心不全リスクが高いのは「高BMI」よりも「○○○○が多い」人? 学会で新たな知見が報告
公開日:2026/05/06

台湾・国立陽明交通大学の研究員らは、腹部(ウエスト周囲)の脂肪が多い人ほど、心不全のリスクが高まる可能性があると発表しました。今回の研究では、BMI(身長と体重から算出する肥満度の指標)よりも腹部脂肪の多さを示すウエストサイズのほうが、心不全との関連が強い可能性があると報告されています。この内容について後平先生に伺いました。

監修医師:
後平 泰信(医療法人徳洲会札幌もいわ徳洲会病院)
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2009年に旭川医科大学医学部を卒業。循環器内科のスペシャリストとして、長年、札幌東徳洲会病院を中心に救急医療や心疾患の治療に従事。2023年には睡眠・無呼吸・遠隔医療センター長を歴任し、最新技術を用いた診療体制の構築に尽力。2024年より病院長に就任し、2025年10月の「札幌もいわ徳洲会病院」への名称変更。日本循環器学会 認定循環器専門医。日本睡眠学会 総合専門医・指導医。日本スポーツ協会公認 スポーツドクター。日本内科学会 認定内科医。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
台湾・国立陽明交通大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
後平先生
台湾・国立陽明交通大学の研究員らは、米国心臓協会(AHA)の「EPI/ライフスタイル科学セッション2026」で、ウエスト周りに蓄積する過剰な脂肪(いわゆる中心性肥満や内臓脂肪)が、心不全リスクの上昇と関連する可能性があると発表しました。
さらに本研究では、ウエストサイズで示される腹部脂肪の量は、BMI、すなわち体重の重さよりも心不全リスクと強く関連していることが示されています。
また、腹部脂肪と心不全の関係のうちおよそ4分の1~3分の1は全身性炎症、つまり体内で慢性的に起こる炎症反応によって説明できる可能性も指摘されています。そのため、炎症を抑えることが、将来的に心不全リスクを下げるための新たな治療戦略につながる可能性があります。
なお、本研究は学術集会で発表された概要であり、査読を経た正式な論文ではありません。そのため、現時点では予備的な結果として受け止める必要があります。
さらに本研究では、ウエストサイズで示される腹部脂肪の量は、BMI、すなわち体重の重さよりも心不全リスクと強く関連していることが示されています。
また、腹部脂肪と心不全の関係のうちおよそ4分の1~3分の1は全身性炎症、つまり体内で慢性的に起こる炎症反応によって説明できる可能性も指摘されています。そのため、炎症を抑えることが、将来的に心不全リスクを下げるための新たな治療戦略につながる可能性があります。
なお、本研究は学術集会で発表された概要であり、査読を経た正式な論文ではありません。そのため、現時点では予備的な結果として受け止める必要があります。
研究テーマになった心不全とは?
編集部
今回の研究テーマに関連する心不全について教えてください。
後平先生
心不全とは、心臓の働きが低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなることで息切れやむくみなどが表れ、進行すると命に関わることもある病気です。原因には、心筋梗塞や狭心症、高血圧、弁膜症、不整脈、心筋症などさまざまな心疾患があります。
初期には坂道や階段での息切れ、疲れやすさ、足のむくみ、体重増加などがみられ、進行すると呼吸困難や横になって眠れない症状(起坐呼吸:きざこきゅう)が起こることもあります。体の変化を見逃さず、気になる症状があれば早めに医療機関を受診し、心不全の早期発見と重症化予防につなげましょう。
初期には坂道や階段での息切れ、疲れやすさ、足のむくみ、体重増加などがみられ、進行すると呼吸困難や横になって眠れない症状(起坐呼吸:きざこきゅう)が起こることもあります。体の変化を見逃さず、気になる症状があれば早めに医療機関を受診し、心不全の早期発見と重症化予防につなげましょう。
研究内容への見解は?
編集部
研究内容への見解を教えてください。
後平先生
肥満や内臓脂肪と循環器疾患との関係を調べた研究は、これまでにも数多く行われてきました。今回、心不全と腹部脂肪の関連が新たに報告されたことで、適正体重の維持が心不全を含む循環器疾患の予防に重要であると、改めて確認できる内容だと考えます。
編集部まとめ
今回の研究は、心不全予防を考えるうえで、体重だけでなくお腹まわりの脂肪にも注目する重要性を示しています。日頃から食生活や運動習慣を見直し、腹囲の増加を防ぐことは、将来の健康維持につながる可能性があります。体重計の数字だけで判断せず、ウエストサイズや息切れ、むくみなど体の変化にも目を向けて、できることから生活習慣を整えていきましょう。




