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「唇が荒れる」原因とは?リップや治し方も医師が解説!

「唇が荒れる」原因とは?リップや治し方も医師が解説!

唇が荒れる時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「唇が荒れる」症状で考えられる病気と対処法

唇がガサガサして乾燥して、パクッと亀裂ができて唇が痛んだりする症状にお困りではないでしょうか?唇は生理的に荒れやすい部位ですが、生理的な原因以外でも唇が荒れる原因があります。この記事では、唇が荒れる原因に関して説明し、リップケアに関しても解説していきます。

唇が荒れる症状で考えられる原因と対処法

唇はそもそも生理的に荒れやすい部位です。皮膚を構成する角層という層があります。唇では角層が通常の皮膚と比べて薄くなっています。さらに、皮脂腺と呼ばれる皮膚を脂でコーティングしてくれる作用のある組織もありません。また、肌の色に関係する色素であるメラニンが非常に少ないため、紫外線に対する防御力も体の他の部位に比べると低いのです。皮膚が荒れる原因は①外的環境(気温、温度、紫外線)、②化学的刺激(口紅、歯磨き粉)、③物理的刺激(喫煙、食事)などがあります。これらの唇が荒れる原因に対処する方法には、リップクリームや口紅、またはワセリンなどで唇を保護することが挙げられます。マスクにより口元の水分が奪われて、もともと水分の少ない唇がさらに乾燥し、カサカサになってしまうこともあります。そのため、リップクリームなどの油分によって水分の蒸散を防ぐことが重要です。

唇の荒れがなかなか治らない症状で考えられる原因と対処法

唇は非常にデリケートな場所でもありますが、実は皮膚の生まれ変わりであるターンオーバーも短いことがわかっています。唇のターンオーバーは3〜4日です。回復が早いはずの唇が荒れてしまうのは何か原因があると考えた方が良いです。自分では、意識していないようなことで唇の荒れる原因を作ってしまっている可能性もあります。唇は皮膚と粘膜の境目ですが、まぶたや尿道付近も同じように皮膚と粘膜の境目です。そのため、まぶたや尿道付近にも症状がある場合は単なる乾燥による唇の荒れではなく、緊急性が高い病気である可能性もあります。皮膚に症状がある場合はすぐに皮膚科を受診しましょう。

マスクによる唇の荒れで考えられる原因と対処法

マスクを長時間つける機会が増えるにしたがって、唇が荒れるようになる方も増えています。これは、マスクをしているために、吐いた息の中に含まれる水蒸気によって生じる蒸れと、肌やマスクとの間で生じる摩擦とによって、皮膚バリア機能が障害されて、炎症やかゆみが引き起こされることが原因といわれています。マスクを外した際に乾燥がすすむので、マスクをする前や一時的にマスクを外す時などまめに保湿することが大切です。

口角や下唇だけなど部分的に唇が荒れる症状で考えられる原因と対処法

口角や下唇のみといったように部分的に唇が荒れてしまうことがあります。口角は唾液が溜まりやすい構造をしているため、唾液が乾くと口角の乾燥が進みます。下唇は極めて皮膚が薄く、口唇の全体の中でも下唇は乾燥が進みやすい場所です。このように構造的に乾燥が進みやすい場所ではありますが、乾燥が進む原因は他の場所と変わらないと考えられます。こまめに保湿を行い、リップクリームなどの油分によって水分の蒸散を防ぐことが重要です。

すぐに病院へ行くべき「唇が荒れる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

唇が荒れて口の中や喉の痛みなどもある症状の場合は、耳鼻科へ

唇は、皮膚と粘膜の境目です。そのため、粘膜側に症状が進むと、口の中や喉の痛みなどの症状が出ます。気道の狭窄が進むと、大変危険な症状につながります。耳鼻科でカメラがついているファイバーを使って喉の症状を観察してもらいましょう。

「唇が荒れる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「唇が荒れる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペス1型というウイルスによって発症します。疲れや紫外線などさまざまな原因で再発を繰り返します。口唇ヘルペスは口周りに痛みがある水ぶくれができることが特徴です。このような症状が出た場合は、皮膚科に受診し、抗ウイルス薬の内服を早期に行います。早期に内服することで症状が軽いうちに治せます。

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

扁平苔癬は、唇以外にも頬、舌、歯肉などにもできます。唇にできた場合は中央の部分の肌が剥け、剥けた周りの部分が白くなります。扁平苔癬の原因には、薬剤、C型肝炎、金属アレルギーなどがあります。疑わしい場合には皮膚科を受診しましょう。

光線性口唇炎

光線性口唇炎は、長年にわたって紫外線に曝露されたことでできる病気です。この病気は炎症性疾患ではなく、腫瘍性疾患です。癌の初期症状ですので、放置してしまうと症状が進行していきます。診断を確定させるためには生検といって、皮膚を部分的に採取する必要があります。手術が可能な場合は、手術療法が選択されます。病変が小さいうちに切除する方が、切除後の傷も小さいです。怪しいと思ったら、放置しないで早めに皮膚科を受診しましょう。

刺激性接触皮膚炎

アレルギーの原因となるような物質が付着することで起こります。皮膚炎の文字通りに炎症が唇で起こります。アレルギーの原因となる物質をアレルゲンといいます。頻度が多いアレルゲンとしては、外気・食物・化粧品・石鹸・洗顔料・シャンプーやリンスなどです。このような日常生活で使っているものが、予想外にアレルゲンとなっていることもあります。詳細な問診を行うことが診断に繋がります。皮膚科医が専門なので、皮膚科に受診することをお勧めします。

「唇が荒れる」ときの正しい対処法・おすすめのリップクリームは?

唇の荒れの原因として、最も多いのは乾燥です。そのため、市販のリップクリームを塗ることは簡単に自分でできる対応策です。治ったかなと思って触ることも刺激になります。浮いてきた皮を剥いてしまうのも、新たな傷口を作ってしまうので、治りを遅くする行為です。唇に触れるのはリップクリームだけにして、こまめに保湿をするのが良いでしょう。
市販されているリップクリームの形状には、リップスティックやリップバーム、チューブ型のリップクリームなどがあります。
スティックタイプのメリットは手を汚さずに保湿できることです。一方で、塗るときに横方向の摩擦が起こるというデメリットもあります。
バームタイプやチューブタイプは、一度指先や綿棒などにつけて唇に塗る手間はあるものの、唇に対する摩擦は少ないというメリットがあります。いずれにしても、すでに荒れている部分に塗ることになるので、無香料や敏感肌用などなるべく刺激が少ない商品が望ましいかもしれません。
1日のうちで何回も保湿することで、唇の水分量が増していきます。こまめに保湿する癖をつけると荒れにくい唇になっていくでしょう。

「唇の荒れ」を予防する方法は?

日焼けすると顔全体の皮膚と同じく、唇の皮がむけることがあります。なるべく日焼けは避けるようにして、日焼け止めを十分にぬるか日傘を指すような対策が必要です。
秋から冬にかけて乾燥しやすい季節なので、十分な保湿をするように努めることが肝心です。
マスクを長時間つけることによって、唇が擦れたり乾燥することで唇の荒れが目立つことがあります。マスクを外す時間を増やすことや、唇を噛む・舐めるような刺激を避けること、定期的なリップクリームなどによる保湿、などが予防策になるでしょう。

「唇が荒れる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「唇が荒れる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

夏でも唇が乾燥しやすく荒れるのは皮膚科で相談すべきでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

夏は紫外線が多くなる季節です。また、冷房によって乾燥も進みます。まずは市販のリップクリームを試してみましょう。単なる乾燥による症状に見えない場合は、すぐに皮膚科を受診してください。

まめに保湿しても唇の荒れが治りません。どんな治療法がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

先に説明した扁平苔癬、接触皮膚炎、光線性皮膚炎など乾燥以外の原因かもしれません。まずは自己判断せずに、専門家にしっかり診断をつけてもらうことが安全策です。

唇が荒れて痛みやぶつぶつができる原因と対処法を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

保湿が不足すると乾燥し、唇が割れることがあります。亀裂がある場合は痛みも出ます。しかし乾燥だけの症状で「ぶつぶつ」はできません。保湿だけでは治らない可能性が高いので、皮膚科を受診しましょう。

くちびるがガサガサに荒れることと花粉症は関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

花粉症の季節にはマスクをすることも多いです。またマスクをしていなければ、花粉が直接唇を含めた顔の肌につくので、刺激が起こりやすいと考えます。

まとめ

唇の荒れは、多くの場合は乾燥が原因です。昨今は普段からマスクをすることが多くなり、より一層乾燥が進みやすくなっています。適切なスキンケアをして、大切な唇を乾燥から守りましょう。また、保湿を真面目にやっていてもなかなか症状が良くならない時は、乾燥以外の原因があるかもしれません。その場合は、一人で溜め込まずに皮膚科で相談してみてください。

「唇が荒れる」で考えられる病気と特徴

「唇が荒れる」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

セルフケアで予防できるものだけではないため、治りづらさを感じた場合には早めに医療機関を受診しましょう。

「唇が荒れる」と関連のある症状

「唇が荒れる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「唇が荒れる」他に、これらの症状が見られる際は、「口唇ヘルペス」「扁平苔癬」「光線性口唇炎」「接触皮膚炎」などの病気の存在が疑われます。
なかなか治らない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師