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加齢のせいだと諦めてない? 膝の関節痛を引き起こす「意外な原因」と痛みを和らげる方法

 公開日:2026/05/15
加齢のせいだと諦めてない? 膝の関節痛を引き起こす「意外な原因」と痛みを和らげる方法

膝の関節痛は、年齢を重ねた方だけでなく、運動をしている方や日常生活を送るなかで、誰にでも起こりえる身近な症状です。歩き始めや立ち上がるときに痛む、階段の上り下りがつらい、正座がしにくいなど、痛みの現れ方はさまざまです。一方で、膝の関節痛の背景には、変形性膝関節症や関節リウマチ、痛風などの病気が隠れていることもあります。また、加齢や使いすぎ、体重の増加、姿勢や動作の癖など、病気以外の要因が関係している場合もあります。膝の痛みをそのままにしていると、動く機会が減り、生活の質が低下することにつながります。

この記事では、膝の関節痛が起こる主な原因や病気ごとの特徴、痛みが出たときの考え方や対応を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター

膝の関節痛の原因

膝の関節痛の原因

膝の関節に痛みが生じる病気にはどのようなものがありますか?

膝の関節に痛みが生じる病気には、いくつかの種類があります。代表的なものが変形性膝関節症で、加齢や関節への負担の積み重ねにより軟骨がすり減り、痛みが出ます。関節リウマチは免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気で、膝だけでなく複数の関節に症状がみられることがあります。また、痛風や偽痛風といった結晶性関節炎は、関節内に結晶が沈着し、膝に急な痛みが生じます。このほか、細菌感染によって関節に炎症が起こる化膿性関節炎や、半月板損傷靱帯損傷などの外傷も、膝の関節痛の原因です。

病気以外で膝の関節が痛くなることはありますか?

膝の関節痛は、必ずしも病気が原因とは限りません。長時間の立ち仕事や歩行、階段の上り下りが続くと、関節や周囲の筋肉に負担がかかり、痛みが出ることがあります。運動不足によって太ももの筋力が低下すると、膝関節を支える力が弱まり、日常動作でも違和感が生じやすくなります。体重の増加も膝への負担につながります。膝は身体を支える関節のため、体重が増えるほど関節にかかる力が大きくなります。また、靴の影響や歩き方、姿勢の癖によって膝に偏った力が加わり、痛みを感じる場合もあります。冷えによって血流が低下すると、関節周囲がこわばり、痛みを感じやすくなることもあります。

原因や病気ごとに痛みや症状の特徴を教えてください

変形性膝関節症は、歩き始めや立ち上がる際に痛みが出やすく、動いているうちに和らぐ傾向があります。正座や階段の上り下りがつらくなり、膝に水がたまる場合もあります。関節リウマチは、左右の膝に同時に痛みや腫れが現れ、朝起きたときのこわばりが長く続く点が特徴です。痛風偽痛風は、ある日突然、膝に強い痛みと腫れが出現し、熱感を伴います。化膿性関節炎は、膝の強い腫れや激しい痛みに加え、発熱を伴うことがあり、短期間で症状が悪化します。一方、使いすぎや筋力低下による膝の痛みは、休息をとることで和らぎやすく、負担のかかる動作を控えると落ち着く傾向がみられます。

膝に関節痛が生じたときの対処法

膝に関節痛が生じたときの対処法

急に膝が痛くなったときはどうすればよいですか?

急に膝の関節痛が生じたときは、無理に動かさず、まず膝への負担を減らします。歩いたり立ち上がったりすることがつらい場合は、椅子や手すりを使い、転ばないようにゆっくり動きます。腫れや熱感があるときは、タオルで包んだ保冷材などで短時間冷やすと、痛みが和らぐことがあります。一方、腫れや熱感がなく、動かすとこわばりを感じる場合は、痛みが出ない範囲で膝を軽く曲げ伸ばしします。階段やしゃがむ動作は控え、膝に負担がかからない過ごし方を意識しましょう。

慢性的な膝の関節痛が生じている場合の受診の目安を教えてください

膝の関節痛が数日から数週間続き、歩く距離が短くなったり階段の上り下りがつらくなったりするなど日常生活に影響が出ている場合や、腫れや動かしにくさ、引っかかる感覚、安静にしていても続く痛みがみられる場合、さらに手指などほかの関節にも痛みやこわばりが広がっている場合は、経過や困っている点を整理して医療機関に相談しましょう。

膝の関節痛で受診する場合の診療科目を教えてください

膝の関節痛で最初に相談しやすい診療科は整形外科です。整形外科は、関節や骨、筋肉の状態を踏まえながら、膝の痛みの原因を総合的に考えます。一方で、関節の腫れやこわばりが続き、膝以外の関節にも症状がみられる場合には、内科リウマチ科(膠原病科)が関わることもあります。かかりつけの医療機関がある場合は、まず相談し、必要に応じて専門的な診療科につないでもらうとよいでしょう。

膝の関節痛の病院での検査と治療、セルフケア

膝の関節痛の病院での検査と治療、セルフケア

膝の関節痛で受診した場合、病院ではどのような検査を行いますか?

医療機関では、まず痛みの出方や経過、日常生活で困っている動作を確認し、膝の腫れや熱感、動かしたときの痛み、関節の動く範囲を診察します。検査としてはレントゲンで関節の変形や隙間の幅を確認し、必要に応じて超音波検査MRI検査で半月板や靱帯、関節内の状態を調べます。腫れが強い場合には血液検査を行い、炎症や痛風、関節リウマチなどの可能性を検討します。

膝の関節痛の治療法を教えてください

膝の関節痛の治療は、原因や症状の強さに応じて進められ、まずは保存的治療が行われることが多くあります。保存的治療は、痛みを和らげる薬の使用や膝への負担を減らす生活動作の見直し、太ももの筋肉を鍛えて関節を支える力を高める運動療法が中心です。炎症が強い場合には、症状を落ち着かせる対応が加えられることもあり、これらの保存的治療で十分に改善しない場合や日常生活への影響が大きい場合に、手術による治療を検討します。

膝の関節痛による日常生活で生じる痛みへの対処法を教えてください

日常生活において、膝にかかる負担をできるだけ減らす意識が大切です。長時間立ち続けたり、同じ動作を繰り返したりすることは避け、こまめに休憩を取ります。階段を上り下りするときは手すりを使い、膝に強い衝撃がかからないよう動作をゆっくり行います。体重の増加は膝への負担につながるため、無理のない範囲で体重を整えることも、日常生活で意識したい点の一つです。また、冷えを感じるときは膝を温め、関節周囲の血流を保つよう心がけます。痛みが落ち着いている時期には、軽い体操やストレッチを取り入れて、関節の動きや筋力を保つようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ
膝の関節痛は、変形性膝関節症や関節リウマチ、痛風などの病気だけでなく、使いすぎや筋力低下、体重増加、動作の癖といった日常的な要因でも起こります。痛みの出方や続く期間、腫れや熱感の有無によって、背景にある原因は異なります。歩き始めに痛むのか、安静時にも続くのかなど、ご自身の症状を振り返ることが対応を考える手がかりになります。

急な痛みが出たときは無理を避け、慢性的に続く場合や生活に支障がある場合は、医療機関での相談を検討します。検査や治療は、痛みを和らげる対応に加えて、膝への負担を減らす工夫や運動療法が組み合わされます。日常生活でも、休息の取り方や体重管理、動作の工夫を意識することで、膝の痛みと向き合いやすくなります。痛みを我慢しすぎず、早めに医療機関へ相談することで、日常生活への影響を抑えていきましょう。

この記事の監修医師