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WHO事務局長「新型コロナウイルスパンデミックの終わりが視野に入ってきた」

 更新日:2024/03/08
WHO事務局長 新型コロナパンデミック「終わりが視野に」

WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は9月14日におこなわれた記者会見で、新型コロナウイルスのパンデミックについて「終わりが視野に入った」との認識を示しました。このニュースについて甲斐沼医師に伺いました。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

WHO事務局長の会見内容とは?

WHOのテドロス事務局長がおこなった記者会見の内容について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

9月14日、WHOのテドロス事務局長はオンラインで記者会見を実施し、新型コロナウイルスの感染状況について説明しました。テドロス事務局長は、「会見前の世界全体の1週間の死者数が、パンデミックが始まった2020年3月以降で最も少なくなった」と話しました。テドロス事務局長は「パンデミックを終わらせるのにこれほど有利な状況になったことはない。まだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」とも会見で語っています。

その一方で、「マラソン選手はゴールが見えてきたからといって立ち止まることはなく、残った力を使ってより速く走ろうとするものだ。この機会を逃してはならない」と述べ、「全ての国で医療関係者や高齢者のワクチン接種率が100%となるよう、投資すべきだ」と訴えるなど、各国で新型コロナウイルスの流行の終息に向けた感染拡大防止を継続する重要性を訴えました。なお、WHOの集計によると、9月5~11日までの世界全体の死者数は、前週より22%減少した1万935人となっており、新規感染者数も28%減少した約313万人となっています。

「終わりが視野に入ってきた」という発言の受け止めは?

WHOのテドロス事務局長が会見で語った「終わりが視野に入ってきた」という発言に対する受け止めを教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

WHOは「2022年9月前半の新型コロナウイルスによる死者数が2020年3月以降で最低であった」と評価しましたが、依然として2022年以降だけでも100万人超えの死者が出ている状況を察すると、決して感染対策の手を緩めてはならないと強調する必要があるでしょう。そして、現在の新型コロナウイルスの感染状況が2020年時点に宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するかを協議する専門家会議が2022年10月に開催される予定です。新型コロナウイルスのパンデミックが依然として国際的な公衆衛生上の緊急事態に相当するか詳細に精査すると同時に、今後も引き続いて緊急事態宣言を継続するかを見極める必要性に迫られています。

新型コロナウイルスのパンデミックを終わらせるために重要なことは?

新型コロナウイルスのパンデミックを終わらせるために重要なことはなんでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

新型コロナウイルス感染症のパンデミックを世界的に終焉させるために重要なことは、テドロス事務局長が推奨しているように「世界各国において自国の新型コロナウイルス対策を精査して、将来的に発生し得る感染の大波に備えることができるよう感染対策を強化すること」だと考えます。

その中でも特に、高リスク層へのワクチン接種や検査を通じた感染の早期確認などを徹底的に実施する必要があるでしょう。我々は未だ新型コロナウイルスの終息状態には達しておらず、この機会を逃せばさらに多くのウイルス変異株や死者を生みかねない危険性を懸念して、安易に気を緩めたり警戒を解いたりする時期ではないことを再認識することが重要なポイントとなります。

まとめ

WHOのテドロス事務局長が9月14日におこなった記者会見で、新型コロナウイルスのパンデミックについて「終息が視野に入った」との認識を示したことが今回のニュースでわかりました。無事に終息させるためには感染防止対策の継続が求められており、引き続き警戒が必要です。

この記事の監修医師