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2022年の新型コロナ感染者2750万4428人 2021年の18.4倍・死者数は2.6倍に

 更新日:2023/03/27
2022年の新型コロナ感染者は2750万4428人

2022年、国内で確認された新型コロナウイルスの感染者は合計で2750万4428人となり、2021年の18.4倍となりました。このニュースについて郷医師に伺いました。

郷 正憲医師

監修医師
郷 正憲(医師)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT。

新型コロナウイルスの感染者数の推移は?

新型コロナウイルスの感染者の傾向について教えてください。

郷 正憲医師郷先生

日本での新型コロナウイルス感染者は2020年1月に初めて確認されて、2020年の感染者を合計すると23万2495人となりました。2021年になると、デルタ株の流行などによって感染者数が急増して、結果的に149万5733人となりました。2022年は年初からオミクロン株が広がり、夏場には流行の第7波が到来したことで、1日だけで26万人超の感染が確認されるなど、さらに感染が拡大しました。そして第8波も始まり、最終的には1年間で2750万4428人の感染者が確認されました。なお、新型コロナウイルスによる死者数については2020年が3507人、21年が1万4908人、2022年は3万8881人を記録しています。

新型コロナウイルス感染者の推移についての受け止めは?

2022年の感染者が2021年と比べて約18倍になっていますが、新型コロナウイルス感染者の増加についての受け止めを教えてください。

郷 正憲医師郷先生

新型コロナウイルス感染者の増加については、2つの要因があると考えています。

まず1つ目はウイルス自体の変異です。ご存じの通り、現在の主流はオミクロン株で、変異を繰り返すにつれて、どんどんと免疫逃避能力や感染率が上昇しています。免疫逃避とは、過去に感染したり、ワクチンを接種したりして身体に免疫があっても、その免疫の攻撃を回避して身体に感染してしまう能力のことです。もともとオミクロン株は免疫逃避能力が高いと言われていましたが、更に変異することでどんどん強まってきました。つまり、ワクチン接種しても感染したり、再感染したりする可能性が高くなっているのです。

もう1つの要因は、人々が経済活動を活発におこなうようになり、感染機会が上昇していることにあります。新型コロナウイルス感染前まで回復したとは言えませんが、それでも密集・密閉・密接の機会は多く増えており、感染しやすくなっています。これらの要因によって、新型コロナウイルスの感染が増えているのだと考えます。

新型コロナウイルスの感染を防ぐために心がけることは?

新型コロナウイルスの感染を防ぐために心がけることについて、改めて教えてください。

郷 正憲医師郷先生

オミクロン株は弱毒化したから大丈夫という声も聞こえますが、重症化率・死亡率は初期の新型コロナウイルスと変わりない値です。これは、あくまで「重症化率や死亡率が非常に高かったデルタ株と比較して」というだけです。また、感染しても軽症、あるいは症状がない場合が多く、ただの風邪のように感じている人が増えたのは、単にワクチンのおかげで重症化率が下がったからというだけに過ぎません。重症化率や死亡率、入院率が低下したといっても感染者数が増えてしまうと絶対数が増えてしまいますので、どうしても医療にしわ寄せがきます。医療のひっ迫は新型コロナウイルスに感染しているかどうかの診療ができなくなるだけではなく、通常の救急医療を含めた様々な医療の制限につながっています。救える命が救えない事態も多発していますので、今一度感染対策を見直し、少しでも感染者を減らすという他人の命を救う活動をしていきましょう。

まとめ

2022年国内で確認された新型コロナウイルスの感染者は合計で2750万4428人となり、2021年の18.4倍となりました。最近では死者数も増加傾向にあり、感染の傾向については引き続き注目が集まりそうです。

この記事の監修医師