「新型コロナ」アジアで急増中、日本も“再流行”の不安…コロナ禍に逆戻り? 医師の見解とは

アジア地域における新型コロナウイルス感染症の再拡大について、各国から最新のデータが報告されています。各国の保健当局は感染者数の増加に警戒を強めており、特に高齢者や基礎疾患をもつ人に対するワクチン接種の推奨が進められています。今後の動向を受け、私たち日本人はどのように備えるべきなのでしょうか。この内容について本多医師に伺いました。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
アジア各国の新型コロナウイルスの感染状況は?
アジア各国の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。
アジア各国では、新型コロナウイルスの感染が依然として拡大傾向にあります。アジア各国の新型コロナウイルスの感染状況を解説します。 台湾の疾病予防管理センターの発表によると、2025年5月12~19日の間に新規感染者は93人、死亡者は4人でした。今年の重症者は累計330人で、そのうち47人が亡くなっており、90%以上がワクチン未接種者でした。6月中旬から下旬にかけて感染のピークを迎えると予想されており、医療機関の受診件数は1週間で最大6万5000件に達する見込みです。 中国でも新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。中国疾病予防管理センターは、2025年5月23日の発表で、4月1~30日までの1か月間に全国で新たに16万8507人の感染が確認されたと報告しました。重症者は340人、基礎疾患と新型コロナウイルスの併発による死亡者は9人とされています。 韓国では、周辺国での感染拡大を受けて、国内でも夏季に流行が起こる可能性があるとして、疾病管理庁が高リスク群に対するワクチン接種の強化を呼びかけています。65歳以上の高齢者や免疫力の低下した人、感染脆弱施設の入所者などを対象に、2024〜2025年シーズンの予防接種を6月末までに受けるよう促しています。
日本では以前のコロナ禍のように再びなるのか?
日本は、以前のコロナ禍のようになるのかについて、見解を教えてください。
我々には一度コロナ渦を乗り越えたという経験や、新型コロナウイルスに対するワクチンや治療薬など、一度目のコロナ渦のときにはなかった武器があります。台湾での感染者の90%以上がワクチン未接種者であったということも踏まえると、私個人の判断としては「現時点では、以前のようなコロナ渦にはならないだろう」と考えています。
新型コロナウイルス再流行の兆しに対する受け止め
新型コロナウイルスの再流行の兆しに対する受け止めを教えてください。
現在、アジア各国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しているものの、以前のような医療崩壊や社会全体の混乱には至っていません。重症化する方の多くはワクチン未接種者であり、予防接種や基本的な感染対策を行うことで重症化リスクは大きく下げられます。特に高齢者や基礎疾患のある人は、定期的なワクチン接種が重要です。過度に心配せず、体調不良時には早めに受診し、落ち着いて対応していきましょう。
編集部まとめ
アジア各国で、新型コロナウイルスの感染がじわじわと拡大していることがわかりました。特に高齢者や基礎疾患のある人の重症化が目立ち、ワクチン未接種者に集中しています。まだ過度に心配する必要はありませんが、体調管理や手洗い・換気など基本的な対策を思い出す時期かもしれません。身近な予防の積み重ねが、自分と大切な人を守ることにつながります。





