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アメリカでもコロナ新変異株「NB.1.8.1」確認… 再流行の前触れ? 死亡・重症化リスクを医師が解説

 更新日:2025/06/13

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、2025年5月最終週の新型コロナウイルスによる死亡者数を発表しました。死亡者数が減少傾向にありますが、アジアで感染拡大中の新たな変異株「NB.1.8.1」が、アメリカでも確認されています。この内容について本多医師に伺いました。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

アメリカでの新型コロナウイルスの感染状況とは?

アメリカでの新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

本多 洋介 医師本多先生

2025年に入ってから、アメリカでの新型コロナウイルスによる週ごとの死亡者数は着実に減少しています。アメリカ疾病予防管理センターによると、1月11日の週には1047人、2月1日には936人でしたが、3月1日は695人、4月5日には412人と減少が続きました。さらに、5月10日は250人、17日は194人、24日は141人、そして直近の5月31日には90人となり、約5カ月で死亡者数が9割近く減った形です。ただ、中国や台湾などで現在広まっている新たな変異株「NB.1.8.1」が、アメリカでも複数個所で確認されています。

引き続き注意する必要がありますが、感染状況は落ち着きを見せてきています。

新型コロナウイルス変異株「NB.1.8.1」の特徴

新型コロナウイルス変異株「NB.1.8.1」の特徴について教えてください。

本多 洋介 医師本多先生

NB.1.8.1は、2025年5月にWHOによって「監視対象の変異株」に指定された新型コロナウイルスの新たな変異株です。2025年1月に最初のサンプルが確認されて以降、世界22カ国から計518件の配列が報告されており、特に西太平洋や欧州、アメリカ地域で増加傾向にあります。スパイクタンパク質に複数の変異があり、感染力や免疫回避性の一部上昇が確認されていますが、現在のところ重症化リスク・死亡リスクは高くなく、現行ワクチンの有効性も保たれていると考えられています。

新型コロナウイルスの再流行を防ぐためにできることとは?

新型コロナウイルスの再流行を防ぐためにできることを教えてください。

本多 洋介 医師本多先生

感染症に携わる総合内科専門医として、私も新型コロナウイルスの最新動向には注目しています。NB.1.8.1のような新たな変異株が報告されていますが、現在のところ重症化リスクや死亡率の上昇は確認されておらず、ワクチンの効果も一定程度維持されています。アメリカでも死亡者数は着実に減少しており、全体として感染状況は落ち着いています。変異株の存在に過度な不安を抱く必要はありませんが、引き続き基本的な感染対策やワクチン接種の確認など、冷静な行動を心がけましょう。

編集部まとめ

新たな変異株「NB.1.8.1」も確認されていますが、現時点では重症化のリスクは低く、ワクチンも有効とされています。とはいえ、今後の再流行を防ぐには、引き続き手洗いや換気、体調管理など基本的な感染対策を続けることが大切です。日常生活の中で「少しの注意」が大きな安心につながるでしょう。

この記事の監修医師