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りんご病が流行中… 初期症状・大人への感染リスクを医師が解説 「妊婦の感染に注意」学会が警鐘

 公開日:2024/12/12

日本産婦人科感染症学会は、りんご病(伝染性紅斑)の患者が関東を中心に増えていることを受けて「感染した場合、胎児の異常や流産になる恐れがある」として、感染対策を呼びかけました。このニュースについて五藤医師に伺いました。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。現在は「竹内内科小児科医院」の院長。日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医。

りんご病の感染状況は? ⽇本産婦⼈科感染症学会の呼びかけとは?

今回ニュースで取り上げられたりんご病の感染状況、⽇本産婦⼈科感染症学会の呼びかけについて教えてください。

五藤 良将 医師五藤先生

⽇本産婦⼈科感染症学会は、2024年12月7日付で妊婦に対してりんご病への注意を呼びかけました。学会の注意喚起によると「りんご病は4〜5年周期で流⾏しており、2024年の秋頃から関東を中心に流⾏がみられ、2025年は全国的な流⾏が危惧されている」とのことです。

国立感染症研究所によると、2024年11月25日〜12月1日に報告されたりんご病の1医療機関あたりの感染者数の全国平均は0.89人でした。前週よりも0.38人多い患者数となっており、去年の同時期と比べると89倍です。都道府県別に患者数を確認すると、最も多かったのは埼玉県で3.49人、次いで東京都が3.02人、神奈川県が2.17人、千葉県が2.10人、青森県が1.68人でした。りんご病は関東地方で流行しており、増加傾向が続いています。

⽇本産婦⼈科感染症学会は注意喚起の中で、りんご病を原因となる「パルボウイルスB19」に対する⽇本⼈妊婦の抗体保有率は20〜50%とされ、妊婦が初めて感染した場合は6%が流死産や⼦宮内胎児死亡となり、4%は胎児貧⾎や胎児⽔腫を起こすことを紹介しています。皮膚に症状が出る1〜2週間前の「⾵邪のような症状」の時期に感染⼒があり、知らないうちに家族から感染していることも考えられるため、感染者や⾵邪症状のある⼈との接触をできるだけ減らし、⼿洗い、うがい、マスクの使⽤、感染が心配な妊婦には抗体検査や超⾳波検査を受けることを呼びかけています。

りんご病の初期症状は? 大人にも感染する?

関東地方で増加傾向が目立つりんご病ですが、初期症状はどのようなものがあるのでしょうか? また、大人にも感染するのでしょうか?

五藤 良将 医師五藤先生

りんご病の初期症状は、一般的には両頬に表れる特徴的な紅斑(りんごのような赤み)です。また、頬の赤みに先立って風邪のような症状(微熱、倦怠感、咳、喉の痛み)が出るため、初期段階では普通の風邪と見分けがつかないことが多いのです。感染初期の時期が最もウイルスの排出が多く、感染力が高いのが特徴です。

りんご病は、子どもに多い感染症ではありますが、大人も感染する可能性があります。特に大人の場合、関節痛が表れることがあり、手指や膝関節の痛みを訴えるケースも少なくありません。大人は症状が重くなりやすい傾向があるため、風邪の症状が続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

今回のニュースの受け止め・りんご病の対策

今回のニュースについての受け止めやりんご病の対策について教えてください。

五藤 良将 医師五藤先生

今回の⽇本産婦⼈科感染症学会の発表は、妊婦をはじめとする感染リスクが高い人々に注意を促す重要な警鐘であると考えます。りんご病は4~5年周期で流行することが知られていますが、2024年から2025年にかけての流行には特に注意が必要です。

妊婦が感染すると胎児に重篤な影響を与える可能性があるため、日常生活の中での感染対策が不可欠です。例えば、家族の中に風邪症状のある人がいる場合、手洗い・うがいの徹底、換気の徹底、外出時のマスク着用を習慣化することが望ましいでしょう。妊婦が抗体を保有しているかを確認するための抗体検査も有効な手段です。

りんご病の感染が疑われる場合は速やかに医療機関を受診し、必要に応じて超音波検査などの精密検査を受けることが推奨されます。

編集部まとめ

りんご病の感染は、本人だけでなく家族や胎児に影響を与える可能性があるため、流行地域では特に注意が必要です。適切な感染対策を講じることで、感染リスクを大幅に減らすことができます。

この記事の監修医師