「鼻からブラシを入れてにおい(嗅覚)細胞を採取」でアルツハイマー病の“超早期診断”が可能に?

米国デューク大学の研究グループは、同大学が特許を取得した実験段階のブラシ生検を用いて鼻奥にある細胞を調べることで、症状が出る前からアルツハイマー病の兆候を捉えられる可能性が示されたことを報告しました。研究内容の詳細について伊藤先生に伺いました。

監修医師:
伊藤 たえ(医師)
研究グループが発表した内容とは?
編集部
デューク大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
伊藤先生
22人から得られた約22万個の細胞を解析したところ、症状が出る前の段階でも、神経の炎症に関わる免疫細胞や嗅覚神経の細胞に共通した変化が起きていることがわかりました。さらに、別の解析方法でも、免疫細胞の一種であるCD8 T細胞が活発になっていることが確認されました。
つまり、アルツハイマー病では記憶障害などの症状が表れる前から、鼻の奥の嗅覚に関わる細胞で変化が起きている可能性があります。将来的には嗅覚の神経細胞の変化を調べることがが、アルツハイマー病を早期発見する手がかりになるかもしれません。
研究テーマになった疾患とは?
編集部
今回の研究テーマに関連するアルツハイマー病について教えてください。
伊藤先生
最初はもの忘れから始まり、同じことを何度も聞いたり、探し物が増えたりします。進行すると時や場所が分からなくなり、判断力の低下や妄想、道に迷うなど日常生活に支障が出てきます。また、嗅覚は初期から障害されることが多いといわれています。気になる変化があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
研究内容への受け止めは?
編集部
デューク大学の研究員らが発表した内容への見解を教えてください。
伊藤先生
編集部まとめ
今回の研究により、鼻の奥の細胞からアルツハイマー病の早期兆候を見つけられる可能性が示されました。アルツハイマー病は、発症の20〜30年前から脳の変化が始まっているといわれています。気になるもの忘れや嗅覚の変化を見逃さず、不安があれば早めに医療機関へ相談しましょう。




