
代表的な症状は、アニサキスが胃の壁に侵入しようとすることによって引き起こされる強い上腹部痛、吐き気、嘔吐などの症状であり、重症な場合には腸に穴が開いて穿孔を起こす、あるいは腸閉塞を引き起こすことがあります。
胃アニサキス症に対する治療は、基本的には内視鏡でアニサキスを摘出する処置が実施されます。
心配であれば、消化器内科など専門医療機関を受診してください。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、従来では日本人に少ない病気でしたが、近年の食生活の変化などによって、最近患者数が増加しています。
逆流性食道炎は、下部食道括約筋の機能が低下することで、胃酸が逆流を起こして食道に炎症が広がるのみならず、食道の蠕動運動が悪くなると胃の内容物が一時的に逆流した際に迅速に胃に送ることが困難となり、食道にさらに炎症を引き起こすことに繋がります。
逆流性食道炎は、加齢・食事の内容・肥満・姿勢などによって、食道を逆流から守る仕組みが弱まるか、胃酸が増えすぎることで胃液が逆流するために起こります。
その他の原因として、脂肪分や蛋白質の多い食事内容を食べ過ぎることで胃酸が過剰に増加するなども考えられています。
症状は胸やけや胃付近の痛み、吐き気など様々です。消化の良い食べ物を摂取して、食べた後にすぐに横にならないように注意しましょう。
症状が長引く際には、消化器内科など専門医療機関を受診してください。

「胃が痛くて寝れない」ときの正しい対処法は?

基本的に、胃が痛くて寝れない場合には、胃の荒れを予防するために、規則正しい食事をすることが原則です。
長時間空腹で一気に大量に食べるスタイル(ドカ食い)や暴飲暴食は胃粘膜が荒れることに繋がりますので、1日3食決まった時間に食べるように心がけてください。
胃の荒れをはじめ、急性胃炎を含む胃の病気のほとんどが、食事法を含めた不摂生な生活が原因で起こると考えられています。また、睡眠不足も胃が荒れる原因になります。
急性胃炎や急性胃潰瘍は原因の除去と適切な治療がされれば、一般的には経過は良好です。
急性胃炎では、上記で紹介した原因に対してアプローチすることも重要です。
早く治したい場合やセルフケアを実践しても症状が収まらない場合は、早急に専門医療機関を受診して精密検査を受けましょう。

「胃が痛くて寝れない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「胃が痛くて寝れない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

胃痛で眠れないときにすぐ効果がある対処法はありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

普段から塩辛や漬け物など塩分を多く含むもの、あるいは羊羹やチョコレートなどの甘菓子を摂取しすぎると、胃の粘膜を刺激して胃痛で眠れなくなる可能性がありますので、出来る限り控えるように心がけましょう。

胃が痛くてなかなか寝れないときはどんな寝方だと楽に寝れますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

胃が痛いときの一般的な寝方は右側を下にした寝方ですが、逆流性食道炎の場合は左側を下にした寝方が痛みを軽減するためには効果的であると言われています。

胃の痛みでぐっすり眠れず夜中目が覚めるのは胃腸の病気でしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

胃の痛みでなかなか眠れずに夜中に目が覚める場合には、逆流性食道炎、急性胃炎、十二指腸潰瘍など胃腸の病気が考えられます。症状が改善しない際には、早急に専門医療機関を受診してください。

胃が痛くて寝れないときは漢方薬が効果的なのですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

胃薬には、生薬や漢方成分を配合している胃腸薬が多くありますので、胃が痛くて寝れない症状がひどくなった際には、自分の状態に合わせて漢方薬を選択することも有用です。例えば、半夏瀉心湯という漢方薬は、ストレスで胃が痛くなった場合に用いる漢方薬であり、主に体力は中程度、食欲がなく、吐き気や下痢などの症状を有する場合に適しています。

胃が痛くて寝れないのはストレスが原因ですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

日々の慢性的なストレスによって、胃の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れると、食べ物を消化して、小腸に送り出す機能が低下して、胃もたれや胃痛を自覚して寝れない可能性もあります。規則正しい生活を送って自分なりにストレス発散しましょう。

まとめ 胃が痛くて寝れないときは逆流性食道炎などの可能性あり

胃が痛くて寝れないときは、逆流性食道炎や十二指腸潰瘍、急性胃炎などを発症している可能性があります。
セルフケアを実施したうえで、きちんと治療をしないと日常生活に制限が生じて生活の質が低下しますので、気になる症状を認めた場合は早めに消化器内科など専門医療機関を受診しましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

「胃が痛くて寝れない」症状で考えられる病気

「胃が痛くて寝れない」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器内科の病気

胃の痛みといっても、実際には胃以外の臓器(食道や十二指腸)からの症状ということはあります。症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

「胃が痛くて寝れない」に似ている症状・関連する症状

「胃が痛くて寝れない」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「胃が痛くて寝れない」症状のほかに上記の症状が見られる場合も、「急性胃炎」「十二指腸潰瘍」「アニサキス症」などの可能性が考えられます。症状が複数みられる場合は、一度医療機関を受診して詳しく調べてもらいましょう。

この記事の監修医師