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「植物性たんぱく質の多い食品」は何?過剰摂取すると現れる症状も管理栄養士が解説!

 公開日:2026/01/05
「植物性たんぱく質の多い食品」は何?過剰摂取すると現れる症状も管理栄養士が解説!

植物性たんぱく質の多い食べ物とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足したり過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

中岡 紀恵

監修管理栄養士
中岡 紀恵(管理栄養士)

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短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。

「植物性たんぱく質」とは?

「植物性たんぱく質」とは?

植物に含まれているたんぱく質をまとめて「植物性たんぱく質」と言います。肉や魚ではなく、大豆、小麦、米などの穀類や、野菜などに含まれるたんぱく質を指します。食物繊維が多く、脂質が少ないのが特徴です。

植物性たんぱく質の一日の摂取量

植物性たんぱく質の一日の摂取量

植物性たんぱく質のみの摂取量は特に定められていません。            
動物性たんぱく質も含めた、たんぱく質の推奨量は以下の通りに設定されています。
・成人男性(18~64歳) 65g/日                            
・成人女性(18~64歳)50g/日                           
・妊婦(初期)50g/日(中期)55g/日(後期)75g/日 授乳婦70g/日          
目標量の設定もされていて、成人男女とも一日のエネルギー摂取量の13〜20%とされています。妊婦(初期・中期)の目標量は成人女性と同じですが、妊婦(後期)及び授乳婦は15〜20%エネルギーとされています。 
植物性たんぱく質と動物性たんぱく質をバランスよく摂ることで、健康を維持することが期待できます。 

植物性たんぱく質の効果

植物性たんぱく質の効果

生活習慣病リスクの低下

植物性たんぱく質の摂取割合が高い人ほど、心疾患・脳血管疾患など循環器疾患による死亡リスクが低いことが報告されています。加工肉や赤身肉の一部を大豆などの植物性たんぱく質に置き換えると、総死亡・がん死亡リスクが有意に下がるという研究結果もあります。

体重コントロールや腸内環境の改善

植物性たんぱく質が多い食品には食物繊維が豊富で、腸内環境を整え便通を改善し、食後血糖値の急激な上昇を抑える働きが期待されます。食物繊維とゆるやかな消化吸収により、満腹感が持続しやすく、過食の抑制や体重コントロールにもつながりやすいとされています。

更年期症状の緩和

大豆たんぱく質にはイソフラボンが豊富で、女性ホルモン様作用により、更年期症状の緩和や骨粗しょう症予防への効果が期待されています。中年期の女性は積極的に摂りたい食品です。

植物性たんぱく質の多い食品

植物性たんぱく質の多い食品

植物性たんぱく質の量は、どの食品も100gあたりの量を示しています。

大豆・大豆製品

大豆や大豆製品には植物性たんぱく質が豊富で、納豆(糸引き納豆)は16.5g、大豆(ゆで)には14.8g、豆腐(木綿)には7.0g含まれています。手に入れやすいおなじみの食材で、そのまま食べられるのも良いところです。

種実類

落花生には26.5g、カシューナッツには19.8g、アーモンドには19.6g、ごまには19.8gの植物性たんぱく質が含まれています。植物性といえども、種実類はエネルギーや脂質も高めになっています。取り入れるときには小袋タイプを選ぶなどの工夫が必要です。

野菜

意外だと思われるかもしれませんが、野菜にも植物性たんぱく質は含まれています。枝豆(ゆで)は11.5g、ブロッコリー(ゆで)は3.9g、ほうれん草(ゆで)は3.7gとなっています。食物繊維やビタミン類も豊富に摂れて、エネルギーが控えめなのもうれしいですね。

植物性たんぱく質が不足すると現れる症状

植物性たんぱく質が不足すると現れる症状

ここでいう「植物性たんぱく質の不足」とは、植物性食品からのたんぱく質摂取量が少ないことにより、結果として一日のたんぱく質摂取量全体が不足した状態を指します。
たんぱく質は動物性・植物性のいずれから摂取しても体内で同様に利用されるため、
総摂取量が不足すると、以下のような症状が現れる可能性があります。

疲れやすい

エネルギー産生の材料が足りず、疲労感や体力低下などが起こりやすくなります。

免疫力の低下

抗体や免疫細胞もたんぱく質から作られるため、不足が続くと風邪をひきやすい・治りにくいなどにつながる可能性があります。

筋肉量・筋力の低下

たんぱく質が不足すると、人体を構成するたんぱく質が分解され不足分を補おうとします。階段がつらい、筋トレしても筋肉がつきにくいなどは、たんぱく質不足の典型的なサインとされています。高齢者では、フレイルやサルコペニアに繋がるおそれもあります。

植物性たんぱく質が不足しやすい人の特徴

植物性たんぱく質が不足しやすい人の特徴

ダイエットをしている

食事量を減らしてエネルギーが不足すると、一番にたんぱく質が不足しやすくなります。ダイエット中は、動物性たんぱく質よりエネルギーや脂質が控えめな植物性たんぱく質を摂ることで、たんぱく質不足も補えます。朝食に取り入れやすい納豆や豆乳を習慣化すると手軽に植物性たんぱく質を摂ることが出来ます。

肉や魚中心の食事をしている

肉や魚などの動物性食品が中心の食事では、たんぱく質量自体は十分に摂取できていても、
大豆製品や穀類、野菜などの植物性食品を取り入れる機会が少なくなりやすい傾向があります。その結果、植物性たんぱく質とともに摂取できる食物繊維やファイトケミカルなどの植物由来成分が不足する可能性があります。

高齢者

食欲低下や咀嚼力の低下でたんぱく質摂取量が減りやすく、フレイルやサルコペニアのリスクが高くなることが指摘されています。食欲がないときでも、準備しやすく食べやすい豆腐はおすすめの食材です。

植物性たんぱく質を過剰摂取すると現れる症状

植物性たんぱく質を過剰摂取すると現れる症状

消化器・腸内環境のトラブル

植物性たんぱく質をプロテインや大豆製品などで一度に大量にとると、消化しきれない分が腸内に残り、ガス産生や腸内細菌バランスの乱れを招きます。その結果、腹部の張り、便秘や下痢などの便通異常・胃もたれや消化不良といった症状が起こることがあります。

腎臓への負担のリスク

たんぱく質は代謝の過程でアンモニアなどの老廃物を生じるため、過剰摂取が続くと腎臓に負担がかかってきます。植物性たんぱく質であっても、腎機能に不安がある場合は医師や管理栄養士に相談されることをおすすめします。

体重増加

植物性たんぱく質でも、プロテイン飲料や加工食品などでエネルギーを摂り過ぎると、余った分は脂肪として蓄積され、体重増加につながる可能性があります。適量を心がけると良いでしょう。

植物性たんぱく質の効率的な摂取方法

植物性たんぱく質の効率的な摂取方法

多様な食品を組み合わせる

異なる植物性食品を摂取すると、必須アミノ酸(体の中で作ることが出来ず、食事から摂取する必要がある)を補うことが出来ます。そうすることで、必須アミノ酸のバランスを点数化し、アミノ酸スコアが向上します。

毎食摂取する

一度にたくさん摂るのではなく、朝、昼、夕の食事に取り入れることで、効率よく植物性たんぱく質を摂取することが出来ます。朝食には納豆ご飯と味噌汁などパターン化しておくのも良いでしょう。

ビタミンB6と一緒に摂る

ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わる補酵素として働く栄養素です。植物性たんぱく質を含む食品とあわせて摂取することで、体内でのたんぱく質の利用をスムーズにすることが期待されます。納豆と玄米ご飯を組み合わせるほか、ビタミンB6が豊富な豚肉と大豆を使ったポークビーンズなどを取り入れるのもおすすめです。

「植物性たんぱく質の食品」についてよくある質問

「植物性たんぱく質の食品」についてよくある質問

ここまで植物性たんぱく質の食べ物などを紹介しました。ここでは「植物性たんぱく質の食べ物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

植物性たんぱく質が多い食べ物はなんでしょうか

中岡 紀恵中岡 紀恵

大豆はアミノ酸のバランスが良く、「畑の肉」と呼ばれているくらい豊富に植物性たんぱく質が含まれています。大豆加工品の豆腐や厚揚げ、高野豆腐にも多く含まれています。近年注目されている大豆ミート(ソイミート)は大豆から油分を取り除き、繊維状に加工した食品です。100gあたり40〜50gと高たんぱくです。肉のような食感を再現していて、ミンチタイプはそぼろにしたり、ブロックタイプは唐揚げや煮物などに使えます。

植物性たんぱく質と動物性たんぱく質どちらが良いでしょうか

中岡 紀恵中岡 紀恵

植物性たんぱく質は、脂質が少なく、食物繊維が豊富、ビタミン・ミネラル・ポリフェノールなどの植物性成分が摂れる、環境負荷が低いなどのメリットがあります。動物性たんぱく質には必須アミノ酸のバランスが良い(アミノ酸スコアが高い)、吸収率が高い、筋肉の合成を促しやすい、ビタミンB12、ヘム鉄、亜鉛など植物性では不足しやすい栄養が豊富という良いところがあります。健康維持や生活習慣病予防が目的であれば、植物性たんぱく質を多めに摂り、筋肉量を増やしたいなら、アミノ酸スコアが高く吸収率の良い動物性たんぱく質をメインにするなど、目的に応じて上手に組み合わせることが大切です。

まとめ

植物性たんぱく質は、大豆や豆類、野菜などに含まれ、脂質が少なく食物繊維が同時に摂れる点が特徴です。健康維持や生活習慣病予防に役立つ一方、アミノ酸バランスや鉄・ビタミンB12などは動物性に劣る部分もあります。そのため、植物性たんぱく質を基にして、魚・卵・乳製品などを適度に組み合わせることで、よりバランスの良い食事になります。ご自身のライフスタイルに合わせて、取り入れてみてはいかがでしょうか。

「植物性たんぱく質」と関連する病気

「植物性たんぱく質」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科の病気

  • 腎機能障害
  • 肥満

消化器内科の病気

「植物性たんぱく質」と関連する症状

「植物性たんぱく質」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 肌や髪の毛の乾燥
  • 体力や免疫力の低下
  • サルコペニア
  • フレイル

この記事の監修管理栄養士