「たけのこ」の”栄養を逃さない保存方法”とは?注意点も管理栄養士が解説!

たけのこの保存方法は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
中島 三容子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
たけのことは?

「たけのこ(筍)」とは、イネ科タケ亜科の竹の地下茎から出る若芽のことで、地上に顔を出したばかりの柔らかい部分を主に食用としています。芽が出てから10日で竹に成長してしまうため、竹かんむりに旬(一旬=10日間)で「筍」と書かれるようになりました。たけのこは、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年で野菜類に分類され、生・ゆで・水煮缶詰・めんま(塩蔵、塩抜き)の各成分値が収載されています。日本で一般によく用いられる「たけのこ」の品種はモウソウチク(孟宗竹)ですが、マダケ(真竹)やハチク(淡竹)など、ほかの品種も食用として利用されています。モウソウチクのたけのこは、通常は3月頃から九州で収穫され、徐々に産地が北上していき5月頃まで収穫されます。マダケやハチクはモウソウチクの後、5~6月頃が旬のたけのこです。ちなみに、めんまは主に台湾や中国産のマチク(麻竹)のたけのこを蒸して乳酸発酵させた後、天日で乾燥し塩蔵したものです。
たけのこの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準2025年版に、たけのこに関する基準はなく、適切な摂取量に決まりはありませんが、毎日続けて食べるなら「食事バランスガイド」の副菜"1つ"に相当する70g程度(小鉢1皿分)を目安にすると良いでしょう。
たけのこの保存方法や期間

たけのこは生より水煮の方が保存期間が長い?
生のたけのこは、根元の切り口が白くみずみずしく、皮が薄茶色で全体にハリがあり、異臭がないものが新鮮です。たけのこは収穫後すぐに鮮度が落ち、時間の経過とともにえぐみ(アク)が増すため、できるだけ早く(可能であれば当日〜翌日中に)ぬかや重曹を加えたお湯で下茹でし、水煮にすることが推奨されます。すぐに下処理できない場合は、皮付きのまま新聞紙などで包んで乾燥を防ぎ、冷蔵庫で保存しますが、品質を保てる期間は2〜3日程度が目安です。下茹でしたたけのこや開封後の水煮は、清潔な容器に入れて全体が浸るように水を注ぎ、密閉して冷蔵庫で保存します。水は毎日交換し、保存期間は約1週間を目安に、なるべく早めに使い切りましょう。
たけのこは冷凍保存しても大丈夫?
すぐに使わない場合は冷凍庫で保存して大丈夫です。使いやすい大きさに切った水煮たけのこを、だし汁と一緒にフリーザーバッグに入れて、空気を抜きながら平らにして密閉し、冷凍庫で保存します。保存期間は約1か月程度が目安とされています。冷凍したたけのこは、自然解凍せず凍ったままだし汁ごと鍋に入れて加熱調理することで風味が保てます。
たけのこを長期保存させる方法はある?

真空パック・瓶詰・缶詰などの市販水煮は、未開封であれば長期保存可能です。保存方法や保存期間は製品によって異なるため、それぞれのパッケージやラベルに表示されている方法で保存し、必ず消費期限内に食べ切りましょう。
たけのこに含まれる栄養素

たけのこ(ゆで)100gには、89.9gの水分が含まれています。水はヒトの体重のおよそ60%を占めており、生命を維持するのに不可欠な物質です。水分を多く含むたけのこなどの野菜類は、食品からの水分供給源のひとつになります。残りの10.1gはさまざまな栄養素によって構成されていますが、主要な摂取源といえる栄養素は限られています。
不溶性食物繊維
たけのこ(ゆで)100gに食物繊維は3.3g含まれており、そのうち2.9gが不溶性食物繊維です。食物繊維は、人の消化酵素の作用を受けずに小腸を通過して大腸まで達する成分です。不溶性食物繊維は水に溶けにくく保水性を持ち、腸内の通過を促す役割が強いとされています。
カリウム
たけのこ(ゆで)100gにカリウムは470mg含まれています。カリウムは人体に必要な多量ミネラルの一種で、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経や筋肉の興奮伝導に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。
たんぱく質・アミノ酸
野菜類の中ではたんぱく質を多く含み、うま味のもとであるアミノ酸の一種、グルタミン酸やチロシンなどが含まれています。たけのこ(ゆで)100gには、たんぱく質が3.5g、グルタミン酸が290mg、チロシンが170mg含まれています。たけのこを茹でた後に表面に付着している白い結晶がチロシンです。チロシンは体たんぱく質の構成成分となるほかに、神経伝達物質のドーパミンや甲状腺ホルモンの材料になります。表面の白い結晶は洗い流す必要はなく、そのまま調理すると良いでしょう。
たけのこの健康効果

おなかの調子を整える(不溶性食物繊維の働き)
不溶性食物繊維には便量を増やして腸の通過時間短縮を促す働きがあり、便秘の予防・改善など、おなかの調子を整える効果が期待できます。日本人の食事摂取基準2025年版では、成人の目標量(生活習慣病の発症予防を目的とした摂取量)を、食物繊維総量で男性20~22g/日以上、女性18g/日以上としています。
高血圧を予防する(カリウムの働き)
カリウムにはナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、食塩の摂り過ぎを調節するのに役立ち、高血圧の予防に期待できます。カリウムの目標量は、成人男性で3,000mg/日以上、成人女性で2,600mg/日以上とされています。
たけのこを食べる時の注意点

食べ過ぎによる消化不良
たけのこに含まれる不溶性食物繊維はおなかの調子を整えるのに役立ちますが、過剰に摂取すると胃腸に負担をかけることがあります。特に胃腸の弱い方や、消化機能が低下している時に大量に食べると、腹痛や下痢、あるいは便秘を悪化させる場合があります。症状は一過性で胃腸を休めることで治まることがほとんどですが、1週間以上長引く場合は消化器内科の受診をお勧めします。
仮性アレルゲン反応
たけのこを食べた後に、口・体のかゆみや蕁麻疹などアレルギーのような症状を引き起こすことがあります。「仮性アレルゲン反応」といい、たけのこに含まれるヒスタミンなどの化学物質が直接皮膚や粘膜に作用し、免疫系を介さずアレルギー様症状が現れます。特に鮮度が落ちたたけのこや、体調が優れない時に大量に食べると起こりやすいため注意が必要です。症状は1時間以内に消失する一過性のものが多いですが、心配な場合は主治医または内科への相談、皮膚科の受診をお勧めします。
たけのこの栄養素を効率的に摂取する方法

水溶性食物繊維とあわせる
食物繊維の目標量は、現在の日本人の摂取実態からその実行可能性を考慮して低く設定されています。健康への利益を考えた場合、成人で25g/日以上と考えられています。水溶性食物繊維は水に溶けてゲル化し、粘性・吸着性・発酵性を持つことから、便をやわらかくしたり、腸内環境を良好に整える効果が期待できます。水溶性食物繊維はごぼうなどの根菜類やきのこ類、わかめなどの藻類に多く含まれています。
カリウムを逃さない
カリウムは水に溶けやすい性質があるため、カリウムの損失をなるべく防ぐためにも皮付きのまま小さく切らずに下茹でします。また、若竹煮のように煮汁を含ませたり、味噌汁・スープなど汁ごと食べる料理にすることで、溶け出したカリウムも逃さず摂取できます。
「たけのこの保存方法」についてよくある質問

ここまでたけのこの保存について紹介しました。ここでは「たけのこの保存方法」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
茹でた後のたけのこを美味しく長持ちさせる保存方法はありますか?
中島 三容子
浸水冷蔵で約1週間、だし汁と一緒に冷凍で約1か月保存できます。
茹でた後のたけのこは、浸水して毎日水を換えながら冷蔵することで約1週間、だし汁と一緒に冷凍することで約1か月保存することができます。いずれもできるだけ早く使い切ることをおすすめします。
編集部まとめ
たけのこは約90%が水分であり、低エネルギーな食材(31kcal/ゆで100g)と言えます。不溶性食物繊維やカリウムを含むため、おなかの調子を整えたり、高血圧を予防するなどの効果が期待されますが、食物繊維やカリウムは他の野菜や果物にも多く含まれています。春の食材の代表格とされるたけのこですが、ひとつの食材に偏らず様々な食材の味や食感を楽しみながら有効な栄養素を取り入れるようにしましょう。
「たけのこ」と関連する病気
「たけのこ」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
内科の病気
- 高血圧症
消化器内科の病気
- 便秘症
「たけのこ」と関連する症状
「たけのこ」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
参考文献


