【新型コロナウイルスワクチン】3回目接種で死亡率90%低下、イスラエルの研究者らが発表

公開日:2021/12/27

イスラエルの研究者らがファイザー社製ワクチンの3回目の追加接種の効果を検証したところ、「追加接種を受けた人は受けなかった人に比べて新型コロナウイルスによる死亡率が90%低かった」との研究結果を発表しました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

今回報告された内容とは?

まず、今回報告された内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回の研究結果は、イスラエルの研究者らによって発表されたものです。今年8月の研究開始時、50歳以上で5カ月以上前にファイザー社製ワクチンの2回目接種を完了した84万3208人を対象におこなわれました。

期間は8月6日~9月29日の54日間で、研究期間中にファイザー社製ワクチンの3回目接種を受けた75万8118人のグループと、追加接種を受けなかった8万5090人のグループを比較したものになります。研究の結果ですが、新型コロナウイルスによる死亡者数は3回目接種したグループで65人、つまり1日単位に換算すると10万人あたり0.16人となりました。

一方で追加接種していないグループでは137人と、1日単位では10万人あたり2.98人でした。この数字の違いについて報告では患者の背景、社会的因子、併存疾患を調整後の解析で、3回目接種したグループでは追加接種していないグループに比べて新型コロナウイルスによる死亡率が90%低かったとしています。

報告された内容をどのように評価する?

今回報告された内容について、どのように評価したらいいのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

今回の研究では観察期間が54日と短く、その点ではエビデンスレベルは劣ると考えられますが、この観察期間において当該地域の新型コロナウイルスの感染は拡大しており、多くのサンプルがあることから3回目接種と低い死亡率との有意な関連を示すには十分であると考えられます。また、今後さらなる長期の観察により、追加接種の有効性と安全性を検証する必要があると思われます。

イスラエルのワクチン接種の動向は?

イスラエルのワクチン接種の最新動向について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

イスラエルでは、今後4回目のワクチン接種が始まる可能性があります。今年8月から3回目のワクチン接種を開始していて、すでに417万人が3回目接種を終えています。これは人口のおよそ44%にあたります。

しかし、オミクロン株の感染拡大に伴って感染者数は再び増加していていることから、医師などで組織された政府の専門家委員会は「60歳以上の人たちや医療従事者に4回目の接種を始めるべきだ」という提言を出しています。これに対してイスラエルのベネット首相は、提言を支持して近く接種を始める考えを示しています。

まとめ

イスラエルの研究者らがファイザー社製ワクチンの3回目の追加接種の効果を検証したところ、追加接種を受けた人は受けなかった人に比べて新型コロナウイルスによる死亡率が90%低かったとの研究結果が出たことが明らかになりました。イスラエルでは4回目の追加接種も始まる可能性があり、今後、日本がどのような接種体制をとるのかについても注目が集まりそうです。