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「全身性エリテマトーデス」を発症すると「皮膚」にどんな症状が現れるかご存知ですか?

 公開日:2026/05/12
「全身性エリテマトーデス」を発症すると「皮膚」にどんな症状が現れるかご存知ですか?

顔の赤みや発疹、日光で悪化する皮膚トラブルは、単なる肌荒れではなく、全身の病気が関係していることがあります。全身性エリテマトーデスは、免疫の異常によって全身に炎症が起こる疾患であり、皮膚症状が初期のサインとして現れることも少なくありません。
特に蝶形紅斑や光線過敏などは特徴的な所見として知られていますが、見た目だけで判断することは難しく、ほかの症状とあわせて考えることが重要です。皮膚の変化は身体の状態を映す手がかりになるため、早い段階で気付くことが診断や治療につながります。
この記事では、全身性エリテマトーデスでみられる皮膚症状の特徴や原因、治療、日常生活での注意点について解説します。

副島 裕太郎

監修医師
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)

プロフィールをもっと見る
2011年佐賀大学医学部医学科卒業。2021年横浜市立大学大学院医学研究科修了。リウマチ・膠原病および感染症の診療・研究に従事している。

【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)

診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科

全身性エリテマトーデス|皮膚症状の特徴

全身性エリテマトーデス|皮膚症状の特徴

全身性エリテマトーデスではどのような皮膚症状がみられますか?

全身性エリテマトーデスでは、さまざまな皮膚症状がみられます。代表的なものとしては、顔に出る蝶形紅斑、円板状皮疹、日光で悪化する皮膚の赤みなどがあります。

これらの症状は、病気の活動性と関連して出現したり、悪化したりすることがあり、身体の状態を反映するサインの一つと考えられています。また、脱毛や口内炎、皮膚の色素変化などがみられることもあります。

皮膚症状は早い段階から現れることがあり、診断のきっかけになることも少なくありません。見た目の変化に加えて、関節痛や発熱、だるさなどの全身症状がある場合には、全身性疾患としての評価を行います。

蝶形紅斑とはどのような症状ですか?

蝶形紅斑は、頬から鼻にかけて左右対称に広がる赤い発疹で、蝶が羽を広げたような形に見えるのが特徴です。鼻の付け根を中心に、両側の頬へと広がるように現れます。

かゆみや痛みは伴わないことが多く、盛り上がりも強くないため、軽い赤みとして見過ごされることもあります。一方で、日光に当たることで悪化しやすく、紫外線との関連が深い皮膚症状として知られています。

メイクで隠れる程度であっても、繰り返し出る場合やほかの症状を伴う場合には、背景に全身性の病気がないかを確認することが大切です。

円板状皮疹について教えてください

円板状皮疹は、境界がはっきりした円形の赤い発疹で、やや盛り上がりがあり、表面にかさぶたや皮膚の表面がポロポロとはがれる状態(鱗屑;りんせつ)を伴うことがあります。時間が経つと中心部分が白っぽくなり、瘢痕や色素沈着を残すことがあります。
これらは顔や頭皮に出ることが多く、頭皮に生じた場合には脱毛を伴うこともあります。発疹が治まった後も跡が残ることがあるため、見た目の変化として気付きやすい症状の一つです。
一見すると湿疹や皮膚炎に見えることもありますが、慢性的に続く場合や再発を繰り返す場合には、全身性エリテマトーデスとの関連を含めて評価されます。

光線過敏とはどのような症状ですか?

光線過敏とは、日光に当たることで皮膚に赤みや発疹が出やすくなる状態を指します。顔や首、手の甲など、紫外線を浴びやすい部位に症状が現れやすいのが特徴です。
通常の日焼けよりも反応が強く、短時間の外出でも赤みや炎症が出ることがあります。場合によっては水ぶくれやかゆみ、痛みを伴うこともあります。
また、皮膚症状だけでなく、日光を浴びた後にだるさや発熱などの全身症状が出ることもあります。日常生活のなかで紫外線対策を行うことが重要であり、症状が続く場合には医療機関での評価が必要です。

全身性エリテマトーデスで皮膚症状が起こる理由

全身性エリテマトーデスで皮膚症状が起こる理由

なぜ全身性エリテマトーデスで皮膚症状が現れるのですか?

全身性エリテマトーデスでは、免疫の異常によって自分の身体の成分に対する抗体が作られ、炎症が引き起こされます。そのなかでも皮膚は外部からの刺激を受けやすい臓器であり、免疫反応の影響が現れやすい部位の一つです。

皮膚では、自己抗体と抗原が結合した免疫複合体が沈着し、それに伴って炎症が生じます。この炎症が、赤みや発疹、色素変化といった見た目の変化として現れます。
また、皮膚は紫外線などの外的要因の影響も受けやすいため、身体の中の異常と外からの刺激が重なることで、症状が出やすくなると考えられています。

紫外線は皮膚症状を悪化させますか?

紫外線は、全身性エリテマトーデスの皮膚症状を悪化させる要因の一つです。紫外線を浴びることで皮膚の細胞がダメージを受け、その過程で自己抗原が表面に現れやすくなります。

その結果、免疫系がそれらを異物と認識し、炎症反応が強まることで発疹や赤みが悪化します。蝶形紅斑や光線過敏の症状が日光曝露後に強くなるのは、このような仕組みが関係しています。

日常生活のなかでも、屋外だけでなく窓越しの紫外線などの影響を受けることがあるため、帽子や日焼け止めなどによる対策が重要です。

皮膚の症状は全身性エリテマトーデスの重症度と関係がありますか?

皮膚症状は、全身性エリテマトーデスの活動性を反映することがあり、病状の変化を知る手がかりの一つです。発疹が新たに出現したり悪化したりする場合、身体の中の炎症が強まっている可能性があります。
ただし、皮膚症状の強さがそのまま全身の重症度と一致するとは限りません。皮膚症状が軽くても、腎臓や中枢神経など重要な臓器に病変が及んでいるケースもあります。
そのため、皮膚の変化だけで判断するのではなく、血液検査や臓器の評価を含めて総合的に状態を把握することが重要です。皮膚症状はあくまで全身状態を示す一つのサインとしてとらえます。

全身性エリテマトーデスで皮膚症状が現れたときの対処法と治療法

全身性エリテマトーデスで皮膚症状が現れたときの対処法と治療法

全身性エリテマトーデスの皮膚症状はどのように治療しますか?

皮膚症状の治療は、症状の程度や広がりに応じて選択されます。軽い発疹であれば、まずは外用薬が基本となり、ステロイド外用薬などが用いられます。炎症を抑えることで、赤みや発疹の改善を目指します。

症状が広範囲に及ぶ場合や外用薬だけでは十分な効果が得られない場合には、内服薬による治療が検討されます。代表的なものとしては、ステロイド内服や免疫抑制薬、ヒドロキシクロロキンなどがあります。

また、皮膚症状は全身の病状と連動していることがあるため、皮膚だけでなく全身状態を考慮して治療を調整します。

日常生活で気を付けることを教えてください

日常生活では、皮膚への刺激をできるだけ避けることが大切です。強くこする、乾燥した状態を放置する、合わない化粧品を使うといったことは、症状の悪化につながることがあります。

また、過度な疲労やストレスも病状に影響することがあるため、無理をしすぎない生活を意識することが重要です。十分な休養をとり、体調の変化に気付きやすい環境を整えるようにしましょう。

さらに、感染症も病状を悪化させる要因となるため、体調管理や基本的な感染対策も日常生活のなかで意識しておくとよいでしょう。

紫外線対策はどのように行えばよいですか?

紫外線対策は、全身性エリテマトーデスの皮膚症状をコントロールするうえで重要なポイントの一つです。外出時には日焼け止めを使用し、帽子や長袖の衣類などで皮膚を直接紫外線から守ることが基本です。

日焼け止めは、SPFやPAの表示を参考にしながら、こまめに塗り直しましょう。汗や摩擦で落ちやすいため、外出時間が長い場合は意識的に再度塗布します。
また、紫外線は屋外だけでなく、窓越しにも入り込むため、室内であっても長時間日光に当たる環境では対策を行うことが望ましいです。これらの対策を日常生活に無理なく取り入れていくようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

全身性エリテマトーデスでは、蝶形紅斑や円板状皮疹、光線過敏など、特徴的な皮膚症状がみられます。これらは見た目の変化として気付きやすく、病気のサインとなることがあります。
一方で、皮膚症状の程度だけで全身の重症度を判断することは難しく、関節痛や発熱、だるさなどの全身症状や検査結果を含めて総合的に評価することが大切です。皮膚の変化はあくまで身体の状態を示す一つの手がかりと考えます。
治療は外用薬から内服薬まで症状に応じて選択され、日常生活では紫外線対策や体調管理が重要です。特に紫外線は症状を悪化させる要因となるため、日常的な対策の積み重ねがコントロールにつながります。
皮膚の異変に気付いたときには、そのまま様子を見るのではなく、変化の経過を意識しながら適切なタイミングで医療機関に相談することが、早期発見と治療につながります。

この記事の監修医師