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新型コロナ「第10波に入った」8週連続で感染者数増加 愛知県知事が言及

 公開日:2024/01/24

愛知県内の医療機関で定点把握された新型コロナウイルスの感染者数が8週連続で増加し、入院患者も増えていることから、愛知県の大村知事は「年明けから『第10波』に入った」という認識を会見で明らかにしました。この内容について郷医師に伺いました。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

愛知県の大村知事が明らかにした内容とは?

新型コロナウイルスについて、愛知県の大村知事が会見で明らかにした内容を教えてください。

郷 正憲医師郷先生

新型コロナウイルスの感染者数を巡って、大村知事は記者会見で「11月半ばから感染者数がどっと増えており、年明けから『第10波』に入ったと言わざるを得ない」とコメントしました。

愛知県内の感染状況をみると、2024年1月14日までの1週間で愛知県内の195の医療機関で確認された新型コロナウイルスの感染者数は、1医療機関あたりの平均で14.17人となり、8週連続で前週を上回っています。また、新型コロナウイルスに感染して愛知県内の医療機関に入院している人は16日夜の時点で851人となり、1月10日時点と比べて58人増加しています。感染力が強まっている可能性のある新たな変異株「JN.1」が県内で確認されたことも明らかになっています。

大村知事は会見で、感染がさらに拡大して入院患者があと21人増えて872人以上となった場合は、国の基準に基づいて、2024年1月24日から感染者向けの病床を109床確保する方針を明らかにしています。大村知事は、換気や手洗いなど、場面に応じた感染対策をとるとともに、クラスターが多発している高齢者施設の職員などは、発熱の症状がないかを注意するよう呼びかけています。

ほかの自治体の動向は?

愛知県の大村知事が「第10波」について言及しました。ほかの自治体ではどのような動きがあるのでしょうか?

郷 正憲医師郷先生

静岡県は2024年1月19日に、3カ月振りとなる感染拡大注意報を発表しています。静岡県内の新型コロナウイルスの感染状況は、県内の指定医療機関における1週間あたりの感染者数が11.35人となっており、静岡県の感染症管理センターは「第10波が始まっている」と言及しています。

茨城県医師会の会長は、茨城県内で1医療機関あたりの新たな感染者数が14.09人と、8週連続で増加していることから「8週連続で感染者が増加し、第9波のピーク時の感染者数の半分ほどになっていることから第10波に入ったと考えられる」と発言しています。茨城県医師会の会長によると、「年末年始で人の移動が増え、感染する機会が増えたことなどが感染者数増加の要因として考えられる」とのことです。また、「換気や手洗い、それにマスク着用など、これまでの経験を活かして感染対策をしてほしい。2024年3月までは全額公費でワクチン接種ができるため、接種してほしい」と述べ、感染対策やワクチン接種をおこなうよう呼びかけています。

新型コロナウイルスの感染者数が増えていることへの受け止めは?

新型コロナウイルスの感染者数が増えていることへの受け止めを教えてください。

郷 正憲医師郷先生

これまでにも繰り返されてきたとおり、新型コロナウイルスは感染拡大と一時的な収束を繰り返しています。最大となった第8波以降、全数把握ではなくなったため、大きな波にはなっていないように見えますが、現場の実態としてはやはり多くの人が感染をしているようです。ワクチン接種のおかげで重症率も少ないですが、それでも一部の人は重症化、死亡する例もあるため、気を抜いてはいけないというのが実情です。

新しい変異である「JN.1」が拡大しているのも気になるところです。過度な接触回避の必要はないとは思われますが、基本的な感染対策は継続するべきと考えた方がいいでしょう。

まとめ

愛知県の大村知事は、愛知県内の医療機関による定点把握で新型コロナウイルスの感染者数が8週連続で増加し、入院患者も増えていることから、「年明けから『第10波』に入った」という認識を会見で明らかにしました。新たな変異株の「JN.1」も確認されているので、感染対策をしっかりとすることが重要です。

この記事の監修医師