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奥歯から耳にかけて痛い場合は歯科・口腔外科へ!考えられる病気や対処法を徹底解説

奥歯から耳にかけて痛い場合は歯科・口腔外科へ!考えられる病気や対処法を徹底解説

奥歯から耳にかけて痛いとき、早く対処しないと心配になりますよね。ここではMedicalDoc監修医が奥歯から耳にかけて痛い症状で考えられる病気や原因・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状が続く場合は、迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「奥歯から耳にかけて痛い」で考えられる病気と対処法

奥歯から耳にかけて痛む場合には、親知らずや歯周炎などの歯科疾患が原因となっていることが多いのですが、意外な場所に原因が潜んでいることもあります。どのような場合に病院に受診する必要があるのかを解説していきます。
奥歯から耳にかけて痛い

奥歯から耳にかけて痛い症状の原因と治し方

奥歯から耳にかけて鈍い痛みがある、食事のときなどに痛みが強くなることがあります。
このような場合、むし歯/歯周炎智歯(親知らず)周囲炎などが疑われます。
むし歯/歯周炎とは口腔内が不衛生なことで口の中にいる細菌によって歯のエナメル質が溶かされたり、歯肉などが壊されたりする病気です。智歯は生える向きによって周囲の歯を圧迫したり、部分的に放出することで歯周炎の原因になったりすることで違和感や痛みが出現します。
市販の鎮痛薬を服用する、刺激物を避けることで痛みを軽減することができますが、予防や改善のためには食後に十分な歯磨きを行うなど口腔内を清潔に保つことが必要です。
意識して歯磨きを行っても症状が改善しない場合には、歯磨きの仕方に問題があることもあります。歯科・口腔外科を受診してください。

親知らずから耳にかけて痛い症状の原因と治し方

智歯(親知らず)から耳にかけて痛みがある、智歯周囲の歯肉が腫れている状態が当てはまります。
このような場合、智歯周囲炎(ちしししゅうえん)が疑われます。
20歳前後の若い人に発症しやすい病気で、智歯が不十分に萌出することで、不潔となりやすく、腫れて痛むようになります。
市販の鎮痛薬を服用することで痛みを緩和することができますが、治療には抗生剤やうがい薬なども併用しながら口腔内を清潔に保つことが必要です。症状が良くならない場合には歯科・口腔外科を受診してください。

奥歯から耳にかけて痛み、頭痛がある症状の原因と治し方

奥歯から耳にかけての突発的な痛みがある、痛みが頭にも響く症状が当てはまります。
このような場合、片頭痛や群発頭痛、緊張性頭痛などが疑われます。

片頭痛(へんずつう)

片頭痛は血管の拡張により血管周囲の神経を刺激して痛みがでる病気で、拍動性の強い痛みが出現します。多くは一側の側頭部あたりが痛みますが、奥歯から耳にかけての痛みを感じることもあります。

群発頭痛(ぐんぱつずつう)

群発頭痛も同様に神経血管系に関与があるとされていますが、原因はまだはっきりしていません。群発頭痛では一側の目の周囲や上顎に強い痛みがあり、同側に涙や鼻汁が出ることもあります。また群発頭痛は飲酒で増悪するとされており、痛みがある間は禁酒を行うと痛みの出現頻度を下げることができます。

緊張性頭痛(きんちょうせいずつう)

緊張性頭痛は、ストレスや肩こりなどのために頭痛を発症します。慢性頭痛の中では最も多い頭痛で、頭全体が痛い場合も頭の一部が痛い場合もあります。
いずれも軽度の頭痛であれば市販の鎮痛薬を服用することで痛みが軽減します。しかし、痛みの程度が強い場合には、鎮痛効果は無効です。片頭痛では知覚過敏が出現することがあるため、大きな音や強いにおいを避けることで症状の悪化を予防できます。主な診療科は、脳神経内科、脳神経外科です。痛みが激しい場合には受診して治療したほうが良いでしょう。

奥歯からこめかみ付近が痛い症状の原因と治し方

片側の奥歯から耳にかけての鋭い痛みがある、同側の顔面や額にも痛みがある症状が当てはまります。
このような場合、三叉神経痛や帯状疱疹などが疑われます。

三叉神経痛(さんさしんけいつう)

三叉神経痛は顔面の感覚を司る三叉神経の障害によって痛みが出る病気です。原因がわからないことも少なくありませんが、血管が三叉神経を圧迫していることが原因となる場合もあります。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

帯状疱疹は、免疫力の低下により水ぼうそうのウイルスが再活性して神経を障害することで発症します。痛みの位置に皮疹(水疱など)が出ますが、痛みが先行したり、口腔内の皮疹のために皮疹がわかりづらかったりすることがあります。
痛みについては波があり、痛みを我慢していれば軽減してきますが、市販の鎮痛薬は効きづらくて、風が当たる、咀嚼運動をすることなどで誘発されて、痛みを繰り返します。早めに脳神経内科へ受診することが勧められます。

すぐに病院へ行くべき「奥歯から耳にかけて痛い」症状に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

運動時に下の奥歯が痛み、安静で短時間で改善する場合は、循環器内科へ

運動時に下の奥歯が痛み、安静で短時間で改善する場合、胸痛や左肩の痛みを伴う場合には狭心症心筋梗塞の可能性があります。痛みは前胸部に出現することが典型的ですが、糖尿病のある方では前胸部痛がない場合もあるために注意が必要です。すぐに循環器内科を受診してください。

「奥歯から耳にかけて痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「奥歯から耳にかけて痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)

智歯周囲炎は、智歯(親知らず)が不十分に萌出することで、智歯の歯冠や歯槽に食べかすなどがたまり、歯周炎をおこす病気です。20歳前後の若い人に発症しやすく、歯磨きなどの口腔ケアが不十分であると発症しやすくなります。歯ブラシでは磨きにくい位置であり、タフトブラシを使うなど意識して歯磨きを行ったり、うがい薬を併用したりすることで予防ができます。腫れがひどくなってしまった場合や、口腔ケアを行っていても奥歯の違和感が続く場合には、歯科・口腔外科を受診してください。

「奥歯から耳にかけて痛い」ときに飲んでも良い市販薬は?

ロキソプロフェンなどを有効成分とする鎮痛薬は痛みに効果的です。しかし、激しい痛みに対しては一時しのぎに過ぎないため、口腔ケアなどで原因の除去に努めましょう。根本治療が必要な病気が隠れている場合もあることから、鎮痛薬を漫然と使用していることは避けることが勧められます。1−2週間程度様子をみても痛みが良くならない場合には、医療機関を受診しましょう。

「奥歯から耳にかけて痛い」症状の治療方法は?

奥歯から耳にかけて痛い病気は齲歯(むし歯)や智歯(親知らず)周囲炎が代表的疾患であり、それらの治療法についてご紹介します
むし歯は、軽症では再石灰化を促す薬剤の塗布と口腔ケアで治療を行いますが、進行したむし歯では病変部を削り取る必要があります。
歯牙を削る場合には専用のドリルで腐食した歯牙を削り取りますが、エナメル質には感覚神経は存在しないため麻酔は不要です。しかし、感染が歯髄に至っている場合には麻酔を行い、歯髄の除去や抜歯が必要になることがあります。治療は重症度によりますが数日~数週間で終了します。
智歯周囲炎は、口腔ケア抗生剤治療を主に行います。智歯の萌出方向が悪く、他の歯を押し出している場合や、口腔ケアを意識して行うも繰り返し炎症を起こしてしまう場合には抜歯することもあります。また抜歯の際に智歯が歯肉内に埋まっている状態であれば麻酔の上で歯肉を切開することもあります。治療は数日で終了します。

「奥歯から耳にかけて痛い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「奥歯から耳にかけて痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

奥歯から耳にかけて痛い症状とストレスは関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

ストレスで不眠や拒食などが重なることで免疫力が低下して帯状疱疹などを発症することがあります。
ほとんどの場合は関係ありません。ただし、ストレスで不眠や拒食などが重なることで免疫力が低下して帯状疱疹などを発症することがあります。強いストレスを感じた時には生活リズムを整えることを意識し、ストレスから距離を置くようにしてください。

虫歯ではないのに奥歯から耳にかけて痛む原因は何でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

智歯(親知らず)による影響や三叉神経痛などの歯牙以外の疾患が原因となっている場合があります。
原因の多くは歯周炎などの歯科疾患であるため、痛みが長期間続く場合は歯科または口腔外科を受診してください。

まとめ

奥歯から耳にかけての痛みの原因の多くは、むし歯や歯周炎、智歯の萌出による違和感などの歯科疾患です。
しかし、片頭痛や三叉神経痛、上顎洞炎など、歯牙以外に原因がある場合もあります。症状の改善には、検査を行って診断する必要があるため、痛みが続く場合には歯科・口腔外科を受診してください。
歯牙以外に原因がある可能性が高い場合には、内科や脳神経内科などへの受診を考えてみてください。

「奥歯から耳にかけて痛い」症状で考えられる病気

「奥歯から耳にかけて痛い」症状から医師が考えられる病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

歯科・耳鼻咽喉科の病気

脳神経系の病気

循環器系の病気

奥歯から耳にかけての痛みは歯科や口腔外科疾患がほとんどです。
日常的な口腔ケアが予防につながりますので、歯磨きやうがい薬などで予防に努めましょう。

「奥歯から耳にかけて痛い」症状に似ている症状・関連する症状

「奥歯から耳にかけて痛い」症状と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについては詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

    「奥歯から耳にかけて痛い」症状の他に、これらの症状がある場合は「むし歯」「歯周炎」「智歯周囲炎」「緊張性頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」「三叉神経痛」「帯状疱疹」「心筋梗塞」「狭心症」などの疾患の可能性が考えられます。
    複数併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

    【参考文献】
    ・恩賜財団 済生会HP
    https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/dental_caries/
    https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/periodontal_disease/
    ・口腔外科学会HP
    https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei/
    ・神経内科ハンドブック 第5版
    ・日本口腔顔面痛学会
    https://jorofacialpain.sakura.ne.jp/?page_id=3129