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腹部の超音波検査の目的や費用相場、メリット・デメリットを徹底解説

公開日:2022/07/15  更新日:2022/07/14
腹部の超音波検査の目的や費用相場、メリット・デメリットを徹底解説

放射線の被ばくや痛みの心配がなく、様々な臓器を調べることができる「超音波検査」。最近では、機械の精度が向上し、全身を幅広く調べることができるようになったそうです。腹部の検査というと、胃カメラなどの身体的負担が生じる検査をイメージする人もいらっしゃるかもしれませんが、超音波検査でも腹部の様々な臓器を調べることが可能です。そこで今回は、腹部の超音波検査で分かることや費用の相場などについて、「おつじ内科クリニック」の尾辻先生にお話を伺いました。

尾辻 健太郎

監修医師
尾辻 健太郎(おつじ内科クリニック)

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岐阜大学医学部医学科卒業。その後、岐阜大学医学部附属病院第一内科、岐阜市民病院第二内科勤務、市立長浜病院消化器内科副医長、JA岐阜厚生連中濃厚生病院肝臓内科部長を務める。2020年、岐阜県関市に「おつじ内科クリニック」を開院。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本超音波医学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。

超音波検査とは

超音波検査とは

編集部編集部

まず、超音波検査について教えてください。

尾辻 健太郎先生尾辻先生

超音波検査とは、その名の通り超音波を体の一部に当て、反射波(エコー)から臓器などの状態を画像として調べることができる検査です。超音波とは、人の耳では聴くことができない高い周波数の音波のことです。超音波を特定の部位に当てて跳ね返ってくる反射波を超音波診断装置が分析することで、調べたい部位をリアルタイムで観察することができます。

編集部編集部

超音波検査では、どんな部位を調べることができるのですか?

尾辻 健太郎先生尾辻先生

一般的に、腹部の超音波検査で調べることができるのは、肝臓、膵臓、胆のう、胆管、腎臓、脾臓などです。また、現在では機械の性能が向上し、従来では観察が難しいと言われていた胃や大腸、小腸なども観察できるようになりました。そのほかにも血管や甲状腺、筋肉などの体の表面にある臓器から、内臓まで全身の様々な部位を調べることができます。

編集部編集部

超音波検査では、放射線被ばくの心配はありませんか?

尾辻 健太郎先生尾辻先生

超音波検査では、レントゲン撮影やCT検査のようにX線を使用しないため、放射線被ばくの心配はありません。また、検査時に痛みが伴うということもないため、患者さんへの身体的・精神的負担が少ない検査と言えます。

編集部編集部

超音波検査のメリットとデメリットについて教えてください。

尾辻 健太郎先生尾辻先生

メリットとしては、患者さんへの負担が少なく、気軽におこなえる点ではないでしょうか。また、簡易におこなえるだけでなく、広い範囲の部位を観察できることも特徴です。一方のデメリットとしては、状況によってはよく観察できないことがある点です。例えば、食後間もない時間や便秘などの場合には、本来見える部分が十分に観察できないことがあります。ほかにも、超音波検査では内部や周囲に空気が存在する臓器は見えにくいため、肺は見えず、膵臓などの臓器は詳しく調べられないこともあります。このような場合には、ほかの検査をおこなうことで対応できることが多いですね。しかし、こうしたデメリットも機器の性能が向上していることで徐々に少なくなっています。デメリットが少ないといった点も超音波検査の特徴と言えるでしょう。

腹部の超音波検査で分かること

腹部の超音波検査で分かること

編集部編集部

腹部の超音波検査では、どんなことを調べるのですか?

尾辻 健太郎先生尾辻先生

一般的には、肝臓や膵臓、腎臓、脾臓に腫瘍や炎症があるか、胆のうに胆石があるかなどを調べます。また、臓器の血流障害の有無や消化管の炎症の有無などを調べることもできます。

編集部編集部

腹部の超音波検査では、どんな病気の診断ができるのでしょうか?

尾辻 健太郎先生尾辻先生

肝臓では、肝臓がんや良性の腫瘍(血管腫など)の有無などを診断することができます。また、膵臓では膵臓がんや慢性膵炎、胆のうでは胆石や胆のうポリープ、腎臓では腎臓結石や腎臓がんなどを診断することも可能です。毎年受診することで、生活習慣から起こり得る脂肪肝などの所見の変化を観察することもできます。そのほかにも、腹痛の原因になることが多い胆のう炎や総胆管結石、虫垂炎(盲腸)、腸閉塞、急性膵炎などの病気を調べることもあります。

編集部編集部

腹部の超音波検査はどのようにしておこなうのですか?

尾辻 健太郎先生尾辻先生

まず、検査台の上に仰向けになり、お腹を出していただきます。検査をする部位にゼリーを塗って、探触子(プローブ)を腹部に押し当て、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器の様子を観察していきます。検査部位によっては横向きや座位になっていただきます。検査時間は10分程度です。

検査の目安と費用相場

検査の目安と費用相場

編集部編集部

腹部の超音波検査の費用の相場を教えてください。

尾辻 健太郎先生尾辻先生

症状がある場合には保険適用となりますが、費用は患者さんの保険負担割合によっても異なります。具体的には3割負担で1500円程度、1割負担の場合には500円程度、それとは別に診察料がかかります。また、先述した血流の検査などをおこなうと別料金がかかることがあるほか、薬の処方がある場合にはその分の費用も発生します。

編集部編集部

腹部の超音波検査は、どんな症状がある場合に実施されるのでしょうか?

尾辻 健太郎先生尾辻先生

主に、お腹の痛みや不快感、食欲低下などを訴える患者さんに対して腹部超音波検査をおこないます。また、腹部症状を訴える場合だけでなく、健康診断で肝機能や腎機能などの数値を指摘された場合にも超音波検査をおこなうことがあります。また、慢性膵炎や慢性肝炎、脂肪肝、胆のうにポリープがある場合などは、経過をみるために定期的に超音波検査をすることもあるでしょう。

編集部編集部

検査時の注意点などがあれば教えてください。

尾辻 健太郎先生尾辻先生

とくにありません。超音波検査では、検査前に大きな注意点がないことが、メリットの1つと言えるでしょう。しかし、より正確な診断をおこなうためには、絶食した状態で検査を受けていただく必要があります。普段から内服している薬があるという場合には、内服のタイミングなどを事前に医師へ確認してください。また、膀胱や前立腺、子宮、卵巣などの超音波検査の際には、排尿してしまうと膀胱が小さくなってしまうほか、膀胱の後方にある前立腺などもよく観察できないため、検査前のトイレは我慢していただきます。いずれの場合にも、検査前に医療スタッフから指示がありますので、その通りにしていただければ問題ありません。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

尾辻 健太郎先生尾辻先生

超音波検査は簡便におこなえるだけでなく、放射線被ばくなどの心配や痛みもない検査です。また、最近では機械の性能がかなり向上しており、鮮明な画像が確認できるようになったことから、様々な病気の拾い上げにも効果的です。生活習慣病からくる脂肪肝の経過を確認するうえでも有効な検査方法の1つと言えるでしょう。お腹の症状でお悩みの場合や脂肪肝などの経過が気になるという場合には、一度腹部超音波検査を受けてみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

腹部の超音波検査では、肝臓や腎臓、膵臓、胆のう、脾臓など多くの臓器を調べることができるとのことでした。また、病気の診断だけでなく、少ない負担で脂肪肝や臓器の血流などを調べることができることも嬉しいポイントです。費用相場は、3割負担の場合には1500円程度、1割負担で500円程度とのことでした。しかし、診察代が加算されるほか、別の検査や薬の処方がある場合には追加費用が発生します。また、症状や病名によっても費用が異なる場合があるため、一律ではありません。いずれの場合にも、腹部の超音波検査は気軽におこなえるので、負担の少ない検査と言えるでしょう。腹部症状でお悩みの場合や健康診断で指摘を受けた場合には、一度医療機関で相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

おつじ内科クリニック

おつじ内科クリニック
所在地 〒501-3217 岐阜県関市下有知5226-1
アクセス 長良川鉄道「関下有知駅」 徒歩8分
長良川鉄道「関市役所前駅」 徒歩8分
診療科目 内科、消化器内科、肛門内科