「自律神経失調症の症状」はご存知ですか?身体面や精神面でそれぞれ解説!
公開日:2025/09/17

なんとなく身体がだるい、頭痛やめまいが続く、疲れているのに眠れない。こうした不調が続くと、日常生活にも支障をきたします。その原因の一つとして考えられるのが、自律神経失調症です。
本記事では自律神経失調症の症状について以下の点を中心にご紹介します。
- 自律神経失調症とは?
- 自律神経失調症にはどのような症状が現れる?
- 自律神経失調症の治療法と予防
自律神経失調症の症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)
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2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
目次 -INDEX-
自律神経失調症について
自律神経失調症はどのような疾患ですか?
自律神経失調症とは、自律神経のバランスが崩れ、身体のさまざまな機能が正常に働かなくなる状態の総称です。ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンの変化などが引き金となり、交感神経と副交感神経の調整がうまくいかなくなることで発症します。
また、医療機関で精査した場合、不安障害や心身症、抑うつ状態などの診断がつく場合もあります。
この疾患の特徴は、内臓や神経に明確な異常が見つからない点です。しかし、自律神経のバランスが崩れると、体調が安定せず、不調が長引くこともあります。特に、交感神経が優位になりすぎると、リラックスが難しくなり、寝つきが悪くなることもあります。
“気のせい”ではなく、明確な原因がある疾患であり、適切な対処が重要です。
自律神経のバランスを整えるために、規則正しい生活習慣やストレス管理を意識することが大切です。
自律神経失調症は何種類ありますか?
自律神経失調症には、主に以下の4つのタイプがあります。
・本態性自律神経失調症:生まれつき自律神経が乱れやすい体質の方に見られる
・神経症型自律神経失調症:精神的ストレスが主な原因となり体調が変動しやすい
・心身症型自律神経失調症:慢性的なストレスが影響し、心と身体の両方に不調が現れる
・抑うつ型自律神経失調症:うつ症状を伴い、心身症型の症状が進行した状態
どのタイプも心身のバランスが乱れることで発症します。
自律神経失調症の原因として何が考えられますか?
自律神経失調症の原因には、主に精神的ストレス、生活習慣の乱れ、環境要因、ホルモンバランスの変化、病気との関連が挙げられます。
精神的ストレスは、仕事や人間関係のプレッシャーが続くことで自律神経のバランスが崩れやすくなる要因の一つです。
また、夜更かしや不規則な勤務、慢性的な寝不足、偏った食生活などの生活習慣の乱れも生体リズムを乱し、発症のきっかけとなります。
さらに、気温の急激な変化、騒音、強い光などの環境要因も自律神経の働きを乱す要素となります。特に更年期のホルモンの減少では、自律神経の調整機能に影響を与え、ほてりやめまいなどの症状が現れることがあります。
加えて、パーキンソン病やレビー小体型認知症、うつ病などの疾患が自律神経の症状を引き起こすこともあります。
これらの要因が単独または複合的に作用することで、自律神経失調症の症状が現れると考えられています。
自律神経失調症になりやすい方の特徴を教えてください
自律神経失調症になりやすい方には、いくつかの特徴があります。
・冷え症や虚弱体質の方は自律神経の調整が苦手で、環境の変化に適応しにくい傾向がある
・真面目で几帳面な方や周りからの評価を気にしやすい方はストレスを抱え込みやすく、自律神経のバランスを崩しやすい
・夜更かしや不規則な生活を続けている方は自律神経が乱れやすく、ストレス解消が苦手な方も影響を受けやすくなる
・更年期のホルモンバランスの変化は、自律神経の不調を引き起こす原因の一つとなる
これらの要因が重なることで、自律神経失調症のリスクが高まると考えられています。
自律神経失調症の症状
自律神経失調症の身体的症状を教えてください
自律神経失調症では、さまざまな身体的症状が現れます。症状には個人差がありますが、主なものは以下のとおりです。
●頭痛・耳鳴り:自律神経の乱れによる血流の悪化が原因とされる
●動悸・息切れ:交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、心拍数の変動が起こる
●消化器系の不調:消化管の動きが不安定になり、吐き気や胃の不快感、便秘や下痢などがみられる
●手足の冷え・しびれ:血流のコントロールが乱れることで、冷えやしびれを感じる
●異常な発汗:交感神経の影響で、暑くないのに汗をかいたり、逆に汗が出にくくなる
●のどの違和感(のどの詰まり、異物感、圧迫感):特にストレスがかかる場面で症状が出やすくなる
症状が多岐にわたるため、自覚しにくいこともあります。
自律神経失調症の精神的症状を教えてください
自律神経失調症の代表的な精神的症状について説明します。
●イライラ感や不安感、ささいなことで怒る、気持ちの浮き沈みが激しくなり、情緒が不安定になる
●寝つきが悪くなる(入眠障害)、夜中に目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)、眠りが浅く十分な休息がとれない(熟眠障害)など
●仕事や勉強に集中できなくなり、本を読んでも内容が頭に入らないと感じたり、物忘れが増えたり、注意力が散漫になる
●何事にも興味や関心を持てなくなり、意欲が低下する
精神的な症状は、個人差があり、日によって変動することもあります。これらの症状が続く場合は、生活習慣の見直しや医療機関への相談を検討しましょう。
自律神経失調症と症状が似ている疾患はありますか?
自律神経失調症は、症状が多岐にわたり、特にうつ病、更年期障害、神経症、仮面うつ病は症状が似ており、注意が必要です。
うつ病では、意欲の低下や不眠、集中力の低下が見られますが、気分の落ち込みや興味の喪失が顕著である点が特徴です。
一方、更年期障害は40代〜50代の女性に多いとされ、ほてりや動悸、肩こり、気分の落ち込みなどが現れます。女性ホルモンの変動が主な原因であり、自律神経の乱れとも関連しています。
神経症には、不安が続く不安障害や、特定の行動を繰り返してしまう強迫神経症が含まれ、ストレスや精神的負担が影響します。
また、仮面うつ病は、倦怠感やめまい、食欲不振、頭痛など身体症状が前面に出るタイプのうつ病で、精神的な症状が目立ちにくいのが特徴です。
自律神経失調症の治療・予防
自律神経失調症の症状が現れたときは何科を受診すればいいですか?
自律神経失調症は、特に強く出ている症状に応じて適切な診療科を選ぶことが大切です。
頭痛や動悸、胃腸の不調が主な症状であれば内科を、肩こりや腰痛が強い場合は整形外科で診察を受けるのがよいでしょう。まずは身体的な異常がないかを確認することが重要です。
それらの検査を受けても異常が見つからず、ストレスや精神的な負担が関係していると考えられる場合は、心療内科や精神科の受診が推奨されます。
自律神経失調症の症状はほかの疾患とも似ているため、自己判断せず、まずは専門の医師に相談することが大切です。どの診療科を受診すべきか迷った場合は、かかりつけ医に相談するのも一つの方法です。
自律神経失調症の治療方法を教えてください
自律神経失調症の治療には、症状や原因に応じてさまざまな方法があります。主な治療法として以下のものが挙げられます。
【薬物療法】
症状が強い場合、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などが処方されることがあります。交感神経の過剰な働きを抑え、自律神経のバランスを整えます。
【心理療法】
カウンセリングを通じてストレスの原因を探り、適切に対処できるようサポートします。
【生活習慣の改善】
規則正しい生活を送り、十分な睡眠と適度な運動を取り入れることが重要です。
【代替療法】
アロマセラピーやヨガ、マッサージなどを活用し、リラックスすることで自律神経を整えます。
自律神経失調症を予防するためにできることはありますか?
自律神経失調症の予防方法をいくつかご紹介します。
①規則正しい生活を送る
決まった時間に起床し、朝日を浴びることでセロトニンの分泌が促され、自律神経のバランスが整いやすくなります。
②適度な運動を取り入れる
日光を浴びながらのウォーキングやヨガなど、無理なく続けられる運動を行いましょう。
③バランスの取れた食事を心がける
タンパク質やビタミンB群を含む食品を摂取し、自律神経の働きをサポートしましょう。
④ストレスを適切に発散する
趣味やリラックスできる時間を持ち、心身の負担を減らすことが重要です。
これらの点を意識しながら日々の小さな工夫を積み重ねることで、自律神経の安定につながり、健康的な生活を維持しやすくなります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
自律神経失調症は、日々の生活や環境の変化が影響しやすく、症状の出方も人それぞれ異なります。睡眠や食事、運動などの習慣を見直し、少しずつ整えていくことが予防や改善につながります。ご自身のペースで心と身体のバランスを取り戻し、健やかな日々を目指していきましょう。
編集部まとめ
ここまで自律神経失調症の症状についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。
- 自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れが原因で自律神経のバランスが崩れ、身体や精神に症状が現れる疾患であり、予防や改善には規則正しい生活習慣とストレス管理が重要
- 自律神経失調症は、頭痛や動悸、消化器の不調、睡眠障害や不安感などの症状が現れ、うつ病や更年期障害とも類似するため、正確な診断と生活習慣の改善が重要
- 自律神経失調症の治療には薬物療法や心理療法があり、予防には規則正しい生活やストレス管理が重要
自律神経失調症は、心や身体のバランスが崩れたときに誰にでも起こりうるものです。 症状に悩まされると、不安になることもあるかもしれませんが、少しずつ生活習慣を見直し、無理をせずに心と身体を整えていきましょう。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献




