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「バナナのカリウム量」は何をすると3倍以上増える?注意点も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/04/09
「バナナのカリウム量」は何をすると3倍以上増える?注意点も管理栄養士が解説!

バナナのカリウム量はどのくらい?メディカルドック監修管理栄養士が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

曽田 久美子

監修管理栄養士
曽田 久美子(管理栄養士)

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病院、老健で栄養士として給食管理に従事し、2025年管理栄養士国家試験合格。食に迷う人や食を大事にしたい人、食で体を変えたい人へ確かな情報を届けるべく、食で心と体を元気にする管理栄養士を目指す。

「カリウム」とは?

カリウムとは?

カリウムは細胞内液の主要な陽イオンであり、細胞外液に多いナトリウムと相互に作用しながら体液の浸透圧を維持したり、水分を保持したりする役割をしているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。カリウム量は腎臓での再吸収の調節によって維持されており、血中のカリウム濃度は一定に保たれています。健康な人では、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合を除き、カリウム欠乏は起こりにくいとされています。カリウムは多くの食品に含まれており、通常の食生活で不足しにくい栄養素です。

「バナナ」とは?

バナナとは?

東南アジアの熱帯地域を原産とするバショウ科バショウ属の果実です。大きく生食用と料理用に分かれ、300種類以上あるといわれています。現在日本で食べられているバナナは約8割がフィリピン産で、他にエクアドル、台湾からも輸入されています。果皮の色は品種によって異なり、一般的に知られるものは緑色から黄色ですが、桃色から紫色まで多様です。成熟するにつれてエチレンガスにより緑の色素であるクロロフィルが分解されることで黄色の色素のカロテノイドが残る形で変色が進みます。ポリフェノールが酸化することで、皮が茶色に変化するブラウニングが起こり、皮の表面には黒い斑点状の「シュガースポット」とよばれる熟成の目安が現れます。

カリウムの一日の摂取量

カリウムの一日の摂取量

体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられる量が、目安量として設定されています。18歳以上の男性では1日2500㎎、女性では2000㎎です。また、日本人の食事摂取基準では、高血圧などの生活習慣病の観点から、目標量として18歳以上の男性では3000㎎以上、女性では2600㎎以上と設定されています。これらの量は、野菜や果物、いも類、豆類などをバランスよく摂ることで達成しやすくなります。

性別 目安量 目標量(生活習慣病予防)
男性 2,500mg 3,000mg 以上
女性 2,000mg 2,600mg 以上

バナナの一日の摂取量

バナナの一日の摂取量

バナナの一日の摂取量の目安は、1〜2本(約200g)です。食事バランスガイドでは、果物は200g(2SV)の摂取が推奨されています。果物には、カリウムや食物繊維、マグネシウムなどが豊富に含まれています。ビタミン、ミネラルの補給に優れており、体の調子を整えるのに役立ちます。

バナナに含まれるカリウム量はどのくらい?

バナナに含まれるカリウム量はどのくらい?

バナナ/生に含まれるカリウムの量は100gあたり約360㎎、バナナ/乾燥に含まれるカリウムの量は100gあたり約1300㎎となります。乾燥バナナは水分が抜けて重量が減っているため、カリウム濃度が高くなっています。

状態 カリウム含有量
バナナ(生) 約 360mg
乾燥バナナ 約 1,300mg

バナナの健康効果

バナナの健康効果

カリウムによる健康効果

カリウムは余分なナトリウムと共に体内の水分バランスを保つ働きがあり、血圧の健康維持に役立つ可能性があり、むくみの調整にも関わります。また、カリウムは筋肉が収縮・弛緩するのに不可欠であり、不足すると、筋力低下や痙攣を起こすことがあります。

食物繊維による健康効果

バナナには、不溶性食物繊維が100gあたり1.0g、水溶性食物繊維が0.1g含まれています。不溶性食物繊維は水に溶けず、水分を吸収して便のかさを増やし、大腸を刺激して排便を促す働きがあります。水溶性食物繊維は水に溶けてゲル化し、糖の消化吸収スピードを遅くして急激な血糖値上昇を抑えるのに役立ちます。また、不要なコレステロールやナトリウムの吸収を抑える作用もあります。

糖質による健康効果

バナナには、糖質が、1本約100gあたり18.5g含まれています。他の果物に比べるとやや高めですが、バナナの糖質は果糖、ブドウ糖、ショ糖が含まれており、効率よくエネルギ―に変わります。また、食物繊維も含まれているため、血糖値が急激に上がりにくく、腹持ちがよいのが特徴です。そのため、運動前のエネルギー補給や、朝食の一部として活用できます。

カリウムが不足すると現れる症状

カリウムが不足すると現れる症状

だるさ

カリウムは筋肉の収縮・弛緩に必要なミネラルで、筋肉が動く際の調整に関わります。不足すると筋力が低下し、だるさを感じることがあります。

足がつる(こむら返り)

カリウムは筋肉の収縮・弛緩に関わるミネラルで、神経伝達のバランスを整える働きがあります。不足すると筋肉が緊張しやすくなり、足がつる原因の1つになることがあります。

不整脈

カリウムは筋肉の収縮に関わるため、心臓の働きにも関わります。不足すると、心臓のリズムが乱れやすくなることがあります。

カリウムを過剰摂取すると現れる症状

カリウムを過剰摂取すると現れる症状

カリウムは腎機能が正常で、特にカリウムのサプリメントなどを使用しない限りは、過剰摂取になる危険性は低いと言われています。

四肢のしびれ

高カリウム血症になると、筋肉の収縮が調節できなくなり、四肢のしびれが現れることがあります。

吐き気や嘔吐

カリウムは、筋肉の収縮や、神経伝達の役割があります。カリウムが過剰になると、消化管の筋肉の働きが異常になり、神経伝達に影響がでることがあり、胃のむかつきや吐き気を感じることがあります。

不整脈

カリウムは筋肉の収縮や、神経伝達に重要な役割を持っています。カリウムが過剰になると体内の電解質バランスが崩れ、心臓のリズムが乱れやすくなることがあります。

バナナを食べる時の注意点

バナナを食べる時の注意点

過剰摂取に注意

バナナにはカリウムや糖質が豊富に含まれていますが、腎機能障害がある方や糖尿病の方は過剰摂取に注意が必要です。腎機能が低下しているとカリウムを十分に排泄できず、高カリウム血症になる可能性があります。また、バナナは熟度によって血糖値への影響が異なり、未熟なものよりも熟したものの方がGI値が高くなり血糖値が上昇しやすくなるため、糖尿病の方は食べる量だけでなく熟し具合にも配慮し、一度にたくさん食べ過ぎないよう注意しましょう。

保存方法

バナナは、13℃以下の寒い場所で低温障害を起こすと、皮が黒ずみ、追熟がとまります。15〜20℃くらいの常温で、風通しのよい場所で保存するのがおすすめです。食べごろになると、「シュガースポット」とよばれる模様が現れますが、皮をむくと中身はきれいなままで、美味しく食べられます。

食べるタイミング

バナナは糖質が多いため、空腹時にバナナだけを摂取すると、血糖値が上がりやすくなる場合があります。そのため、食事の一部に取り入れたり、運動前のエネルギー補給として食べるのがおすすめです。

バナナの効率的な摂取方法

バナナの効率的な摂取方法

朝食に取り入れる

糖質の代謝をよくするビタミンB群が豊富に含まれているため、速やかなエネルギー補給に役立ちます。手軽に食べられるので、朝食に取り入れることで、忙しい朝でも効率よくエネルギーを補給でき、1日の活動をスムーズに始めることができます。

ヨーグルトと一緒に摂取する

ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は「プロバイオティクス」と呼ばれ、腸内に直接善玉菌を届け、腸内環境を整える働きします。一方、バナナに含まれる食物繊維やオリゴ糖は「プレバイオティクス」として機能します。これは、プロバイオティクスのエサとなり、その増殖を助ける働きがあります。

生のまま食べる

バナナに含まれるカリウムを効率よく摂取するには生のまま食べる方法がおすすめです。カリウムは水に溶けやすい性質があるため、調理法によっては流出してしまうことがあります。バナナは皮をむくだけで手軽に食べられるため、そのまま食べたりスムージーにしたりすることでカリウムを無駄なく取ることができます。また、塩分の多い食事が続くときには、カリウムを多く含む食品を意識して取り入れることも大切です。カリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)の排泄を促す働きがあります。

「バナナのカリウム量」についてよくある質問

「バナナのカリウム量」についてよくある質問

ここまでバナナとカリウムを紹介しました。ここでは「バナナのカリウム量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

バナナ何本で1日分のカリウムを摂取できますか?

曽田 久美子曽田 久美子

バナナ(生)100gには、約360㎎のカリウムが含まれています。一般的にバナナ1本の可食部は約100〜120g程度です。1日の目安量は18歳以上の男性で2500㎎、女性で2000㎎とされています。
これをバナナだけで摂取する場合、バナナ1本を約100gとして計算すると、男性では約7本、女性では約6本が目安になります。ただし、カリウムは野菜や果物、いも類、豆類などさまざまな食品に含まれているため、バナナだけから摂取するのではなく、バランスよく摂取することが大切です。

まとめ

バナナは、身近で手に入りやすく、手軽に食べられる果物です。カリウムのほか、ビタミンB群、食物繊維、糖質など、さまざまな栄養素を含んでいます。果物の摂取は、生活習慣病の予防に役立つことが示されており、1日200g程度の摂取が目標とされています。
しかし、令和6年の国民健康・栄養調査によると、果物摂取量の平均値は78.1gと、目標には届いていない状況です。果物を食事に取り入れるのが難しいと感じることもあるかもしれませんが、手軽に食べられる果物から取り入れてみてはいかがでしょうか。バナナやみかん、いちごなどは、日常の食事にも取り入れやすい果物です。特にバナナは手軽に食べられて、カリウムの補給にも役立ちます。

「カリウム」と関連する病気

「バナナ」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

「カリウム」と関連する症状

「カリウム」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。

カリウムに関連する症状

この記事の監修管理栄養士