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目のクマが消えないのは肝機能の低下が原因!?考えられる病気や対処法を徹底解説!

目の下のクマがひどいとき、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?ここではMedicalDoc監修医が目のクマが濃く現れる症状で考えられる病気や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

楯 直晃 医師

監修医師
楯 直晃 医師(リアラクリニック)

プロフィールをもっと見る
2013年 熊本大学病院 初期臨床研修医
2015年 熊本大学病院 総合診療専門修練医
2018年 国立熊本医療センター 救急集中治療部医員
2020年 リアラクリニック名古屋院院長
2021年 メディカル・テート株式会社 CEO

救急科専門医、抗加齢医学専門医、プライマリケア認定医、内科認定医、産業医、健康スポーツ医、医療経営士、禁煙サポーター、日本産婦人科学会会員、厚労省緊急避妊研修修了、厚労省緩和ケア研修修了

「目の下のクマ」で考えられる病気と対処法

気がついたら目の下にクマができており困った経験はあるでしょうか。軽度なもので一時的であれば良いですが、濃いクマであると不安になるのも仕方がないと思います。
多くの場合は皮膚トラブルの範囲で留まりますが、内臓の病気が見つかることもあるため、注意は必要です。原因を探って必要な皮膚のケアをしていきましょう。

寝不足じゃないのにクマが消えない場合の原因と治し方

ストレスや疲れが溜まっておらず、寝不足でもないのにクマが消えないことがあります。
このような場合、摩擦や紫外線やアイメイクなどの刺激により目の下の皮膚にメラニン色素の沈着を起こしている可能性があります。
花粉症やアトピー性皮膚炎で目がかゆくてこすってしまう人、日中外に出る仕事やスポーツをする人、アイメイクをする人などに多く見られます。目尻や目の下の皮膚を引っ張ってみてもクマの色味が変わらないのが特徴です。
対処法としては、保湿ケアや、紫外線対策、目をこすらないことです。メラニンの生成を抑えるビタミンAやビタミンC、メラニンの排出を助けるビタミンEを摂取することも大切です。
色素沈着は病気ではありませんが、見た目が気になる場合は美容皮膚科を受診しましょう。

男性で目の下のクマが濃い場合の原因と治し方

男性の場合で、目の下のクマが濃くなっている状態を指します。
このような場合、パソコンやスマホを見ることによる眼精疲労や、睡眠不足などによる血行不良が原因のクマの可能性もありますが、注意すべきは肝臓病の可能性です。

肝臓病の可能性

肝臓は体に必要な物質を作る、有害な物質を解毒し排泄するなどの機能を持つ臓器です。アルコールの飲みすぎや肥満などは、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝となります。脂肪肝は男性に多いことが知られており、放置すると肝硬変や肝がんに進行するため注意が必要です。
肝臓の機能が低下すると、皮膚や目の白目部分が黄色くなります(黄疸)。目の下は皮膚が薄いので黄疸が出るとクマが目立つことがあるのです。
肝臓の負担を減らすためには、食べ過ぎや飲み過ぎを控えることが大切です。
肝臓の病気は自覚症状があまりなく、見つかった時には進行していることがほとんどです。少しでも疑わしい場合は内科を受診しましょう。

女性で目の下のクマが濃い場合の原因と治し方

女性の場合で、目の下のクマが濃くなっている状態を指します。
このような場合、睡眠不足眼精疲労ストレスなどが原因で血行不良を起こしている可能性もありますが、注意すべきは貧血の可能性です。

貧血

女性は月経により定期的に出血があるため、鉄不足による貧血になりやすいといえます。それに加えてダイエットなどによる栄養不足、妊娠・授乳期には赤ちゃんに栄養を与えることも貧血の要因となります。子宮の良性腫瘍である子宮筋腫では、月経量が多くなったり月経期間が伸びたりして貧血の症状が現れることがあります。
貧血になると酸素を多く含む赤い赤血球の数が減り、黒っぽい色の血液になります。目の下の皮膚は薄いため、その血液の色が透けて見え、青っぽいようなクマができてしまいます。
食事に気をつけても症状が良くならない場合は、早めに内科や婦人科を受診しましょう。

目の下のクマがひどく、疲れやすい場合の原因と治し方

目の下のクマが濃いことに加えて、疲れやすいさだるいという症状を指します。
このような場合、腎臓の病気の可能性があります。

腎臓の病気

腎臓は血液をろ過し、体内の老廃物を体外に排出する機能を持つ臓器です。腎臓の機能が低下すると、血液のろ過がうまくいかず、寝不足でなくても目の下にクマができることがあります。
そのほか、むくみ、尿量の低下、貧血、かゆみなどの症状が現れることもあります。
自分でできる対処法としては、ゴボウや山芋など根菜類に含まれるイヌリンという成分は腎臓の働きを助ける働きがあるので、食事に取り入れるといいでしょう。また、ウォーキングなど軽めの運動で血流をよくするのも大切です。
疲れやすさやだるさがある場合、進行している可能性もあるため、早めに内科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「目の下のクマ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

体重が急激に落ちて目の下にクマができる場合は、内科へ

体重が急激に落ち、目の下の皮膚がたるんで黒っぽいクマができることがあります。
このような場合、悪性腫瘍(がん)などの可能性があります。特に胃がん、大腸がん、肺がん、膵がんなどでは体重の減少がみられます。
体重の減少によって、目の周りの脂肪が落ちて皮膚が垂れることで影ができてクマが発生します。このようなクマは、誰にでも起こる加齢現象ですが、急激な体重減少を伴う場合は注意が必要です。
体重減少を引き起こす病気は、がんのほかに、胃十二指腸潰瘍、膵炎などの消化器疾患や、糖尿病、甲状腺機能疾患、うつ病、薬の影響などがあります。食事制限や過度な運動をしているわけではないのに、6ヶ月で5%以上の体重減少がある場合は病的な体重減少であるため、早めに内科を受診して検査を受けましょう。

「目の下のクマ」が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「目の下のクマ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

バセドウ病/甲状腺機能亢進症(甲状腺の病気)

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンとは、代謝を司る働きをもつホルモンです。20-30代の若い女性に多い病気です。動悸、体重減少、指の震え、暑がり、汗が増えるなどの症状が起きます。甲状腺が大きく腫れる、目が飛び出てくるなどの症状が出ることもあります。
ストレスによって病気が悪化、再発することがあるので、なるべくストレスを避け規則正しい生活を送ることが大切です。
バセドウ病は治療が必要な病気です。治療法としては薬を内服する薬物療法、甲状腺を摘出する手術療法などがあります。
放置すると心房細動や心不全、脆弱性骨折などが生じてくるリスクが高くなります。少しでも疑わしい場合は内科や内分泌内科を受診しましょう。

貧血(ひんけつ)

貧血とは血液中のヘモグロビン値が男性で13.0g/dl以下、女性で12.0g/dl以下の状態を指します。ヘモグロビンの材料は鉄ですので、多くの場合、鉄の不足が原因です。鉄不足が原因の鉄欠乏性貧血になると、青っぽいクマや、赤紫色のクマが目の下に現れます。また、息切れや疲れやすさなどの症状が現れることがあります。
鉄不足が原因の場合は、鉄を多く含む食事を摂りましょう。鉄を多く含む食べ物には、レバーや赤身肉、あさり、小松菜、ほうれん草、枝豆、ヒジキなどがあります。また、野菜や果物、イモ類には鉄の吸収率を高めるビタミンCが多く含まれているため、合わせて摂るのがおすすめです。
貧血は鉄や他の栄養が不足して発症する場合と、他の病気が原因で発症することがあります。症状が良くならない、他の症状もある場合には早めに内科を受診しましょう。

「目の下のクマ」を改善!自分で出来るケアを紹介

もしかして栄養不足?「目の下のクマ」には鉄ちビタミン!

目の下の皮膚は非常に薄く、その下を流れる血管が透けて見えます。鉄分不足で血液が黒ずんだ色になったり、睡眠不足や眼精疲労などにより血行不良を起こしたり、うっ血したりするとその色が透けてクマになります。食生活を整え、適度な運動で血行を促進し、睡眠を十分にとりストレスを溜めないようにすることは、クマのケアをする上で非常に大切と言えます。
紫外線は茶色っぽい色素沈着を引き起こし、茶色いクマができる原因にもなります。ビタミン類は紫外線対策としても積極的に摂取するといい成分です。

  • 鉄は血流を改善し、くすみやクマを防ぐ働きがあります。ひじき、あさり、昆布、小松菜、マグロの赤身などに多く含まれます。

  • ビタミンC
  • ビタミンCは鉄分の吸収を助け、紫外線などの酸化ストレスから肌を守り、コラーゲンの生成を促す働きがあります。柑橘類、いちご、キウイ、豚肉、ブロッコリーなどに多く含まれます。貧血の人は鉄分と共にビタミンを摂るように心がけるといいでしょう。

  • ビタミンB6
  • ビタミンB6は肌のターンオーバーのリズムを改善します。レバーや豚肉、イワシなどに多く含まれます。

  • ビタミンE
  • ビタミンEは紫外線などの酸化ストレスから肌を守り、血行を促進する働きがあります。アーモンド、ツナ缶、たらこなどに多く含まれます。

「目の下のクマ」を防ぐストレッチ・マッサージを紹介

クマの色が青っぽい場合は、原因が血行不良であることが多いため、血行を改善させるマッサージが効果的なことがあります。一方、クマが茶色っぽい色をしている人は、色素沈着を起こしている可能性が高いため、マッサージなどの刺激は逆効果となることがあります。
紫外線対策や、ビタミンCを摂取することなどを心がける方法で対策しましょう。
ホットタオルなどで目元を温めてから、目頭からこめかみに向かって下まぶたのツボを優しく押し、最後に目頭からこめかみに向かって流すようにマッサージするのがオススメです。
目元のマッサージで一時的に血流が良くなってクマが改善することがありますが、睡眠不足や栄養不足や眼精疲労があると再びクマができてしまいます。効果は個人差がありますが、続けても良くならない場合はマッサージを中止し、医療機関を受診した方がいいでしょう。

「目の下のクマ」がひどいときに飲んでも良い市販薬は?

クマの色が茶色っぽく、目の下を少し引っ張ってもクマが消えないタイプのクマはメラニンの色素沈着が原因と考えられます。
このような場合、紫外線対策の市販薬や、美白成分、保湿成分の入った市販薬が効果的かもしれません。トラネキサム酸にはメラニンの発生を抑制し作用があるといわれています。ビタミンCの摂取や、ビタミンC誘導体配合のアイクリームや美容液などもおすすめです。
症状が良くならない、悪化したなどの場合はすぐに市販薬の使用を中止し、皮膚科を受診した方がいいでしょう。

「目の下のクマ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「目の下のクマ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

目の下のクマに効果的なサプリや漢方はありますか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

血行不良が原因の場合、血の巡りを良くする漢方やサプリが効果的でしょう。漢方薬では、桂枝茯苓丸などがあります。
桂枝(ケイヒ)には血行を良くする効果が、茯苓(ブクリョウ)にはのぼせや冷えを改善する効果があります。
貧血が原因の場合は、鉄分やビタミンCの成分を含むサプリが効果的でしょう。

目の下にクマができやすい体質の人の特徴は?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

血行不良の体質の人はクマができやすくなります。血の巡りが悪いと、冷え性や肩こり、生理痛などを引き起こしやすくなると言われています。
軽い運動やストレッチを日常生活に取り入れ、油脂の多い食事は控えめにし、青魚など血流を促進する食べ物を意識して摂ると良いでしょう。

まとめ

クマは寝不足でできるというイメージが強いかもしれませんが、眼精疲労、ストレス、血行不良、貧血、栄養不足、紫外線や摩擦による刺激、病気のサインなどさまざまな原因が考えられます。ケアをしてみて、改善されない場合は医療機関を受診することも考慮しましょう。

「目の下のクマ」で考えられる病気と特徴

「目の下のクマ」から医師が考えられる病気は16個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

内臓の異常が、目の下のクマという症状として現れることもあり、クマの他にどのような症状があるかが重要です。

「目の下のクマ」と関連のある症状

「目の下のクマ」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 目が疲れる
  • まぶたが腫れる
  • 目元がたるむ
  • 体重減少
  • シミができる

「目の下のクマ」症状の他に、これらの症状がある場合も「肝臓病」「腎臓病」「貧血」「バセドウ病」「がん」などの疾患の可能性が考えられます。
複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

【参考文献】
・日本腎臓学会 腎臓が悪くなった時の症状
https://jsn.or.jp/general/kidneydisease/symptoms03.php
・日本内分泌学会 バセドウ病
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40
・国立長寿医療研究センター 貧血
https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/11.html