ファイザー社製ワクチン、3回目接種後に4割が発熱
ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンによる3回目のワクチン接種後、4割の人に37.5度以上の発熱がみられたとの中間報告を順天堂大学などの研究チームがまとめました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
中間報告の内容とは?
今回報告された研究チームの中間報告の内容について教えてください。
中路先生
今回の中間報告は順天堂大学などの研究チームがまとめたもので、12月24日に開かれた厚生労働省の専門家部会で報告されました。調査対象は、2回の接種が完了してから約9か月の間隔で3回目のワクチン接種をおこなった医療従事者ら約1050人になります。
調査によると、3回目のワクチン接種から1週間以内に37.5度以上発熱した人の割合は40%で、38度以上は20%でした。主な副反応の頻度は、注射部位の痛みが92%、倦怠感が71%、頭痛が56%で起きていたということです。リンパ節がある脇の下の痛みは5%に見られ、2回目のワクチン接種時よりもやや頻度が高いという結果が出ています。
報告された内容をどのように評価する?
今回報告された内容について、どのように評価したらいいのでしょうか?
中路先生
3回目の接種が進んでいる海外からの報告では、2回目と3回目の副反応はあまり変わらないとされています。もちろん、人種や個人の免疫反応は異なる場合が考えられるので一概には言えませんが、そのほとんどが経過観察、解熱鎮痛剤での対応が可能です。現状のオミクロン株の流行を阻止する意味でも、速やかな3回目のワクチン接種は推奨されると考えられます。
3回目接種の対象は?
改めて、3回目のワクチン接種の対象者について教えてください。
中路先生
3回目のワクチン接種は、2回目接種を完了した日から原則8か月以上経過した18歳以上が受けることができます。接種間隔については、政府は医療従事者や重症化リスクの高い高齢者施設の入所者などについては2か月前倒しして、6か月に短縮するとしています。また、2月以降には一般の高齢者については接種間隔を7か月に短縮する方針を示しています。
まとめ
今回のニュースでファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンによる3回目のワクチン接種後、4割の人に37.5度以上の発熱がみられたことが明らかになりました。厚生労働省の専門部会は「3回目接種の副反応について今後も情報を集めていく」としていて、今後も副反応の情報には注目が集まりそうです。