「牛肉のカロリー」は”もも”と”肩”どちらがヘルシー?食べ過ぎで現れる症状も解説!

牛肉のカロリーは?メディカルドック監修医が栄養素・健康効果・食べ過ぎて現れる症状・保存方法について解説します。

監修管理栄養士:
神尾 澄恵(管理栄養士)
目次 -INDEX-
牛肉とは?

牛肉とは、ウシ(牛)を食用として利用した肉類で、日本食品標準成分表では「肉類」のうち「畜肉類」に分類されます。牛肉はさらに「和牛肉」「乳用肥育牛肉」「交雑牛肉」「輸入牛肉」「子牛肉」などに区分され、それぞれ部位ごとの成分値が収載されています。成分表では、牛肉は原則として部位ごとに「脂身つき」「皮下脂肪なし」「赤肉」に分けて掲載されています。「脂身つき」は皮下脂肪および筋間脂肪を含むもの、「皮下脂肪なし」は皮下脂肪を除去したもの、「赤肉」は皮下脂肪および筋間脂肪を除いた筋肉部分を指します。なお、筋線維間に存在する脂肪(筋内脂肪、いわゆる“さし”)は赤肉の一部として扱われています。このように牛肉は、品種や肥育方法、部位、脂肪の付着状況によって栄養成分やカロリーが大きく異なる食品です。そのため、カロリーや栄養価を確認する際は、部位や脂肪の有無を区別して考えることが重要です。
牛肉100gのカロリー量は?

| 分類 | カロリー量(100gあたり) |
|---|---|
| 赤身 | 約130〜150kcal |
| 脂身なしの部位 | 約170〜350kcal |
| 脂身付きの部位 | 約220〜700kcal |
牛肉100gのカロリー量については、部位により異なります。赤身:約130〜150kcal、脂身なしの部位:約170〜350kcal、脂身付きの部位:約220〜700kcalとカロリー量にばらつきがあります。
牛肉の赤身のカロリー量は?

牛肉各部位の赤肉(赤身)のカロリーは以下のとおりです。
| 部位(赤肉/生) | カロリー(100gあたり) |
|---|---|
| かた | 138kcal |
| かたロース | 196kcal |
| リブロース | 230kcal |
| サーロイン | 167kcal |
| もも | 130kcal |
| そともも | 131kcal |
| ヒレ | 177kcal |
牛肉の部位ごとのカロリー量は?

牛肉部位ごとのカロリー量は以下のとおりです。
| 部位 | 脂身つき(生) | 皮下脂肪なし(生) | 脂身(生) |
|---|---|---|---|
| かた | 231kcal | 193kcal | 650kcal |
| かたロース | 295kcal | 285kcal | - |
| リブロース | 380kcal | 351kcal | 703kcal |
| サーロイン | 313kcal | 253kcal | - |
| もも | 196kcal | 169kcal | 594kcal |
| そともも | 220kcal | 179kcal | - |
| ばら | 381kcal | - | - |
牛肉のこま切れのカロリー量は?

「こまぎれ」は「細切れ」と書きます。辞書では、
1・細かく切られたもの。また、その切れ端。
2・牛肉・豚肉などを細かく切ったもの。と記載があります。
スーパーなどで販売されている、細切れ肉は商品規格に適さず、切り落とされた肉がパック詰めされたものです。 厚さにばらつきがあり複数の部位が混ざっています。価格は切り落としよりは安く、炒め物などにおすすめのお肉です。似たような規格で「切り落とし」があります。「切り落とし」は1種類の部位、厚さは一定、価格は部位によって異なります。用途も様々です。表記の規定がないため、販売している店舗によっては、同様に扱われている場合もあります。
こま切れの商品規格が定かでないため、日本食品標準成分表には記載はありませんでした。また、含まれている肉の割合にもよりますので正確なカロリーをお示しすることはできませんでした。
牛肉に含まれる栄養素

たんぱく質
たんぱく質は炭水化物、脂質とともにエネルギー産生栄養素のひとつです。全ての動物および植物の細胞を構成する主要な成分です。筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調整機能成分で、生命の維持に欠くことのできない栄養素です。牛肉に多く含まれるたんぱく質にミオグロビンという物質があります。牛肉には豚肉の約8倍ものミオグロビンが含まれています。ミオグロビンは、筋肉に存在し、おもな働きとして、酸素の貯蔵、酸素の輸送があります。酸素が不足しやすい運動中などに供給源として働きます。
ランプ/赤肉/生・22g
もも/赤肉/生・21.9g
ヒレ/赤肉/生・20.8g
鉄分
鉄分は人体の構成に必須なミネラルの一種です。成人の体内には約3〜4gの鉄が存在しています。そのうち約70%は、赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンに構成要素として存在します。残りの30%は、肝臓や骨髄などに貯蔵鉄として存在しています。肉類、魚類、藻類、野菜類、豆類に多く含まれています。食品中にはヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。肉類は動物性たんぱく質が多く含まれています。
ランプ/赤肉/生・2.7mg
もも/赤肉/生・2.7㎎
かた/赤肉/生・2.5㎎
ヒレ/赤肉/生・2.4㎎
かたロース/赤肉/生・2.4㎎
亜鉛
亜鉛とは、成人の体内に約2g含まれています。ほとんどは筋肉と骨に含まれています。皮膚・肝臓・膵臓・前立腺など多くの臓器に存在し、さまざまな酵素の構成要素となっています。生体内の反応にも関与しています。アミノ酸からのタンパク質の再合成、DNAの合成にも必要です。
また、体の細胞にダメージを与える活性酸素を除去する酵素の構成成分であるほか、味覚を感じる味蕾細胞や免疫反応にも関与しています。
亜鉛を多く含む食品は、魚介類、肉類、藻類、野菜類、豆類、種実類があります。
リブロース/赤肉/生・5.7㎎
かた/赤肉/生・5.5㎎
もも/赤肉/生・5.1㎎
牛肉の健康効果

疲労回復
牛肉には、たんぱく質が豊富に含まれています。体を構成する必要な栄養素です。疲労が蓄積した状態では、体内でたんぱく質の分解と修復が行われるため、不足すると疲労を感じやすくなります。そのため十分なたんぱく質摂取の必要性があります。牛肉は必須アミノ酸をバランスよく含むたんぱく質です。また、ビタミンB1、B6、B12も多く含まれています。これらは赤血球の形成、神経機能の維持、エネルギー代謝のサポートの役割があります。糖質とセットで食べることにより、エネルギー不足の解消にもつながります。
貧血予防
貧血予防・改善には、鉄分が欠かせません。不足すると、赤血球のヘモグロビンが減り、鉄欠乏性貧血になりやすく、だるさ、動悸、息切れなどの症状がでることもあります。鉄分は体内で作ることができないため、食品からの摂取が必要です。
牛肉には、鉄分が豊富に含まれます。効率よく摂取するには、非ヘム鉄を含む野菜と一緒に摂取することをおすすめします。
免疫機能の維持
牛肉に含まれる亜鉛は、免疫機能の維持に関与する必須ミネラルの一つです。亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持や、体内でのさまざまな酵素の働きを支える役割があります。不足すると、免疫機能の低下や味覚異常などがみられることがあります。 亜鉛は体内で合成することができないため、日々の食事から適切に摂取することが大切です。牛肉の中でも、特に赤肉部分に比較的多く含まれています。
牛肉を食べ過ぎて現れる症状

下痢、腹痛
下痢の原因はいくつか考えられます。消化不良、食中毒、アレルギーなどです。肉は脂肪分が多いほど胃腸に負担をかけやすく、消化不良から下痢につながることがあります。また、生焼けの肉はカンピロバクターやサルモネラなどの細菌が潜んでおり、食中毒を引き起こす可能性があります。肉に含まれるたんぱく質に対するアレルギー反応を引き起こすことも原因となります。
食べ方の工夫として、ゆっくり食べる、冷たい飲み物と一緒に食べることを避けると、胃腸負担を軽減できます。調理の際は、揚げるより、蒸す、煮る、焼くの調理法を選び、脂身の少ない部位を選ぶように意識してみましょう。
生活習慣病のリスク
牛肉などの動物性食品は良質なたんぱく質ですが、食べ過ぎると飽和脂肪酸やコレステロールが増えてしまうおそれがあります。飽和脂肪酸を摂りすぎると、血液中にコレステロールが蓄積されやすく、動脈硬化の原因となります。他にも、心疾患、がん、糖尿病などの生活習慣病との関連がみられたという研究報告もあります。
ステーキハウス症候群
ステーキハウス症候群とは、大きな肉の塊などを十分に噛まずに飲み込んだ結果、食道に食物が詰まってしまう状態(食道異物)を指します。1963年にアメリカで報告されたことから、この名称で呼ばれています。主な症状は、食後すぐに起こる前胸部のつかえ感や強い痛み、嚥下(えんげ)困難、吐き気・嘔吐、胸痛などです。唾液を飲み込めなくなることもあります。原因となりやすい食品には、ステーキやローストビーフなどの肉類のほか、ナッツ類や餅など、かたまりで飲み込みやすい食品が挙げられます。特に早食いの習慣がある場合や、高齢者、歯のかみ合わせが悪い場合などは注意が必要です。
牛肉の保存方法や期間

| 保存場所・肉の種類 | 目安期間 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵(スライス肉) | 2~3日 | ラップでしっかり包みチルド室へ。 |
| 冷蔵(ひき肉) | 1~2日 | 菌が繁殖しやすいためお早めに。 |
| 冷蔵(ブロック肉) | 3~4日 | 表面の水分(ドリップ)を拭き取る。 |
| 冷凍(スライス・ひき肉) | 2~3週間 | フリーザーバッグで密封保存。 |
| 冷凍(ブロック肉) | 1か月程度 | 冷凍焼けに注意。 |
牛肉を購入するとラベルに消費期限や賞味期限が記載されています。生鮮食品である牛肉は、原則として消費期限で管理されることが多いです。
茶色・灰色に変化している、酸っぱい・生臭い、ぬめりがある、ドリップが大量に出ている場合は鮮度低下や腐敗のサインですので、食べずに廃棄しましょう。
冷蔵保存の場合
スライス肉:2~3日
ひき肉:1~2日
ブロック肉:3~4日
保存の際は、ラップでしっかり包み、保存容器に入れるか、チルド室で保存すると鮮度が長持ちします。ひき肉は菌が繁殖しやすいので、早めに使用しましょう。チルド室を活用すると、1〜2日長持ちします。
冷凍保存の場合
スライス肉・ひき肉:2~3週間
ブロック肉:1か月程度
真空パックやフリーザーバッグを使用するとさらに長期保存が可能です。冷凍焼けで風味が落ちるため、1か月以内に食べることを目安にしましょう。
「牛肉のカロリー」についてよくある質問

ここまで牛肉について紹介しました。ここでは「牛肉のカロリー」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
牛肉の赤身と脂身はそれぞれ何カロリーでしょうか?
神尾 澄恵
牛肉の赤肉(赤身)と脂身のカロリーは以下のようになっています。
なお、赤肉と脂身の表示がある部位のみ表示します。
かた/赤肉/生・138kcal
かた/脂身/生・650kcal
リブロース/赤肉/生・230kcal
リブロース/脂身/生・703kcal
もも/赤肉/生・130kcal
もも/脂身/生・594kcal
ダイエットに牛肉は向いていますか?
神尾 澄恵
牛肉は、部位や食べ方を工夫しながら適量を取り入れることで、ダイエット中の食事に活用できる食品の一つです。牛肉には良質なたんぱく質が豊富に含まれており、筋肉量の維持に必要な必須アミノ酸を補うことができます。筋肉量を保つことは、基礎代謝の維持にもつながります。
また、吸収率の高いヘム鉄を含んでいるため、鉄不足が気になる方の栄養補給にも役立ちます。牛肉は糖質をほとんど含まない食品であるため、糖質摂取量を調整している方にも取り入れやすい食材といえるでしょう。
一方で、脂質が多い部位もあるため、食べ過ぎには注意が必要です。赤身肉を選ぶ、調理法を工夫するなどしながら、主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事の中で取り入れることが大切です。
まとめ
牛肉は、古くから高級な食材として食べられてきました。部位により同じ赤肉(赤身)であってもカロリーは異なります。ももやかたはカロリーが低く、ばらやロースはカロリーが高い傾向にあります。各部位ともに赤身は比較的カロリーが低いです。
栄養素としては、たんぱく質や鉄分が豊富に含まれており、筋肉の維持や貧血予防に役立ちます。糖質も少ないため、糖質が気になる方は牛肉は適していますが、飽和脂肪酸を多く含むため、牛肉のみを食べることは避けて、バランスよく食事を摂取することが重要です。
「牛肉」と関連する病気
「牛肉」と関連する病気は4個ほどあります。
各病の記事などはリンクからご覧ください。
内科系の病気
消化器系の病気
- 下痢
- 嘔吐
- 嚥下障害
「牛肉」と関連する症状
「牛肉」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
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