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子どもへの新型コロナワクチン「全ての小児に接種を推奨」日本小児科学会

 公開日:2023/06/27
日本小児科学会 新型コロナワクチン「全ての小児に接種推奨」と見解

日本小児科学会は、新型コロナウイルスワクチンの子どもへの接種について、引き続き「全ての小児に接種を推奨する」という考え方を示しています。この内容について武井医師に伺いました。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

日本小児科学会が示した考えとは?

日本小児科学会が示した、子どもへの新型コロナウイルスワクチン接種の見解について教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

小児への新型コロナウイルスワクチンの接種をめぐっては、新型コロナウイルスが5類に移行したことや、WHO(世界保健機関)が2023年3月に「生後6カ月から17歳の健康な小児へのワクチン接種は優先順位が低く、国ごとの状況を踏まえて検討すべきだ」とされていることから、日本小児科学会は接種の意義について改めて検討しました。検討の中で日本小児科学会は、WHOが「子どもに対する接種は有効かつ安全」としていることや、複数の研究報告で「発症予防や重症化予防の効果が確認されている」ことを把握する一方、国内では未感染の子どもが多いとみられており、「感染すると稀に急性脳症や心筋炎を発症し、後遺症が残ったり死亡したりするケースもある」という考え方をまとめています。

こうした考え方を踏まえて、日本小児科学会は対策の緩和で多くの子どもの感染が予想されていることから、ワクチン接種は重症化を防ぐ手段として重要だとし、引き続き「全ての小児に接種を推奨する」と示しています。

日本小児科学会が示した考えへの受け止めは?

日本小児科学会が示した、子どもへの新型コロナウイルスワクチンの接種の見解について、受け止めを教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

日本小児科学会の見解は、世界水準と比べても過剰に接種をする傾向にあると思われます。他国の見解では、基礎疾患がない子どもにはワクチン接種のメリットは少ないことを挙げています。

現在流行している新型コロナウイルスのXBB株への効果は限定的であることから、予防可能な疾患(麻疹・風疹、水痘など)のワクチンを優先して接種した方がいいと考えます。

新型コロナウイルスの感染者が増えている中で注意すべきことは?

新型コロナウイルスの感染者が増えている中で、子どもたちの感染を防ぐために注意すべきことを教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

小児の新型コロナウイルスの特効薬はないため、日々の生活習慣で免疫機能、とくにリンパ球の機能を高めることが重要です。十分な栄養と睡眠、バランスのとれた食生活などを心がけましょう。

まとめ

日本小児科学会は、新型コロナウイルスワクチンの子どもへの接種について、引き続き「全ての小児に接種を推奨する」という考え方を示したことが今回のニュースでわかりました。新型コロナウイルスの感染者数が再び増えてきている中で、こうした学会の考え方を知ることも大切になります。

この記事の監修医師