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マスク「外さない」が70%超え 着用ルール緩和もいまだ感染を警戒か

 公開日:2023/03/20
着用は「個人の判断」 マスクルールが緩和

これまで新型コロナウイルス対策で推奨されてきたマスク着用が3月13日から緩和され、屋内外を問わず「個人の判断」に委ねられることになりました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

緩和されたマスク着用ルールとは?

3月13日から緩和されたマスク着用ルールについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

3月13日からマスクの着用ルールが緩和されましたが、これは2月10日の新型コロナウイルス感染症対策本部で決定された方針に沿った内容となります。新しいルールでは、屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねられ、医療機関を受診する際や通勤ラッシュ時といった混雑した電車やバスに乗る際などには、マスクの着用を推奨するとされています。また、学校では新学期が始まる4月1日からマスクの着用を求めないことを基本として、新たな方針が適用される前の卒業式でも児童、生徒などはマスクを着用せずに出席することを基本としています。

一方で、新型コロナウイルスの流行期に、感染・重症化リスクの高い人が混雑した場所に行く際には、感染対策としてマスクの着用が効果的であると方針では言及されており、症状がある人や同居家族に陽性者がいる人などがやむを得ず外出する際にもマスクを着用するよう求めています。加藤厚生労働大臣はルール緩和方針が決定した直後の記者会見で、「感染が大きく拡大している場合には、今後も一時的に場面に応じた適切なマスクの着用を国民に呼びかけるなど、強い感染対策をお願いすることがあり得る」ともコメントしています。

マスク着用についての人々の受け止めは?

3月13日から緩和されたマスク着用ルールについて、世の中ではどのように受け止められているのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

女性向けメディア「4MEEE」が3月10日に発表した「新マスク生活についてのアンケート調査」では、20~40代の女性332名に対象にインターネットで実施しました。その結果、マスクを「外す」と回答した人は10.2%、マスクを「外さない」と回答した人が71.4%、「迷っている」と答えた人が18.4%となりました。マスクを「外さない」「迷っている」と答えた人の判断理由で多かったのが、「新型コロナウイルスやインフルエンザなどに感染するのが怖いから」が最も多い62.8%、「場所によって着脱するかを考えたい」が36.9%、「3年もマスク生活だったから慣れない」が33.9%でした。

また、株式会社ぐるなびが20~60代のぐるなび会員1000人に対して飲食店でのマスク着用についての調査をおこないました。3月13日以降のマスク着用について、「飲食をするときだけ外す」が38.1%、「飲食の始まりから終わりまでは外す」が40.0%、「店内ではずっと外したまま」が11.7%、「入店前からマスクはしない」7.1%、「外食はしない」が3.1%となりました。

マスク着用ルールの緩和で留意すべき点は?

マスク着用ルールの緩和で留意すべき点について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

マスク着用は個人の判断に任せられる一方、一定の割合で重症化リスクを負っている人たちがいるという点は留意すべきでしょう。日本における新型コロナウイルスの重症患者や亡くなった人の割合が海外と比べて低いのは、マスク着用などの感染対策が徹底されていたことが要因の1つと考えられます。そのため、混雑した場所や医療機関受診時、高齢者施設訪問時ではマスクを着用することが今後のマナーとなるでしょう。気配りのあるマスク着用緩和が必要です。

まとめ

新型コロナウイルス対策で推奨されてきたマスクの着用が3月13日から緩和され、屋内外を問わず「個人の判断」に委ねられることになりました。これまで着用が推奨されていたマスクを急に外すことへの戸惑いが各種調査から伺える形となっていて、マスク着用については今後も注目が集まりそうです。

この記事の監修医師