「気持ち悪い」症状の原因・対処法はご存知ですか?【医師監修】

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監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
気持ち悪いと感じる原因

ここでは、気持ち悪い状態を引き起こす主な原因3つについて解説します。
食べすぎ・飲みすぎ
食べすぎ・飲みすぎは、胃腸の炎症を引き起こす原因となります。胃腸に負担がかかり機能が低下することで、吐き気や気持ち悪さを感じることもあるでしょう。食生活を振り返ってみて思い当たるようであれば、意識的に胃腸を休めるようにしてください。消化の良い食べ物をゆっくりとよく噛んで食べるように心がけると良いでしょう。特に、辛い物・脂っこい物・アルコールなどは胃腸の不調を引き起こす原因となります。症状が改善するまでは控えるようにしてみてください。
緊張・ストレス
身体が過度な緊張やストレスにさらされた場合、自律神経が乱れて吐き気などの症状が現れることがあります。例えば、強い悲しみ・怒り・恐怖などを感じた際に自律神経の調整がうまくできなくなってしまうことがあるのです。また、ストレスは負の感情を抱いた時のみに感じるわけではありません。楽しい・嬉しいと感じる出来事があったときにも身体にとってはストレスがかかります。普段とは違うイベントや生活の変化があった際には自律神経が乱れやすくなるため注意しましょう。自律神経がうまくコントロールできなくなったときには、以下のような症状が現れることもあります。
- 動悸
- めまい
- 頭痛
- 胃痛
- ふるえ
- のどのつまり
薬の副作用
内服している薬の副作用によって吐き気が引き起こされることがあります。また、吐き気以外には以下のような胃腸症状が現れることも考えられるでしょう。- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
多剤を併用する際には、現在服用している薬を医師や薬剤師に伝えるようにしてください。用法・用量を守って服用することも重要です。
気持ち悪い症状を引き起こす病気

胃腸炎
胃腸炎とは、細菌やウイルスへの感染によって胃腸に炎症が引き起こされる病気のことです。胃腸炎は炎症性の疾患ですので、気持ち悪さ以外にも様々な症状が現れることが多いです。例えば、以下のような症状が考えられます。- 発熱
- 胃やお腹の痛み
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 倦怠感気
吐き気が酷く水分を摂取できなかったり嘔吐や下痢を繰り返しているような場合には、脱水症状が引き起こされることがありますので注意しましょう。ご自身でこまめに水分摂取できない場合には医療機関へ受診するようにしてください。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、その名の通り、胃液が逆流することによって食道に炎症が引き起こされる病気のことです。主な症状は以下の通りです。- 胸やけ
- 胃もたれ
- 酸っぱい液が上がってくる
- 胸やみぞおち付近の痛み
- お腹の張り
- ゲップの回数が増える
- のどや耳の違和感
- 声のかすれ
- 慢性的な咳
- 飲み込みにくい
放置してしまうと様々な症状が現れるようになりますので、できるだけ早い段階で受診するようにしましょう。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアとは、検査をしても胃に病変が見当たらないにもかかわらず、胃痛や胃の不快感などを覚える病気のことです。近年、機能性ディスペプシアと診断されている方は多く、日常生活における様々な要因が複雑に絡み合って発症しているといわれています。具体的には、以下のようなものが発症の原因だと考えられています。
- 不眠
- 喫煙
- 飲酒
- 細菌やウイルス
- 遺伝子
- 胃の形
- 胃酸
嘔吐反射
嘔吐反射とは、何らかの刺激によって吐き気が誘発される反応のことです。嘔吐反射は病気ではありませんが、嘔吐反射が起きやすい方もいます。例えば、歯科受診で口の中を触られた際に反射的にえずいてしまうような場合です。嘔吐反射自体は、危険なものから身を守ろうとする生体の防御反応ですが、不安や恐怖などによって起こるものもあります。これを「異常絞扼(こうやく)反射」といいます。嘔吐反射は、口の中でも特に口の奥の方に刺激があった場合に吐き気を催しますが、異常絞扼(こうやく)反射の場合には実際に触れていなくても吐き気を催すのが特徴です。つまり、口を触られそうになっただけでも吐き気をもよおしてしまいます。
この症状は心理的な要因が大きいため、リラックスしたり他のことを考えたりすることで症状が軽減できることもあるでしょう。歯科受診などで嘔吐反射に不安を感じている場合には、事前に医師に相談してくと安心です。
気持ち悪いときの対処法

- 消化の良い食事を心がける
- 規則的な時間に食事を摂る
- 辛い食べ物を避ける
- アルコールやカフェインを控える
- 十分な休息をとる
- ストレスを発散する
例えば、朝と昼は食事を摂らずに夜のみ大量に食事を摂るなどは、胃腸に大きな負担となります。その他、辛い物・アルコール・カフェインなどは胃腸へ負担がかかりやすく、吐き気を増強してしまう可能性があります。
気持ち悪さや胃の不快感などを覚えるときには、刺激物は避けて身体を休めることが重要です。日常的に何らかのストレスを感じている場合には、ストレス解消を図ったりストレスの原因を取り除くことも心がけましょう。それでも症状が改善しないような場合には我慢せずに医療機関へ相談してください。
すぐに病院に行った方が良い「気持ち悪い」症状は?
- 高熱や嘔吐、激しい腹痛、下痢などがある場合
- 激しい胸痛、息苦しさ、冷や汗がある場合
- 意識障害がある、けいれんしている、ひどいめまいがある場合
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、内科、消化器内科、婦人科です。 問診、診察、血液検査、尿検査、画像検査(レントゲン、CTなど)、心電図検査、超音波検査などが実施される可能性があります。場合によっては、上部消化管内視鏡検査や頭部画像検査なども追加されます。病院を受診する際の注意点は?
持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。 いつから、どのような症状があるか、きっかけに心当たりがあるかなどを医師に伝えましょう。治療をする場合の費用や注意事項は?
保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。まとめ
