ブロッコリーより「スルフォラファンが多い食べ物」は?注意点も管理栄養士が解説

スルフォラファンが多い食品とは?メディカルドック監修管理栄養士が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・不足しやすい人の特徴・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
山口 恵里(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「スルフォラファン」とは?

スルフォラファンはアブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートの一種です。イソチオシアネートは硫黄を含む化合物で、食品特有の香りや辛味のもとになります。スルフォラファンは他のイソチオシアネートと比べてもNrf2経路(体内の抗酸化・解毒システムを司るスイッチのような存在)を活性化する力が強く、抗酸化作用や解毒作用にも優れているとされています。特にブロッコリースプラウトはブロッコリーよりもスルフォラファンの前駆体であるグルコラファニンを多く含むため、近年注目を集めています。
スルフォラファンの一日の摂取量
一日の摂取量は食事摂取基準(厚生労働省)には設定されておらず、機能性表示食品の根拠から実用的な目標量が示されています。スルフォラファンの1日の摂取量としてグルコラファニン24mg以上が肝機能の改善の目安とされています。これはブロッコリースプラウト約50gに相当します。市販のブロッコリースプラウト1パックが約20gですので、2.5パック程の量になります。
スルフォラファンの効果

抗酸化作用
スルフォラファンの効果のひとつに、体内の活性酸素を除去する酵素を活性化し、細胞のダメージを防ぐ働きがあります。紫外線やストレスでダメージを受けた細胞の修復や肝臓の解毒をサポートする作用も期待されています。
抗炎症作用
スルフォラファンには、慢性的な炎症を抑える可能性があるという研究があります。スルフォラファンはKeap1に作用してNrf2経路を活性化し、抗酸化酵素や解毒酵素の産生を促進するとされています。さらに、TNF-αやIL-6などの炎症サイトカインの産生を抑制し、炎症を引き起こすNF-kBの活性を抑える働きも報告されています。
がん予防の可能性
スルフォラファンは抗酸化作用や解毒作用、抗炎症など、がん予防に関わる多面的な作用があるとされています。ただし、多くは細胞や動物実験の段階のため、人への効果を確定するにはさらなる臨床研究が必要とされています。
スルフォラファンの多い食品

ブロッコリースプラウト
ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽(発芽して数日以内のもの)のことで、見た目はカイワレ大根に似ています。シャキシャキした食感とほんのりピリッとした風味が特徴です。成熟したブロッコリーよりも、スルフォラファンの前駆体であるスルフォラファングルコシノレート(グルコラファニン)を多く含んでおり、健康成分として注目されています。また、冷蔵保存する際は、乾燥を防ぐために湿らせたキッチンペーパーで包むと鮮度が保ちやすくなります。
ブロッコリー
ブロッコリーは、がん抑制作用があるとされる植物性食品「デザイナーフーズ」に選ばれているアブラナ科の野菜で、高い栄養価と健康効果が注目されています。このブロッコリーにはグルコシノレートの一種「グルコラファニン」が含まれており、ミロシナーゼという酵素の働きによってスルフォラファンに変化します。また、酸性の環境はミロシナーゼの働きを助けるとされており、スルフォラファンの生成を促進します。そのため、レモン汁やお酢などの酸性の調味料と一緒に摂るのがおすすめです。
キャベツ
キャベツはブロッコリースプラウトほどではありませんが、スルフォラファンの前駆体であるグルコラファニンを含んでいます。細かく刻んでから数分置くことで酵素反応が進みやすくなり、スルフォラファン生成が増えるとされています。さらに、加熱する前に刻んでおくと、熱に弱いミロシナーゼが働いた後に加熱できるためスルフォラファンを効率良く摂取することができます。
スルフォラファンが不足すると現れる症状

スルフォラファンはビタミンやミネラルのような必須栄養素ではなく、明確な欠乏症は定義されていません。そのため「不足すると特定の症状が出る」と断定することはできません。ただし、スルフォラファンは体内の抗酸化・解毒システムに関与する成分として研究されており、摂取量が少ない状態が続くと、これらの生理機能を十分にサポートできない可能性が指摘されています。
抗酸化力の低下
スルフォラファンはNrf2経路を活性化し、グルタチオンS-トランスフェラーゼやNQO1などの抗酸化・解毒関連酵素の発現を促すことが報告されています。摂取が極端に少ない場合、これらの酵素誘導作用を十分に得られない可能性があります。
慢性的な炎症の悪化
基礎研究では、スルフォラファンが炎症性サイトカインの産生を調整する可能性が示されています。ただし、ヒトにおいて摂取不足が慢性炎症の悪化を直接招くと証明されたわけではありません。
解毒機能の低下
スルフォラファンは肝臓の第Ⅱ相解毒酵素の発現を促すことが報告されていますが、これも主に研究段階の知見です。摂取しないことで解毒機能が直ちに低下するという明確なエビデンスはありません。
スルフォラファンが不足しやすい人の特徴

野菜をあまり食べない人
ブロッコリーやキャベツなど、特にアブラナ科の野菜を日常的にあまり食べない人は、スルフォラファンの摂取量が自然と少なくなりがちです。
加工食品が中心の食生活の人
加工食品にはスルフォラファンがほとんど含まれていないため、加工食品を中心とした食生活を送っている人は、スルフォラファンが不足しやすい傾向があります。
肝機能や解毒機能が低下している人
スルフォラファンには肝臓の解毒酵素を活性化する働きがあるため、肝機能や解毒機能が低下している人は、スルフォラファンが不足しやすい可能性があります。
スルフォラファンを過剰摂取すると現れる症状

胃腸の不調
特にサプリメントでスルフォラファンを過剰摂取した場合、吐き気や腹痛、下痢などの消化器症状が現れることがあります。
薬との相互作用
スルフォラファンには肝臓の解毒酵素を活性化する作用があるため、一部の薬剤の代謝に影響を与える可能性があります。薬を服用している人は、摂取前に医師に相談することが推奨されます。
妊娠中・授乳中の注意
スルフォラファンの過剰摂取に関する明確な安全性データがまだ十分にそろっていないため、妊娠中や授乳中の人は過剰摂取を避けることが望ましいとされています。
スルフォラファンの効率的な摂取方法

生のまま食べる
生のブロッコリースプラウトにはミロシナーゼが豊富に含まれているため、加熱せずに生で食べることでスルフォラファンを効率よく摂取できます。
加熱は短時間で行う
ミロシナーゼは熱に弱い酵素のため、高温で長時間加熱すると失活し、スルフォラファンの生成量が減少する可能性があります。調理の際は「加熱方法」そのものよりも「温度と時間」を意識することが重要です。蒸す、ゆでる、電子レンジを使用する場合でも、加熱しすぎを避け、短時間で仕上げることがポイントです。さらに、加熱前に細かく刻んで5〜10分ほど置いておくと酵素反応が進み、ミロシナーゼが働いた後に加熱できるため、スルフォラファンを効率よく摂取しやすくなります。
刻んでから数分置く
野菜を細かく刻んでから5〜10分ほど置くことで、ミロシナーゼがグルコラファニンと反応しやすくなり、スルフォラファンの生成量が増加します。加熱前にこの行程を挟むことで、加熱による酵素の失活を避けつつ、スルフォラファンをしっかり生成できます。
「スルフォラファンが多い食品」についてよくある質問

ここまでスルフォラファンを紹介しました。ここでは「スルフォラファンが多い食品」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
スルフォラファンが多い食べ物を毎日食べても大丈夫でしょうか?
山口 恵里
スルフォラファンを多く含む食品を毎日食べることは、基本的には問題ありません。特にブロッコリーやブロッコリースプラウトなどの自然な食品からの摂取であれば、安全性は高いとされています。
ただし、サプリメントは高濃度に抽出されたスルフォラファンを含むものもあり、摂りすぎると胃腸の不調や薬との相互作用が起こる可能性があります。
スルフォラファンは肝臓に良いのは本当でしょうか?
山口 恵里
スルフォラファンは肝臓に存在する「グルタチオンS-トランスフェラーラーゼ」や「NQO1」などの解毒酵素の働きを高めることが知られています。これにより体内に取り込まれた有害物質や発がん性物質を無毒化・排出する力が高まるとされています。また、スルフォラファンは「Nrf2」という転写因子を活性化することで、抗酸化酵素や解毒酵素の産生を促進します。このNrf2経路は、肝臓の細胞を酸化ストレスや毒素から守る重要な仕組みとして注目されています。
まとめ
スルフォラファンはブロッコリーやブロッコリースプラウトに多く含まれる成分で、抗酸化・解毒・抗炎症作用があります。肝臓の解毒酵素を活性化し、有害物質の排出や酸化ストレスからの保護に役立つとされています。野菜不足や加工食品中心の生活、肝機能の低下がある人は不足しやすいため意識的な摂取が必要です。ただし、サプリメントでの過剰摂取には注意が必要で、胃腸の不調や薬との相互作用のリスクがあるため、体調や服薬状況に応じて調整しましょう。
「スルフォラファン」と関連する病気
「スルフォラファン」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
消化器系の病気
- 肝機能障害
全身性の疾患群
- 慢性炎症
「スルフォラファン」と関連する症状
「スルフォラファン」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状の原因などはリンクから詳細記事をご覧ください。

