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しもやけ対策はどうすればいい? 市販薬の選び方は?

 更新日:2023/03/27
しもやけ対策はどうすればいい? 市販薬の選び方は?

気温が下がり、冬になると乾燥と共にしもやけが気になります。しかし、しもやけの本番は冬の終わりから春先にかけてだと言われています。そのため、しもやけの対策は今後もしていく必要があります。いったい、どのような対策が必要なのか。薬剤師の竹内さんを取材しました。

竹内 優人さん

監修
竹内 優人(薬剤師)

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大学卒業後、中規模の総合病院に勤務。緩和ケアに興味を持ち、終末期ケア専門士の資格を取得。現在はフリーランスの薬剤師として薬局やメディカルライティングを中心に活動。今後は学生に向けて薬剤師について発信していきたいと活動中。

冬から春にかけてしもやけに注意が必要

冬から春にかけてしもやけに注意が必要

編集部編集部

しもやけについて詳しく教えてください。

竹内 優人さん竹内さん

しもやけは凍瘡(とうそう)とも呼ばれる血行障害です。症状は手や足などの末端部分に現れ、赤くなったり腫れたりすることがあります。痒みを伴うことが多く、押すと痛みを感じることもあります。

編集部編集部

主な原因はなんですか?

竹内 優人さん竹内さん

原因として「温度差」が挙げられます。人は気温が低いと血管を収縮させ、気温が高くなると血管を拡張させます。冬の外に出て寒さを感じ、室内で暖かさを感じる、この繰り返しによって血管の収縮と拡張を繰り返して血液の循環障害が発生します。特に手や足などではこのコントロールが難しいため、結果として「しもやけ」という症状が出てしまいます。1日の気温差が10℃以上あると起こりやすく、秋から冬や冬から春への季節の変わり目など寒暖差のある季節には注意が必要です。

編集部編集部

一般的に気をつける事はありますか?

竹内 優人さん竹内さん

外に出る時の防寒をしっかりすることが大切です。手袋やカイロなどを使うのも有効です。また、冷え切った手を急激に温めると、しもやけの悪化に繋がる可能性があります。ゆっくり温めるようにしてください。

しもやけの対処方法

しもやけの対処方法

編集部編集部

しもやけの治療薬はどのようなものがありますか?

竹内 優人さん竹内さん

大きく分けて2種類のタイプの薬があります。ビタミンEやヘパリン類似物質含有の血流を良くしてくれるタイプ抗ヒスタミンやステロイド含有の腫れやかゆみを抑えてくれるタイプになります。基本的には塗り薬が一般的ですが、漢方薬などの飲み薬もあります。飲み薬は症状がある時に飲むというよりは体質改善に近いイメージになりますので、しもやけの症状がある場合は、塗り薬を使用する方が良いと思います。

編集部編集部

どっちの薬を選べばいいですか?

竹内 優人さん竹内さん

前述しましたが、しもやけは血行障害であるため、迷ったら血液の流れをよくするタイプの薬を選ぶと良いと思います。また、ヘパリン類似物質含有の薬は保湿にも効果があったりするので、あかぎれなどの予防にもなります。もう一方の抗ヒスタミンの薬は、痒みを抑える作用があります。ステロイド含有の薬には炎症を抑える作用があります。しもやけによって痒みが強かったり、腫れがひどかったりする時に使うと良いでしょう。

編集部編集部

剤形は種類がありますか?

竹内 優人さん竹内さん

塗り薬と飲み薬があります。基本的には塗り薬で対処するのが効果的であると思いますが、体質的にしもやけになりやすいという方は、定期的に飲み薬を使うと体質改善に繋がります。

市販薬の注意点

市販薬の注意点

編集部編集部

市販薬でも種類が豊富ですが選び方はありますか?

竹内 優人さん竹内さん

飲み薬を使いたいという方は、ビタミンE製剤もしくは漢方の「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)」などが飲み薬として販売されています。また、ビタミンEを含むサプリメントの使用もいいかもしれません。しかし、ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、水溶性のビタミンと比べて体内に蓄積しやすいので、過剰摂取には注意が必要です。

編集部編集部

塗り薬の選び方についても教えてください。

竹内 優人さん竹内さん

塗り薬も同様にビタミンE含有の塗り薬は血液循環をよくする働きがあります。ヘパリン類似物質含有の製剤は、血液循環の改善に加え、保湿効果にも期待できます。ベタつきにくいのも使いやすいポイントです。塗り薬の場合は、製品によって使用感が違うので、自分の好みの製品を選んでもいいかと思います。

編集部編集部

ステロイド含有の薬についてはどうでしょう?

竹内 優人さん竹内さん

ステロイドには多くの作用があり、ステロイドの中でも強さがあります。そのため、しもやけに対して適応がないものもあるため、購入する際には適応の項目の確認が必要です。抗炎症作用があり、腫れや痒みといったアレルギー症状にも効果があるものを選びましょう。しかし、あかぎれや切り傷などがある場合、ステロイドによって感染の可能性もあるため、使用を控える方が良いと思います。症状がひどい場合は、皮膚科などを受診し、専門医に診てもらう方がいいでしょう。

編集部編集部

病院で処方される薬との違いはありますか?

竹内 優人さん竹内さん

病院で医師により処方される薬もビタミンE製剤やヘパリン類似物質製剤などがよく処方されます。そのため、大きな違いはないと思います。しかし、症状が強い場合は、ステロイド含有製剤や抗血小板薬といった血液をサラサラにする作用のある薬を使用することがあります。病院で処方される薬と市販薬は大きな違いはありませんが、症状の度合いによっては使用する薬も変わるということです。

編集部まとめ

しもやけは寒暖差による、血行障害です。防寒や保湿などで予防対策ができます。しもやけの症状がある際は、ビタミンEやヘパリン類似物質などの血液循環をよくする薬によって対処することができます。腫れや痒みを伴う場合は、ステロイドや抗ヒスタミン含有の薬が効果的。しかし、適応をしっかり確認して購入することが必要です。

この記事の監修薬剤師