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新型コロナ後遺症で「心血管疾患」リスク2倍以上に ワクチンで後遺症対策を

 公開日:2023/03/06
新型コロナ後遺症で心血管疾患のリスクが2倍以上に

「新型コロナウイルスの後遺症がある人は、心血管系の健康問題が生じる可能性が2倍以上高い」ことが、米国心臓病学会の年次学術集会と世界心臓病学会で発表された研究によって明らかになりました。このニュースについて竹内医師に伺いました。

竹内 想 医師

監修医師
竹内 想(医師)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。専門領域は皮膚科、美容皮膚科。

今回明らかになった研究結果とは?

今回、米国心臓病学会の年次学術集会と世界心臓病学会で発表された研究内容について教えてください。

竹内 想 医師竹内先生

今回紹介する研究は、合計580万人を対象とした11の主要な研究の系統的な文献レビューおよびメタ分析であり、新型コロナウイルスの後遺症による心血管系の合併症を検討したものです。

研究者グループは「新型コロナウイルスの後遺症を発症した人は、新型コロナウイルスに感染したことがない人と比べて、胸痛、息切れ、動悸、疲労といった心臓疾患に関連する症状を経験する確率が有意に高く、医療画像や診断テストで心臓疾患のマーカーや心血管リスクの上昇を示す確率が高い」ということを見出しました。

580万人以上の研究対象のうち約45万人が心臓の合併症を経験しており、新型コロナウイルスの後遺症を発症した人では、対照グループと比較して、心合併症の発生率が2.3~2.5倍高くなりました。

今回の結果について研究グループは「プライマリ・ケア提供者、救急治療室スタッフ、循環器専門医が協調して取り組むことで、新型コロナウイルスの後遺症における心臓合併症の早期発見と軽減に役立つ可能性があります」とコメントしています。

研究結果への受け止めは?

「新型コロナウイルスの後遺症がある人は、心血管系の健康問題が生じる可能性が2倍以上高い」という研究結果が示されましたが、受け止めを教えてください。

竹内 想 医師竹内先生

一般的な感染症は、急に症状をきたしても一定期間を乗り切れば回復することが多い傾向にあります。しかし、新型コロナウイルスは後遺症を起こすことが多い感染症です。新型コロナウイルスの後遺症の発症リスクを下げるためにはワクチン接種が有効と考えられているので、予防だけでなく後遺症対策としても接種を検討いただくのがいいでしょう。

新型コロナウイルスの後遺症の現状とは?

新型コロナウイルスの後遺症の現状について教えてください。

竹内 想 医師竹内先生

学術誌「Nature」で発表された研究によると、世界で6500万人以上が新型コロナウイルスの後遺症を患っており、確認された症状は200以上で複数の臓器系に影響を及ぼしているとのことです。また、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、「重症化した患者に後遺症が多くみられるが、感染者なら誰でも発症する可能性がある」と報告しています。

まとめ

新型コロナウイルスの後遺症がある人は、心血管系の健康問題が生じる可能性が2倍以上高いことが米国心臓病学会の年次学術集会と世界心臓病学会で発表された研究によって明らかになりました。日本でも新型コロナウイルスの後遺症に困る人は多く、今回の研究結果は注目を集めそうです。

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