「外骨症」を発症する原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
外骨症とは、顎の骨が大きく膨らんで盛り上がり瘤(こぶ)のようになってしまう症状をいいます。
突然できるものではなく少しずつ大きくなっていきますが、口の中にできるため舌にあたってしまい気になるものです。
今回は口の中に発生する外骨症についてどのような病気なのか解説していきましょう。
外骨症の特徴・治療方法・できてしまったとき気を付けるべきことなどを紹介します。口の中の外骨症が気になっている人は、参考にしてください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
外骨症とは?
外骨症とはどのような病気?
外骨症が発生する原因は?
歯ぎしりを予防するためのマウスピースなどもあるので歯科医に相談してみましょう。また遺伝的なものも関係しているので両親などに外骨症がある人は発症しやすいと考えられます。
外骨症にかかるとどのような生活上の支障がありますか。
外科的処置とは骨隆起を除去する手術ですが、さほど大きくないものなら局所麻酔で約20分ほどの手術のため、外来での手術も可能です。その他の生活上の支障としては、隆起部分の粘膜は薄くなっているために傷つきやすく、その傷は潰瘍になりやすいという点が挙げられます。潰瘍が酷くなる場合や、骨の隆起が目に見えて大きくなったという場合は早めに医師に相談してください。
外骨症と腫瘍の違いを教えてください。
口腔内の突起は外骨症と呼ばれ、非腫瘍性疾患とされて腫瘍と区別されています。外骨症の場合は骨のような硬さが特徴の1つです。触ってみて骨状ではなく柔らかい場合や表面に潰瘍ができている場合には歯科医の診断を仰いでください。
外骨症の診断と治療
外骨症の診断の基準は?
痛みもなく特に問題が無い場合はそのまま様子見となることも多いのが外骨症なのです。ただし、隆起したしこりが急激に大きくなったり、潰瘍のように柔らかくなったりした場合には違う病気が潜んでいることも考えて早急に受診してください。
治療の方法は?
隆起が小さい場合は局所麻酔で除去することも可能です。外骨症では治療が不要なことが多いのですが、外骨症が原因となってその隆起部分に義歯があたることで痛みがひどくストレスになる場合もあります。また、歯ブラシが薄くなった粘膜を傷つけてしまい口内炎が治りにくいなどの症状に対しては、痛みをやわらげる治療が行われます。
外骨症を放置するとどうなりますか?
また、まれに外骨症によって顔の形が変形するほど隆起が大きくなってしまった例もあるので、受診して様子をみるようにしましょう。矯正や義歯装着が難しくなる場合には、隆起を切除する必要もあります。心配のない疾病だとしてもやはり放置せずに数か月に1度はメンテナンスを兼ねて受診すると安心です。
外骨症を根治するにはどうすればよいですか?
骨隆起が大きくなり、歯磨きが難しくなったり義歯がはめにくくなったりしたときには、除去するとよいでしょう。外骨症そのものは様子見であっても、その間はメンテナンスを兼ねて口腔内のチェックを行うことが大切です。
どうしても必要と思われる場合は手術で除去となりますが、手術は局所麻酔で行われることが多く、短時間で終了するのでさほど怖れることはありません。
外骨症で気を付けること
外骨症を予防する方法はありますか。
定期的なクリーニングなどで口腔内の状態をチェックすることも大切です。そして必要ならば除去手術を受けて、いつも口腔内をよい状態に保つように気を付けてください。
日頃から注意していれば、小さな異常をいち早く見つけることが可能になります。外骨症に限らず、さまざまな病気や症状を見逃さないことも予防につながります。
外骨症の症状があらわれやすい年代はありますか?
また高齢になると歯周病などにより義歯を装着することも多くなります。このとき外骨症を発症している場合、装着におけるストレスが骨の隆起を大きくしてしまう場合もあるのです。
高齢で外骨症が見られるなら、早めに受診して口腔内の状態を診察してもらうことが必要です。そして状況に応じて隆起を除去するなど、医師の判断を仰いでください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
瘤状の隆起が大きくなることで歯磨きがし難く、むし歯や歯周病のリスクが高くなるようなら、外科的手術を行い除去することも可能です。手術は約20分ほどで終わるものなので、怖れず医師に相談してください。
編集部まとめ
外骨症とは口腔内にできる瘤状の隆起をいいます。
腫瘍ではないかと心配する人も多いのですが、これは悪性のものではなく骨隆起なので心配はいりません。
ただ一旦できてしまった骨の隆起は小さくなったり消えたりということはないので、日常生活に支障をきたす場合は口腔外科で除去することも可能です。
もちろんそのままにしておいても問題はないので、口腔内の状態を確認しながら相談して除去するかどうかを決めるとよいでしょう。