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「頬の内側が腫れぼったい」のは「口腔がん」や「むくみ」が原因?医師が解説!

「頬の内側が腫れぼったい」のは「口腔がん」や「むくみ」が原因?医師が解説!

頬の内側が腫れぼったい症状で、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

磯野 志真 医師

監修医師
磯野 志真 医師

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東京慈恵会医科大学医学部卒業。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師。東京医科歯科大学医学部附属病院、横浜市立みなと赤十字病院、賛育会病院などでの勤務経験あり。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会所属。小児の難聴・中耳炎から、成人の頭頸部癌まで幅広く診療している。

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「頬の内側が腫れぼったい」症状で考えられる病気と対処法

朝起きると頬の内側が腫れぼったい感じがする時がときどきありませんか?少し時間をあけて自然に改善するようであれば問題ないことが多いですが、なかなか改善しなかったり、痛みを伴っていたり、血が出たりしているときは要注意ですので、病院受診の目安になります。

頬の内側が腫れぼったい症状で考えられる原因と対処法

頬の内側の腫れのみである場合、塩分や水分の摂りすぎによるむくみ(浮腫)が考えられます。しばらく様子をみると改善することが多いので自宅で様子をみてもいいかもしれません。

頬の内側が腫れぼったく痛い症状で考えられる原因と対処法

​​頬の内側の腫れに痛みを伴う場合は、頬をかんでしまったあとの傷、熱いものを食べたあとの火傷、親知らずや抜歯後の反応、口内炎などが考えられます。傷や火傷は自然に改善することが多いですが、親知らずなどの歯の疾患で痛みがある場合はまずは冷やしてみましょう。それでも改善しない場合は、歯科を受診し、治療や投薬を受けましょう。口内炎も痛みが強いことがあり、日常生活では支障を来すことが多いので、耳鼻科を受診しましょう。稀ではありますが、悪性疾患も考えられますので心配な場合は耳鼻科を受診しましょう。

頬の内側が腫れぼったく歯が当たる・噛んでしまう症状で考えられる原因と対処法

親知らずや虫歯、義歯などで歯科治療をしたばかりで腫れ嚙み合わせに慣れてない場合や、ストレスたまっている場合に、歯が当たりほほを噛んでしまうこともあります。慣れるまでゆっくり噛むことを意識し、十分に休息をとることを意識しましょう。

すぐに病院へ行くべき「頬の内側が腫れぼったい」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

頬の内側が腫れぼったさに加え、口が動かしにくくなったり、血が出ていたり、口の中に白い病変や腫瘤をみとめたりする場合は、耳鼻咽喉科へ

上記の症状に加え、「口の中がざらざらする」「顎がしびれる」「歯がぐらぐらして歯科で治療しても治らない」などの症状を認める場合、口腔癌の可能性があります。不適合義歯などによる口腔内不衛生、飲酒、喫煙などの長期間の刺激が原因で起こってしまう悪性疾患です。速やかに精査と治療を開始する必要があるので、すぐに耳鼻科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「頬の内側が腫れぼったい」ときのセルフチェック法

  • ・頬の内側が腫れぼったい以外に口が動かしにくい症状がある場合
  • ・頬の内側が腫れぼったい以外に口の中に出血がある場合
  • ・頬の内側が腫れぼったい以外に口の中に白い病変や腫瘤がある場合
  • ・頬の内側が腫れぼったい以外に頬や歯の痛みがあり我慢できない場合

「頬の内側が腫れぼったい」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「頬の内側が腫れぼったい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

むくみ

塩分の濃い食事をしたときや、飲酒を多めにした際、むくみによりほほの内側が腫れぼったく感じることが多いです。自然に改善することが多いので、自宅でしばらく様子をみてみましょう。

親知らず・抜歯の影響

親知らずが原因で、ほほの内側が腫れぼったく痛い場合、歯科治療が必要になるので早急に歯医者さんを受診しましょう。抜歯を検討されることが多いです。
また、抜歯後の一時的な炎症で、ほほの内側が腫れぼったく痛いこともあります。痛みが我慢できる場合は自宅で様子をみてもいいですが、もし、腫れが引かない場合や我慢できないほどの痛みが出てきた場合には、抜歯をしてもらった歯医者を再度受診しましょう。痛み止めや抗生剤を使用して治療することが多いです。
また自宅での対処法としては、痛みが強い場合は、頬を冷やしてみましょう。

口内炎

口内炎にはいくつか種類があります。代表的なものを以下に列挙します。

①アフタ性口内炎
赤く縁取られた白っぽい小さな円形のくぼみができるのが特徴で、一般的に「口内炎」と呼ばれるものはアフタ性口内炎をさします。原因不明の疾患ですが、自己免疫疾患説(自分で自分の体を攻撃してしまう)が最も考えられます。ほかにもストレス、ビタミン不足、ウイルス感染などが挙げられます。強い痛みが特徴で、通常は1~2週間で自然に治ることが多いです。
②カタル性口内炎
口の中の粘膜全体が赤くなり腫れを起こすのが特徴で、アフタ性口内炎と違い、円形のくぼみができないことから、口内炎であることが分かりにくい場合があります。虫歯・入れ歯の刺激や、口の中を噛んでできた傷、やけどなどが原因として考えられます。原因を除去することで治ることが多いです。
③ヘルペス性口内炎
単純ヘルペスウイルスに感染することで起こる口内炎で、小さな水ぶくれが生じます。水ぶくれはすぐにやぶれて赤いくぼみになり強い痛みを生じます。単純ヘルペスウイルスはもともと体に潜伏しているウイルスですが、ストレスなどがかかると口の中にできやすくなります。1週間で自然治癒することが多いです。
④カンジダ性口内炎
健康なヒトの体に存在する微生物のカンジダが原因となる口内炎です。カンジダは真菌(カビ)の一種です。口の中の粘膜に、こすると拭き取れる白い斑点や膜が付着するタイプの症状や、舌の真ん中や入れ歯の内側の粘膜に赤みや痛みを伴うタイプの症状などがあります。カンジダ菌は免疫力の低下した患者さん、特に高齢者に発症しやすいです。治療に抗真菌薬を使用します。

上記いずれも、口腔内の痛みを伴うことがあるので食事に支障を来すことがあります。症状がつらい場合は耳鼻科を受診しましょう。

口腔がん

口腔癌には舌癌、口腔底癌、頰粘膜癌、歯肉癌などが含まれます。原因としては、あわない不適合義歯などによる口腔内不衛生、飲酒、喫煙などの長期間の刺激が挙げられます。
日本では過半数を舌癌が占め、舌癌の症状としては痛みを伴い出血しやすい腫瘍が口腔内にできることが特徴です。また、頬粘膜癌は頬の内側が腫れぼったくなったり口が動かしにくくなったりするもあることもあります。一般的に、早期の癌に対しては手術療法が必要です。進行期の癌に対しては手術療法に加えて、抗がん剤と放射線療法を組み合わせた治療が必要です。症状がある場合は速やかに耳鼻科を受診しましょう。

「頬の内側が腫れぼったい」ときの正しい対処法は?

症状の落ち着かせ方として、原因がむくみである場合はしばらく様子をみるだけで十分ですし、虫歯の治療後や親知らずが原因で腫れたり痛んだりするときは冷やしてみるといいでしょう。口内炎によるものは腫れよりも痛みがメインのことが多いので市販の痛み止めを使用してもいいかもしれません。また、ほほの内側が腫れぼったい時は、食事の際に口を動かすのがつらい時もあるので、刺激の少ないドロドロしたゼリー状のものをおすすめします。早く治したい場合や、応急処置をしても改善しない場合は一度耳鼻科や歯科を受診してみましょう。

「頬の内側が腫れぼったい」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「頬の内側が腫れぼったい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

頬の内側が腫れぼったいです。親知らずや虫歯が原因ですか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

親知らずや虫歯が原因のこともあるので歯科を受診してみましょう。

頬の内側が腫れぼったいのですが薬はありますか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

頬の内側の腫れに加えて痛みを伴っている場合は、市販の痛み止めを使用してもいいかもしれません。

ほっぺたが腫れていて噛んでしまうのは歯科を受診すべきですか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

しばらく様子をみてもいいかもしれませんが、心配な場合・なかなか改善しない場合は一度歯科を受診することをおすすめします。

ストレスが原因で頬の内側が腫れぼったくなることはありますか?

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

ストレスが誘因となって口内炎ができるときもあります。

頬の内側が腫れぼったいのはアレルギーが原因でしょうか。

磯野 志真 医師磯野 志真 医師

「口腔アレルギー症候群」とよばれる、野菜や果物などの食物を摂取した際に、数分後に口腔内のかゆみや腫れをきたす病態があります。果物や生野菜に含まれる原因物質(アレルゲン)が、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応が起因となって起こります。花粉症やラテックスアレルギーに合併することも多いです。小さいころに食べた果物で口や喉がかゆかったり腫れたりしたことがある場合は、アレルギーの可能性が高いので、日常生活で摂取しないように気をつけてください。

まとめ

頬の内側が腫れぼったい感じがするときは、少し時間をあけて自然に改善するようであれば問題ないでしょう。しかし、改善しない、痛みがある、出血しているときは要注意ですので、耳鼻科や歯科を受診しましょう。

「頬の内側が腫れぼったい」症状で考えられる病気

「頬の内側が腫れぼったい」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻科の病気

内科の病気

  • むくみ

歯科の病気

  • 親知らず(智歯)
  • 齲歯(虫歯)

一時的な症状であれば大きな問題はありませんが、治りづらい場合には要注意の病気が隠れている場合があります。

「頬の内側が腫れぼったい」に似ている症状・関連する症状

「頬の内側が腫れぼったい」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「頬の内側が腫れぼったい」症状の他にこれらの症状がある場合でも「口内炎」「口腔アレルギー症候群」「口腔癌」「親知らず(智歯)」「齲歯(虫歯)」などの疾患の可能性が考えられます。口が動かしにくい場合や出血、口の中の白い病変や腫瘤をみとめる場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師