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「カルシウム」は”牛乳”から十分に摂れる?飲み過ぎで現れる症状も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/02/25
「カルシウム」は”牛乳”から十分に摂れる?飲み過ぎで現れる症状も管理栄養士が解説!

牛乳のカルシウム量は?メディカルドック監修管理栄養士が栄養素・健康効果・牛乳でカルシウムを摂取できるか・保存方法などについて解説します。

吉田 有里

監修管理栄養士
吉田 有里(管理栄養士)

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7年半保育園で調理・食育を経験後、半年間高齢者施設で調理経験
現在デイサービスで管理栄養士として勤務

牛乳とは?

牛乳とは?

乳牛から搾ったままで処理を加えていない牛乳を「生乳」といいます。この「生乳」を殺菌することで、飲用牛乳になります。一般に市販されている牛乳(普通牛乳)は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号。以下「乳等省令」という)により規格が定められている「牛乳」に相当し、無脂乳固形分8.0 %以上、乳脂肪分3.0 %以上とされています。「生乳」以外の原材料の添加は認められていませんが、原料乳の混合による成分値の調節は認められています。市場には乳脂肪分3.6 %以上の製品がよく流通しています。
生乳又は牛乳からほとんどの乳脂肪分を除去したものを「脱脂乳」、乳脂肪分を高くした「濃厚」と、逆に脱脂によって乳脂肪分を低くした「低脂肪」があります。「濃厚」として乳脂肪分4.0 %以上、「低脂肪」として乳脂肪分1.0 %表示の製品が日本食品標準成分表に記載されています。

牛乳200mlのカルシウム量は?

牛乳200mlのカルシウム量は?

牛乳200mlに含まれるカルシウム量は、種類や製品によって多少の差がありますが、目安は以下の通りです。

牛乳の種類 カルシウム量(200mlあたり目安)
普通牛乳 約230mg
ジャージー種の生乳 約290mg
低脂肪乳 約250〜270mg前後
一部の高たんぱく質タイプ 約300mg前後

(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

一般的な市販の牛乳では、200mlあたり200〜230mg前後のカルシウムを摂取できると考えてよいでしょう。
また、高たんぱく質タイプなど一部の製品では、300mg前後のカルシウムを含むものもあります。

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、カルシウムの推奨量は、成人男性で750〜800mg、成人女性で650mgとされています。
そのため、普通牛乳を3杯程度(約600ml)飲むことで、1日の推奨量を満たす計算になります。ただし、牛乳にはエネルギーや脂質も含まれているため、日常的には1日1杯(200ml)を目安に、他の食品と組み合わせてカルシウムを摂取することがおすすめです。
複数杯飲む場合は、一度に大量に摂取すると乳糖の分解が追いつかず、下痢や腹痛を起こすことがあるため、食事ごとに分けて飲むなど、摂取方法を工夫するとよいでしょう。

牛乳に含まれる栄養素

牛乳に含まれる栄養素

カルシウム

カルシウムは、骨や歯の形成・維持に欠かせない重要な栄養素です。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1日のカルシウムの推奨量は、成人男性で750~800mg、成人女性で650mgとされています。
普通牛乳200mlには約230mgのカルシウムが含まれているため、牛乳を3杯程度摂取することで、1日の推奨量を満たす計算になります。
また、成長期にあたる12~14歳の男性では、骨の形成が活発なため、カルシウムの推奨量は1,000mgとされています。
飲むヨーグルトの場合は、製品にもよりますが、1本100mlあたり約100mgのカルシウムが含まれており、牛乳とほぼ同程度のカルシウムを摂取できます。
一方、調製豆乳200mlに含まれるカルシウム量は約76mgで、牛乳と比べると少なめですが、カルシウム強化タイプの製品もあるため、目的に応じて選ぶことが大切です。
牛乳そのままの味が苦手な方でも、コーヒーに加えたり、デザートや料理に使用するなど、さまざまな食品と組み合わせることで無理なく取り入れやすい点も、牛乳のメリットといえるでしょう。

たんぱく質

1日の推奨量が男性65g、女性55gであるため、牛乳1杯を飲むことで、たんぱく質が6.8g摂れるので、男性は1/10、女性は1/8摂取することができます。
飲むことでたんぱく質を摂取できるため、咀嚼して満腹感を出してしまう肉や魚よりも多く摂りやすい食品です。
高齢者であれば、歯がなかったり、なかなか噛むことに億劫を感じる方も多いため、手軽にたんぱく質を摂取できる食品とも言えます。

脂質

牛乳は脂質が一般の食品よりも多く含まります。
脂質の一部を構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の割合が多く含まれています。
飽和脂肪酸は、高LDLコレステロール血症や心筋梗塞を始めとする循環器疾患、肥満の危険因子であるため、飽和脂肪酸の摂りすぎに注意してください。
ただし、牛乳の脂質には、短鎖・中鎖脂肪酸が多く含まれているため、すぐに代謝されて、体脂肪として蓄積されにくい性質があります。

乳糖

牛乳に含まれる糖質として、乳糖が含まれます。
この乳糖は腸内環境のえさにもなり、便秘改善の効果があります。
一方で、乳糖不耐症のように、乳糖を分解できない人にとっては、下痢の症状を引き起こす場合があるため、注意が必要です。

ビタミンB2

牛乳にはビタミンB2が多く含まれています。
ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
エネルギーを生成する働きや、口内炎、口角炎、舌炎、脂漏生皮膚炎などの病気を防ぐ役割があります。
牛乳200mlを摂ることで、1日に必要なビタミンB2を1/4摂取することができます。

牛乳の健康効果

牛乳の健康効果

PFCのバランスが取れた食品

白米や油など、炭水化物、脂質のみに近い食品に比べ、牛乳はたんぱく質、脂質、炭水化物全てを含んでいる食品です。
食材が少なかったり、コスパをよくしたいという時に手軽に摂取できる健康食品です。

骨や歯を丈夫にしてくれる食品

カルシウムを牛乳3〜4杯(1杯200g)摂取すれば、1日の推奨量を満たすことができます。
これは、骨粗鬆症の予防にもなり、骨や歯を丈夫にし、健康な身体を作ることができます。

精神安定・安眠の効果で心の健康を守る

牛乳にはトリプトファンが含まれており、これはセロトニンという幸せホルモンを作る材料になります。
朝に牛乳を摂取することで、日中にトリプトファンからセロトニンが生成されます。
これにより、精神が安定し、心の健康を守ることができます。
さらに、このセロトニンからメラトニンという睡眠ホルモンが分泌され、安眠の効果も期待できます。不眠や、イライラする症状を軽減する効果があります。
ただし、入っているトリプトファンの含量は、白米よりは多いですが、蕎麦や豆乳、鰹やマグロ、チーズ、豚レバーよりはかなり少ないため、効率よく摂取したい場合は、他の食品も摂取するのが望ましいでしょう。

牛乳ではカルシウムを摂れない?

牛乳ではカルシウムを摂れない?

結論はカルシウムを摂ることはできます。ただし、体質的に、乳糖不耐症やアレルギーなどで牛乳を避けたり、身体が拒否反応を示してしまう場合は例外になります。また、添加物の多い食品(リンを多く含む食品)と摂取すると、カルシウムの吸収を阻害してしまうため、なるべく自然食と共に摂ることが望ましいです。

牛乳からではカルシウムを十分に摂れないのか?

牛乳からでもカルシウムを十分に摂取することは可能です。普通牛乳200mlには約230mgのカルシウムが含まれており、1日の推奨量を満たすにはおよそ3杯程度を目安にすることになります。
ただし、牛乳には脂質やエネルギーも含まれているため、カルシウムを牛乳だけで補おうとすると摂取量が多くなり、食事全体のバランスが偏る可能性があります。そのため、牛乳は1日1杯程度を目安にし、他の食品と組み合わせてカルシウムを摂ることが現実的といえるでしょう。一方で、体質的な理由から牛乳を十分に摂取できない場合もあります。牛乳アレルギーの場合は、牛乳に含まれるたんぱく質が原因となり、摂取を避ける必要があります。また、乳糖不耐症では、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が不足しているため、下痢や腹痛などの症状が出やすくなります。こうした場合でも、しらすや豆腐、青菜類など、牛乳や乳製品以外の食品からカルシウムを摂取することは可能であり、無理に牛乳にこだわる必要はありません。

牛乳以外でカルシウムを摂る方法は?

牛乳以外にもカルシウムを多く含んだ食品はあります。

食品名 分量の目安 カルシウム量(目安)
釜揚げしらす 100g 190〜210mg
乾燥ひじき 12g 200mg
プロセスチーズ 2個(40g) 240〜260mg
豆腐 300g(1丁) 280mg

カルシウムが摂れる簡単なレシピ

◯しらすチーズトースト(1人前)
食パン:1枚
しらす:25g(スプーン2杯分ほど)
ピザ用チーズ:20g(手で軽く掴むくらい)
マヨネーズ:10g
きざみのり:適量

①食パンにマヨネーズとしらすを混ぜたものを塗り、上にピザ用チーズをかけて、トースターで焼きます。
②こんがりきつね色になったらトースターから取り出して、きざみのりを上に散らして完成です。

しらすとチーズは、カルシウムを多く含んでいます。トーストにすることで手軽に摂取できるため、朝の忙しい時や、お子様のおやつにも最適です。

牛乳の飲み過ぎで現れる症状

牛乳の飲み過ぎで現れる症状

肥満

牛乳は200gに対して、エネルギーが122kcal、脂質は7.6gあります。
カルシウムを摂るために、確かに効率の良い食品ですが、飲み過ぎてしまうと他に摂取すべき食品が食べられなかったり、肥満に繋がってしまいます。

鉄欠乏性貧血

牛乳にはカルシウムが多く含まれており、大量に摂取した場合、鉄の吸収を一時的に妨げることがあります。特に牛乳を主な栄養源として多量に飲む食習慣が続くと、鉄分を含む食品の摂取量が不足し、結果として鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性があります。とくに乳幼児や成長期の子どもでは、牛乳の飲み過ぎによって食事量が減ることで鉄不足に陥るケースが報告されているため、牛乳だけに偏らず、肉・魚・豆類・野菜など鉄を含む食品とバランスよく摂取することが大切です。

消化器系の不調

牛乳には乳糖(ラクトース)が含まれており、一度に大量に摂取すると、体内で乳糖の分解が追いつかず、下痢や腹痛、腹部膨満感(お腹の張り)などの症状が現れることがあります。とくに乳糖不耐症の方では、少量でもこれらの症状が出やすいため注意が必要です。また、通常の食事量を大きく超えて牛乳を飲み続けた場合、カルシウムの過剰摂取につながる可能性があります。ただし、牛乳の摂取のみで高カルシウム血症や尿路結石が起こることはまれであり、多くの場合はサプリメントの過剰摂取や持病が関係しています。日常的には、適量を守り、バランスのよい食事の一部として取り入れることが大切です。

牛乳の栄養素を効率的に摂取する方法

牛乳の栄養素を効率的に摂取する方法

カルシウム×ビタミンD

牛乳に多く含まれるカルシウムの吸収を上げるビタミンD。鮭やキノコ類に多く、スープやクリームシチューにすることで効率的に摂取できます。

カルシウム×ビタミンK

牛乳に多く含まれるカルシウムとビタミンKは相性が良く、ビタミンKは骨作りのサポートをしてくれる働きがあります。ビタミンKは納豆、小松菜やブロッコリーに多く含まれます。

カルシウム×ビタミンD×ビタミンKを組み合わせたレシピ

◯鮭とブロッコリーのクリームシチュー(2人前)
鮭:2切れ
ブロッコリー:1/2房
しめじ:50g
玉ねぎ:1/2個
牛乳:400g
小麦粉:50g
バター:20g
コンソメ:10g
塩胡椒:適量

①鮭、ブロッコリーは一口大に切り、しめじはほぐしておきます。玉ねぎは薄切りにしておきます。
②フライパンにバターを入れて溶かし、鮭と玉ねぎとしめじを入れて炒めます。玉ねぎがしんなりしてきたら、小麦粉を振って混ぜます。
③②に牛乳を少しずつ入れてとろみがついたら、コンソメと胡椒で味付けし、ブロッコリーを入れて火が通ったら完成です。

トリプトファン×トリプトファン

牛乳に含まれるトリプトファンに、さらにトリプトファンをプラスしたものがバナナジュースです。
朝に飲むことで腹持ちも良く、日中にセロトニンという幸せホルモンが生成されます。
精神の安定や、安眠の効果も期待できるため、おすすめの摂取方法です。

牛乳の保存方法や期間

牛乳の保存方法や期間

保存は10℃以下をキープ

牛乳を美味しく飲むためには、温度管理がとても大切です。
スーパーで買い物をした際には、なるべく温度を上げないように、保冷剤をつけたり、保冷バックに入れるように工夫し、冷蔵庫にすぐ入れるようにしましょう。

また、LL牛乳(ロングライフ牛乳)という、200gで売られている商品もあります。
こちらは、特殊な殺菌処理と、アルミ蒸着の6層紙パックで製造されているため、常温での保存が可能です。
通常の牛乳よりも賞味期限が長く、長期保存にも向いているため、災害備蓄品としてや、冷蔵庫のスペースがない時に便利に活用できるものになります。

開封後は、2日を目処に飲み切ることがベスト

賞味期限は2日よりも長くありますが、開封後はすぐに飲み切るのが美味しい状態で飲めるポイントになります。

「牛乳のカルシウム量」についてよくある質問

「牛乳のカルシウム量」についてよくある質問

ここまで牛乳について紹介しました。ここでは「牛乳のカルシウム量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

牛乳200mlで、1日に必要なカルシウム量をどのくらい補えますか?

吉田 有里吉田 有里

約1/3摂ることが出来ます。ただし、乳糖不耐症やアレルギーがある方に関しては、牛乳以外のものでカルシウムを摂ることをおすすめします。

牛乳を飲むことで骨を丈夫にする効果が得られるのでしょうか?

吉田 有里吉田 有里

出来ます。牛乳のカルシウムの吸収率は、人によってそれぞれではあります。しかし、カルシウム量の高い魚類や野菜に比べても、牛乳や乳製品の方がカルシウムの吸収率は高いです。このことから、牛乳を飲むことで骨を丈夫にする効果は十分にあると考えられます。

まとめ

牛乳は、たんぱく質・脂質・炭水化物をバランスよく含む栄養価の高い食品であり、1日1杯(200ml)を目安に取り入れることで、1日に必要なカルシウムのおよそ3分の1を補うことができます。カルシウムは骨や歯の健康維持に欠かせない栄養素であり、牛乳を日常的に取り入れることで、骨の健康を支えるとともに、トリプトファンなどの成分による心身の健康への関与も期待されています。
一方で、牛乳を過剰に摂取すると、食事全体のバランスが崩れたり、乳糖の分解が追いつかず下痢や腹痛などの消化器症状が起こる場合があります。また、牛乳に多く含まれるカルシウムは、大量に摂取した場合に鉄の吸収に影響することがあるため、鉄分を多く含む食品と組み合わせるなど、食事全体での工夫が大切です。特に子どもや成長期では、牛乳に偏らず、さまざまな食品から栄養を摂ることが重要になります。
カルシウムは牛乳以外にも、しらすやひじき、豆腐、小松菜などの食品からも摂取することができ、乳糖不耐症や牛乳アレルギーのある方は、これらの食品を上手に活用するとよいでしょう。また、カルシウムはビタミンDやビタミンKと一緒に摂ることで吸収率が高まるとされており、魚類やきのこ類、緑黄色野菜と組み合わせた食事がおすすめです。
牛乳は10℃以下で冷蔵保存し、開封後はできるだけ早めに、目安として2〜3日以内に飲み切ることで、おいしさと安全性を保つことができます。日本では牛乳の摂取量が他国に比べて少ない傾向にありますが、1日1杯を無理のない範囲で取り入れ、他の食品と組み合わせながら活用することで、カルシウム不足を補い、健康的な食生活につなげていくことができるでしょう。

「牛乳」と関連する病気

「牛乳」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の詳細などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

泌尿器系の病気

  • 結石

消化器系の病気

  • 乳糖不耐症

整形外科の病気

「牛乳」と関連する症状

「牛乳」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状の原因などはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

牛乳に関連する症状

この記事の監修管理栄養士