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ファイザー製ワクチン 5~11歳でも中和抗体上昇

 更新日:2023/03/27

アメリカ製薬会社大手のファイザー社は、5~11歳の子どもへの臨床試験で、3回目のワクチン接種後にウイルスの働きを抑える中和抗体が上昇したと発表しました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

5~11歳へのワクチン接種とは?

5~11歳へのワクチン接種は、どのような形でおこなわれるのか教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回の発表は、4月14日にファイザー社のHPでおこなわれたものです。ファイザー社によると、5~11歳の子どもを対象とした臨床試験で30人分の血液検査した結果、ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種をおこなった後、オミクロン株への中和抗体量が36倍上昇したことが示されたとのことです。また、140人の子どもを対象としたワクチンの3回目接種の結果、従来の新型コロナウイルスに対する中和抗体は6倍に増えたとのことです。

今後、ファイザー社は今回のデータをFDA(アメリカ食品医薬品局)に提出する予定とのことです。また、発表の中で「これらのデータは、この年齢層におけるウイルスに対する高い防御レベルを維持する上で、3回目のワクチン接種が機能する可能性を補強するものだ」と記述しています。

発表内容の受け止めは?

ファイザー社がおこなった発表内容について、受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

ファイザー社は5~11歳が参加した臨床研究において、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種後、中和抗体が上昇したと発表しました。また、オミクロン株に関しても30人の血液を分析し、3回目のワクチン接種で中和抗体量が増えたことを確認しました。症例数が少ない(また、この年代の治験の難しさ)などの研究の限界はありますが、少なくともこれらの研究は3回目のワクチン接種が、この年齢層(5~11歳)における新型コロナウイルスからの防御に寄与することを示唆するものと考えられます。

日本での5~11歳への接種体制は?

日本での5~11歳へのワクチン接種体制について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

5~11歳へのワクチン接種は対象となる人数は、700万~800万人と言われています。12歳以上を対象にしたワクチンに比べると1回に接種する有効成分の量は3分の1と少なく、3週間の間隔で2回接種を受けることになります。なお、学校での集団接種は推奨されていないため、自治体による集団接種か小児科のクリニックなどでの個別接種とする方針が立てられています。ワクチンはファイザー製を使用することとなり、自治体判断で基礎疾患があるなど重症化リスクの高い子どもが優先されます。費用は臨時接種に位置付けられているため公費で無料です。現時点では、予防接種法に基づく接種の努力義務は保護者に課されていません。

まとめ

アメリカ製薬大手のファイザー社が、5~11歳の子どもへの臨床試験で、3回目のワクチン接種後にウイルスの働きを抑える中和抗体が上昇したと発表したことが明らかになりました。日本でもすでに5~11歳への接種が開始している中で注目を集めそうです。

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