2023年度の新型コロナワクチン接種開始 高齢者などは年2回接種に
2023年度の新型コロナウイルスワクチンの接種が5月8日から始まりました。対象は重症化リスクの高い65歳以上の高齢者、基礎疾患を持つ人、医療従事者で、年2回の接種機会が設けられています。今回のニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
23年度のワクチン接種の方針は?
5月8日から高齢者などの重症化リスクが高い人と医療従事者を対象に、2023年度の新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりましたが、今回のワクチン接種の方針について教えてください。
中路先生
これまで新型コロナウイルスは感染症法上の2類相当として取り扱われていましたが、5月から感染症法上の分類が5類に切り替わりました。ワクチン接種については、無料で接種できる予防接種法上の「臨時接種」に位置付けられており、接種の努力義務はリスクが高い高齢者らに限定されています。
接種期間は8月までとされていて、オミクロン株対応ワクチンが使用されます。健康な12歳以上の人に対するワクチン接種は年末年始の感染拡大に備えて、9~12月に1回の接種を予定しています。なお、これまで新型コロナウイルスのワクチンを一度も打ったことがない11歳以下の子どもや、オミクロン株対応ワクチン未接種の12歳以上の人も打つことができます。
9月からの接種で使用するワクチンや詳しいスケジュールなどについては、今後の動向を踏まえて決定する方針とのことです。今年度のワクチン無償化についての議論は、2023年2月22日に開かれた厚生労働省の専門家による分科会で議論されました。その際に、2023年4月以降の新型コロナウイルスワクチンの無料接種を継続し、高齢者などは5月からと9月からの2回の接種をおこなう方針が了承されています。
ワクチン接種の必要性は?
新型コロナウイルスが感染症上で5類に分類されましたが、ワクチン接種の必要性についてはどのように考えればいいのでしょうか?
中路先生
新型コロナウイルスが5類に分類されても、現在の新型コロナウイルスの感染状況が変わるわけではありませんし、インフルエンザと同じ扱いはできないと考えます。ワクチン接種によって重症化を防ぐというエビデンスはありますし、重症化リスクのある人を守る意味でも定期的なワクチン接種は必要でしょう。
新型コロナウイルスと今後どう向き合うべき?
新型コロナウイルスに対して、感染予防などの観点から私たちはどのように向き合うべきなのでしょうか? これまでの対策をどこまで緩和すべきなのか教えてください。
中路先生
我々は新型コロナウイルスについて、様々な経験をしました。これまでのように新型コロナウイルスを過度に恐れる必要はありません。重症化リスクのある人を守るためにも、これまでの基本的な感染対策・ワクチン接種は継続しつつ、いきなりではなくその時の感染状況に応じて緩和できるところは徐々にしていくという姿勢が重要であると考えます。
まとめ
2023年度の新型コロナウイルスワクチンの接種が5月8日から始まったことが今回のニュースでわかりました。健康な12歳以上の人は9月以降に接種が開始される予定で、使用されるワクチンやスケジュールについては新型コロナウイルスの感染状況の動向を見て判断されるとのことです。今後も政府の発表には注意を向ける必要があります。