【例外接種開始】モデルナ社製ワクチン、ファイザー社製ワクチンとほぼ同等の効果・副反応か!?
アメリカのモデルナ社が開発した新型コロナウイルスワクチンは、国内で先行的に接種が進んでいるファイザー社製のワクチンと近い特徴を持ちます。厚生労働省は、モデルナ社製ワクチンを日本人が接種したときの副反応の発生頻度を見るために、例外接種による調査を実施。今回は、モデルナ社製ワクチンの詳細と例外接種について中島先生にお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
目次 -INDEX-
今回の発表の詳細は?
モデルナ社製ワクチンの接種回数や効果について詳しく教えください。
中島先生
モデルナ社製ワクチンは、遺伝物質のメッセンジャーRNAを主成分とする新型コロナウイルスワクチンで、アメリカのファイザー社が開発したワクチンと近い特徴を持ちます。接種の対象者は18歳以上で、原則4週間以上の期間を空けて合計2回接種します。新型コロナウイルス感染症を防ぐ効果は94%で、ファイザー社製ワクチンの95%とほぼ同等の結果となっています。
国内の臨床試験でも、ウイルスを攻撃する免疫物質の中和交替が増加したことを確認できており、新型コロナウイルス感染症への一定の効果が認められています。
モデルナ社製ワクチンの副反応は?
モデルナ社製ワクチンの副反応について詳しく教えください。
中島先生
モデルナ社製ワクチンの添付文書によると、副反応の種類と頻度は2回目の接種後に腕の痛みが88%、疲労が65%、38度以上の発熱が15%です。一方、ファイザー社製は腕の痛みが72%、疲労が55%、38度以上の発熱が13%とモデルナ製ワクチンの方が副反応の頻度が若干多くなっています。
アナフィラキシーの発生頻度は、アメリカでは100万回あたり2.5件で、ファイザー製の4.7件と大きな違いはありません。
厚生労働省は、モデルナ社製ワクチンを日本人に接種した際の副反応の発生頻度を調べるために、5月23日から自衛隊や民間の看護師などに対する例外接種を開始し、健康調査を実施する予定です。今後、段階的に接種対象者を増やし、合計1万5000人への例外接種を目指すとのことです。
まとめ
モデルナ社製ワクチンは、ファイザー社製ワクチンと同じような特徴を持ちます。副反応の発生頻度はファイザー社製ワクチンよりも若干高い一方で、アナフィラキシーの発生頻度にはほとんど差がありません。現在、モデルナ社製ワクチンを日本人が接種した際の副反応の発生頻度を調査中ですが、調査で大きな問題がないことがわかれば、モデルナ社製ワクチンもファイザー社製ワクチンと同じく広く使用されるようになるでしょう。