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「お腹がすいて寝れない」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「お腹がすいて寝れない」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

お腹がすいて寝れないときの対処法は?Medical DOC監修医が対策や強い空腹で考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

「お腹がすいて寝れない」症状で考えられる病気と対処法

お腹がすいて寝れない状態に陥った経験を持っている方もいらっしゃるでしょう。
空腹を満たすために食事をすることは手っ取り早い方法ですが、夜中や寝る前に何か食べるのは体重増加などの観点で抵抗がある場合もありますね。
今回は、お腹がすいて寝れない原因や対処法などを含めて解説していきます。

夜お腹がすいて寝れない症状で考えられる原因と対処法

夜お腹がすいて寝れない症状で考えられる疾患として、「夜間摂食症候群」が挙げられます。
夜間摂食症候群の主な症状は、夕食後の大食い傾向を認める事であり、1日の摂取カロリーの4分の1から半分以上を夕食後に取ってしまうことが特徴としてあります。
また、不眠症を同時に合併していることが多く、食べないと眠れないと思い、夜中に起き出して食べてしまうことも見受けられますし、朝起床時は食欲がなく、夕方以降に気分が落ち込む抑うつ状態に陥るサイクルが認められるのも特徴のひとつであると考えられています。
夜間摂食症候群は、主に30~40代の働き盛りの男性に多いと言われていて、夜遅く食べてはいけないことは本人も十分理解しているので食べたあとに多くは後悔する傾向があるのですが、その状態が病気だと認識していないことがほとんどです。
対処策としては、まずは病気のことをよく知り、強い摂食欲求が出た場合の自分なりの解決方法などを学習する必要があります。
専門医療機関での実際の治療場面においては、患者さんの食生活の状態を詳しくヒアリングすることから始めて、ストレスの根源を探り、抗うつ薬を使った薬物療法や認知行動療法で摂食欲求を強めているストレスそのものに対する受け止め方を訓練していくことが重要です。
心配であれば、精神科や心療内科などを受診して相談してください。

生理前にお腹がすいて寝れない症状で考えられる原因と対処法

生理前にお腹がすいて寝れない症状で考えられる原因疾患として、「月経前症候群」が挙げられます。
月経前の症状は人それぞれで異なりますが、場合によっては「お腹が無性に空いて寝つきが悪く、眠りが浅く夜間に何度も目が覚めて熟睡できない」など不眠症状が出現する場合があります。
生理前になると眠れなくなる原因は正確には判明していませんが、月経周期に伴うエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの変化、あるいは日々の食生活などにおけるビタミン不足やカルシウム不足が関連していると指摘されています。
生理前に眠れなくなることについて、特に月経前症候群を抱える人に睡眠の質が低下している人が多い傾向があると言われています。
生理前に眠れずに悩んでいる方は、普段の睡眠の質を高めるように意識するとともに、心配であれば、精神科や心療内科など専門医療機関を受診しましょう。

妊娠中にお腹がすいて寝れない症状で考えられる原因と対処法

妊娠中にお腹がすいて寝れない症状で考えられる原因として、「妊娠に伴うホルモンバランスの乱れ」が挙げられます。
妊娠によって女性の身体には非妊娠時と比べて大きな変化が現れ、hCGホルモンやプロゲステロン(黄体ホルモン)、エストロゲン(卵胞ホルモン)などのホルモンバランスが乱れて、体調や体型、免疫低下などにより、これまでの日常生活とは異なる生活リズムとなります。
妊娠すると、妊娠を継続するために基礎体温が下がることなく通常よりも高めの体温を維持するようになるため、妊娠を契機に寝付きにくいという症状を抱える人がいます。
不眠を招くホルモン「エストロゲン」という女性ホルモンが優位になることで眠りが浅くなる場合が考えられます。
妊娠中にお腹が空いて眠れない際には、日中にウォーキングやヨガ、水泳などの運動を適度に取り入れて、健康的な生活を送ってできるだけ体を動かすように意識しましょう。
また、妊娠中に軽い運動だけでなく朝起きたら朝日を浴びる、あるいはバランスの取れた食事メニューを摂取するなど生活習慣を整えておくと、質のよい睡眠が期待できます。
心配であれば、産婦人科、あるいは精神科や心療内科など専門医療機関を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「お腹がすいて寝れない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

顕著な不眠症状の場合は、精神科へ

多少お腹が空いて眠れない日々が続いても、長期間ではなく一時的なことであり、それほど本人が苦になっていないのであればたいした問題ではありませんが、徐々に眠れない日が続いて日中の眠気や倦怠感、および集中力が顕著に低下することによって、仕事の業務や家庭での家事がうまく運ばないことが現実的にはあります。
万が一、毎日の生活の中で「眠れない」ということで生活や仕事に少なからず支障が生じているとなれば、それはいわゆる「不眠症」と言えるでしょう。
不眠症とは、入眠そのものの障害や中途半端な覚醒、あるいは早朝から目覚めて覚醒してしまう、また熟眠ができない障害などの睡眠に関する様々な問題が期間として1ヶ月以上ものあいだ長期にわたって続いてしまいます。
顕著な不眠症状がある際には、早急に精神科など専門医療機関を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「お腹がすいて寝れない」ときのセルフチェック法

  • ・お腹がすいて寝れない以外にイライラして集中力が低下する症状がある場合
  • ・お腹がすいて寝れない以外に日中の眠気症状がある場合
  • ・お腹がすいて寝れない以外に倦怠感の症状がある場合

「お腹がすいて寝れない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「お腹がすいて寝れない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

夜間摂食症候群

夜間摂食症候群とは、寝る前や、途中で起きてしまった時に、どうしても食べる事を止められずに無茶食いをしてしまう結果、朝起床時に食欲がなくて、二次障害として、うつ症状を合併することもあります。
一般的に、夜間摂食症候群は、女性より男性に多いという特徴があり、このような食欲の制御が不能な状態は、摂食障害でもみられます。
夜間摂食症候群の発症原因としては、食欲を抑制する作用を持つレプチン、食欲を促進させる作用を有するグレリン、あるいはインスリン、メラトニンなど内分泌系ホルモンの関与が指摘されています。
ホルモンの機能障害に対して有効的な薬物療法もあり、特に眠れない不安や拘り症状を改善できる可能性がありますので、心配であれば、精神科や心療内科を受診して相談しましょう。

「お腹がすいて寝れない」ときの正しい対処法は?

お腹が空いて寝れない症状の落ち着かせ方としては、夜型の生活リズムを改善して、毎朝しっかりと太陽の光を浴びる、ストレスを可能な限り減らせるようにセルフケアを行う、食べること以外の癒しを取り入れる、自分だけでコントロールできる余暇を楽しむなどの工夫が重要です。
症状別の対処方法と注意点として、夜間摂食症候群である場合には、まずは自分の状態を正しく理解して適切に病気を捉えることから開始しましょう。
生理前や妊娠中などにお腹がすいて寝れない場合には、眠る前に白湯やホットミルク、ハーブティーなどノンカフェインの温かい飲み物で体を温めるとリラックスして眠りやすくなります。
また、好きな香りのアロマやお茶の種類を探して、眠くなるまでの時間を自分なりに楽しむことも重要です。
一般的に、睡眠の質を高める方法としては、規則正しい生活を心がける、寝る前にリラックスできる飲み物を飲む、アロマテラピーをする、食事メニューを工夫して夕食は出来る限り就寝3時間前に済ませる、湯船に浸かってリラックスする、睡眠環境を整えるなどが挙げられます。
早く治したい時やセルフケア、応急処置を実施しても症状が収まらない場合は、出来るだけ早く精神科や心療内科など専門医に相談しましょう。

「お腹がすいて寝れない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「お腹がすいて寝れない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

お腹がすいて寝れないときは何を食べるのが良いでしょうか。

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

お腹がすいて寝れない時には、「カフェインを極力取らずにコップ一杯程度の水分をとる」あるいは「消化も良く、食べごたえもあるりんごや梨などの果物など夜食を軽く食べる」ことをお勧めします。

空腹で眠れない・目が覚めてしまうのは病気の可能性がありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

お腹がすいて寝れない理由としては、夕食を食べてから寝るまでの時間が長く血糖値が下がるため、あるいは夜間摂食症候群など病気が隠れている可能性もありますので、心配であれば専門医療機関を受診しましょう。

夜中におなかが空いて寝付けないとき夜食を食べていいのでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

コップ1杯程度の水分ではどうしても空腹感が改善しない場合には、軽く夜食を食べるのもひとつの方法として考えられます。ただし、消化に悪いものを摂取すると、良質な睡眠を妨げることがありますので十分注意してください。

お腹がすいたまま寝るとどうなりますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

お腹が空いた状態で眠ろうとしてもなかなか寝付けず、結果的に睡眠不足になる可能性もありますし、空腹感を抱えたまま就寝すると生体の代謝が抑制されて、エネルギー消費が低下して様々なパフォーマンスが下がるなどの弊害も想定されます。

まとめ

近年では、働き方やライフスタイルの変化により、夜遅くに食事を取る人が増えていて、その中には、夜間摂食症候群という夕食を摂取した後も食べたい欲求が収まらない摂食障害などの病気が紛れていることもあります。
また、生理前や妊娠中にお腹が空いて寝れない際には、月経前症候群が隠れている可能性もありますし、妊娠に伴うホルモンバランスの乱れが原因であることも考えられます。
日常的に「お腹が空いて寝れない」症状で苦悩している際には、精神科や心療内科など専門医療機関を受診して適切に対応するように努めましょう。
今回の情報が参考になれば幸いです。

「お腹がすいて寝れない」症状で考えられる病気

「お腹がすいて寝れない」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

精神科・心療内科の病気

産婦人科の病気

  • 妊娠に伴うホルモンバランスの乱れ

病的な理由でこのような症状が出現することもあります。

「お腹がすいて寝れない」に似ている症状・関連する症状

「お腹がすいて寝れない」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「お腹がすいて寝れない」症状の他にこれらの症状がある場合でも「夜間摂食症候群」「月経前症候群」「妊娠に伴うホルモンバランスの乱れ」などの疾患の可能性が考えられます。イライラして集中力が低下する場合や日中の眠気症状がある場合、倦怠感の症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師