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新型コロナやインフルの流行で咳止め薬・痰切り薬が供給不足、厚労省「処方は最小限に」

 更新日:2023/10/23
厚労省 せき止め薬・痰切り薬の必要最小限の処方を呼びかけ

厚生労働省は医療機関や薬局などに対して、咳止め薬や痰を取り除く薬の処方を必要最小限に抑え、過剰発注を控えるよう要請しました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

厚生労働省が要請した内容とは?

今回、厚生労働省が医療機関や薬局などに対して要請した内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回の要請は、厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課という部署から都道府県に対しての事務連絡という形で2023年9月29日に実施されました。

事務連絡では、冒頭部分で「新型コロナウイルスの流行以降、種々の感染症の減少により、市場の鎮咳薬(咳止め)・去痰薬の供給量が縮小する中で、今般、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症の拡大に伴い鎮咳薬・去痰薬の需要が増加している。それによって製造販売業者からの限定出荷が生じています」と記載されています。主要な咳止め薬の供給量については、新型コロナウイルスの流行以前の約85%まで生産量が低下しています。また、主要な去痰薬の供給量については、新型コロナウイルスの流行以前と同程度ではあるものの、メーカー在庫が減少している状況であるとのことです。

こうした状況を、各自治体の医療機関・薬局・医薬品卸売販売業者などに対して周知を求めるとともに、次の3点について周知することを文書で求めています。

①咳止め薬・去痰薬は、初期からの長期処方を控え、医師が必要と判断した患者へ最少日数での処方に努めるほか、残薬の有効活用についても検討してほしい
②薬局では、処方された咳止め薬・去痰薬を、自らの店舗だけでは供給が困難な場合であっても、系列店舗や地域における連携により可能な限り調整してほしい
③咳止め薬・去痰薬について、必要な患者に広く行き渡るように過剰な発注は控え、当面の必要量に見合う量のみの購入をお願いしたい

今回の要請に対しての受け止めは?

今回、厚生労働省が医療機関や薬局などに対して要請した内容に対する受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

コロナ禍でほかの感染症が少なかったことや、最近の新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行などが薬剤不足の原因であると考えられます。今回の厚生労働省の要請はしかるべき対応と言えるでしょう。

一般人が気をつけるべきことは?

厚生労働省が出した要請は、医療機関や薬局に向けたものでしたが、一般の立場の人が気をつけるべきことはあるでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

本当に必要な人への薬剤の供給を確保するため、一般の人でも限られた医療資源を皆で分け合っているという意識をもっていただくことが必要です。症状があれば薬は必要ですが、不必要に長期の処方を求めることは慎むべきと考えます。

まとめ

厚生労働省は、咳止め薬や痰を取り除く薬の処方を必要最小限に抑え、過剰発注を控えるよう要請しました。インフルエンザの流行や、新型コロナウイルスの第9波がある中で、必要な薬を確保することは重要な課題です。今後もこうしたニュースは注目を集めることになりそうです。

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