大久保先生
高橋さんはいつ頃から花粉症を自覚しましたか?
高橋さん
アレルギー性の気管支喘息と同時に自覚したので、幼稚園の年長くらいの時だと思います。
大久保先生
どのような症状がありましたか?
高橋さん
くしゃみが止まらず、目が痒くなりますね。
大久保先生
それは一年中ですか?
高橋さん
春先が特に辛いですが、一年を通して症状はあります。花粉症になると、肌も過敏になる気がします。
大久保先生
なりますね。花粉でくしゃみや鼻水が出るのは、体の中にヒスタミンという物質が出ることが原因です。蕁麻疹でも同じ物質が出るので、花粉症で肌が荒れたり、痒くなったりするといった症状が出る可能性はありますね。
高橋さん
一年中辛い思いをしているのですが、花粉症の原因は何でしょうか?
大久保先生
アレルギーも花粉症も、基本的には異物に対する免疫反応です。ハウスダストなどの異物や、環境の変化を起因とした気管のアレルギー反応が喘息です。鼻のアレルギー反応で、春に起こるものが花粉症。一年中症状を伴うものは、通年性のアレルギー性鼻炎と言います。高橋さんには、複合的なアレルギー症状があるのだと思います。今までに治療はされましたか?
高橋さん
改善したいなと思いつつ、市販薬しか使ったことがありません。
大久保先生
病院への受診はされていないということですか?
高橋さん
そうですね。定期的に血液検査をして、アレルギーの数値を測定する程度です。
大久保先生
目薬は使いますか?
高橋さん
痒くなったらすぐ使えるように、目薬は色々な場所に置いていますね。
大久保先生
治療として基本的な部分は悪くはないと思います。しかし一度は受診をしていただいて、自分の症状にあった治療薬を処方してもらうと、より治療効果は高いかもしれませんね。高橋さんのご家族で花粉症の方はいますか?
高橋さん
家族にアレルギーを持っている人はいません。
大久保先生
アレルギーには遺伝も関係していますが、高橋さんの場合は、生活環境やご自身の持っている体質の影響が強そうですね。
高橋さん
私の症状は、どのような診断になりますか?
大久保先生
通年性のアレルギー性鼻炎です。現代人に多いタイプで、ベースにハウスダストやダニの影響を受けつつ、スギやヒノキ、ブタクサなど様々な植物の花粉にも影響されていると思います。
高橋さん
一年を通して症状があるので、本当に辛いですね。
大久保先生
そうですよね。ただ、花粉症に対する意識がしっかりされていて、採血でご自身のアレルギーの状態を検査していることは、非常に良いことだと思います。
高橋さん
続けたほうがいいですね。例えば、ある年はヒノキの数値が高かったとして、時間が経ってから血液検査をした時に、その数値が変わることはありますか?
大久保先生
あります。たくさんヒノキが飛んだ時は、ヒノキの抗体価は上がります。ヒノキがあまり飛んでいないと、抗体価は下がります。
高橋さん
飛んでいる花粉の量に応じて、アレルギーの数値が変動するということですか?
大久保先生
はい。原理はコロナワクチンを受けて、抗体価が上がるのと一緒です。体の中に異物が入ってくると、その量に応じて抗体ができるということですね。
高橋さん
それは別に治ったわけではないということですね。
大久保先生
はい。異物がないから抗体価も下がるというだけです。
高橋さん
ちょっとショックですね。私は抗体価が下がっていると、治ってきたのだと思っていました。
大久保先生
今はコロナ禍で、マスクをすることが習慣になっていますから、皆さんが花粉に対する抗体価は上がりにくい状態なのだと思います。
高橋さん
確かにここ2〜3年は、体が楽な気がします。コロナが落ち着いてきたら注意が必要ですね。血液検査だけではなく、しっかりと医師の診察を受けて、治療をしてみたいと思います。