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「糖質が多い食べ物」3選!”過剰摂取”によるリスクも管理栄養士が解説!

 公開日:2025/12/10
「糖質が多い食べ物」3選!”過剰摂取”によるリスクも管理栄養士が解説!

糖質が多い食べ物は?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・過剰摂取すると現れる症状などを解説します。

中島 三容子

監修管理栄養士
中島 三容子(管理栄養士)

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一般企業で約20年自動車部品の設計補助業務に従事したのち、栄養士の世界へ。2022年に管理栄養士資格取得後は、国家試験対策教材の制作サポートや食育コーディネートに携わる。また、持続血糖測定の管理事務および保健指導を行い、ひとりひとりの「なんとなくわかっちゃいるけど」に寄り添いアプローチする。

糖質とは?

糖質とは?

「炭水化物」は炭素と水素の化合物で、たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。炭水化物のうち、ヒトの消化酵素では消化できない「食物繊維」を除いた部分を「糖質」と呼びます。糖質は、ヒトの消化酵素で消化され、体内に取り込まれてエネルギー源となります。 糖質は、単糖類、少糖類、多糖類に分類されます。単糖類はこれ以上分解されない糖質の最小単位で、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトースなどがあります。 少糖類は単糖が2~10個結合したもので、二糖類にはショ糖(ブドウ糖+果糖)、麦芽糖(ブドウ糖+ブドウ糖)、乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)などがあります。多糖類には1種類の単糖のみが結合したホモ多糖類と2種類以上の単糖が多数結合したヘテロ多糖類があります。でんぷんやグリコーゲンなどは、ブドウ糖のみが多数結合したホモ多糖類です。 ちなみに、”糖類”とは糖質から多糖類とヒトの消化酵素では消化できない糖アルコール(キシリトールなど)を除いた単糖類と二糖類の総称です。

糖質の一日の摂取量は?

糖質の一日の摂取量は?

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1歳以上の男女における炭水化物の目標量を「総エネルギーの50~65%」としています。炭水化物には糖質と食物繊維が含まれていますが、糖質のみの推奨量は設定されていません。 ここで用いられる「%エネルギー」は、1日の総エネルギー摂取量に対して各栄養素がどの程度の割合を占めるべきかを示す指標であり、たんぱく質と糖質(およびその他の炭水化物)は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcal、さらに食物繊維は大腸で発酵される分が1gあたり2kcalとして扱われます。 炭水化物の目標量が設定されているのは、糖質が身体の主要なエネルギー源として重要だからです。ただし、精製度の高い炭水化物に偏ると食物繊維の摂取量が不足しやすくなるため、食物繊維の目標量(約20g/日以上)を確保できるよう、炭水化物の質にも注意が必要です。 また、エネルギー計算上はアルコールも1gあたり7kcalとして扱われますが、これはあくまでエネルギー換算に用いる数値であり、アルコールの摂取を推奨するものではありません。

糖質の効果

糖質の効果

速やかにエネルギー源となる

消化・吸収に時間のかかる脂質と比較し、糖質は速やかに血糖(血液中のブドウ糖)となり、筋肉を含め全身の細胞にエネルギー源を供給することができます。 全体のエネルギー消費量の約20%をも占める脳はグリコーゲンを貯蔵せず、常時、血糖からブドウ糖を得ています。そのため、適切な糖質の摂取により血糖値を正常に保つことは、脳の働きを助け、集中力や記憶力の維持に寄与します。

たんぱく質の利用効率を高める

たんぱく質は、筋肉や骨などの身体の構成成分となるほか、酵素・抗体・ホルモンなど多くの重要な物質の材料として働きます。これらの働きを十分に発揮させるためには、たんぱく質をエネルギー源として使われにくくすることが大切です。糖質を適切に摂取すると、エネルギーが不足した際に体内でたんぱく質を分解して糖をつくる「糖新生」が抑えられ、結果としてたんぱく質を本来の役割に利用しやすくなります。こうした作用は「たんぱく質節約効果」と呼ばれ、糖質をしっかり摂ることの重要な理由の一つです。

甘味をもたらす

糖類(単糖類・二糖類)は甘味を呈しますが、多糖類には甘味はありません。果糖が最も強い甘味をもっており、砂糖の主成分であるショ糖の甘味度を1とした場合に、ブドウ糖の甘味度は、0.6~0.7、果糖の甘味度は1.2~1.5とされています。

糖質が多い食べ物ランキング

糖質が多い食べ物ランキング

穀類

第1位は、穀類です。主に私たちの生活では主食となるもので、主成分はでんぷんです。穀類には、イネ科に属する米、小麦、とうもろこしや、タデ科のそばなどがあります。 ごはん1杯(150g)に55.7g、ゆでうどん1玉(200g)に43.2g、ゆでそば1玉(200g)に52.0gの炭水化物が含まれています。

いも類

第2位は、いも類です。根が多糖類を貯蔵して肥大した塊根であるさつまいも、やまいもなどと、茎が多糖類を貯蔵して肥大した塊茎であるじゃがいも、さといもなどに分類されます。穀類と同じく、でんぷんを主成分とします。 可食部100gあたりの炭水化物含有量は、さつまいもが31.9g、じゃがいもが17.3gです。

果実類

第3位は、果実類です。一般に80~90%が水分で構成されており、エネルギー源としては糖質が最も多いのが特徴です。成熟するにつれてデンプンが分解されて減少し、甘味が強くなります。多くの果実ではブドウ糖、果糖が多いのですが、バナナ、柿、桃、柑橘類ではショ糖が多いことが特徴です。 可食部100gあたりの炭水化物含有量は、バナナが22.5g、ぶどうが16.9gです。

糖質が多く脂質も含む食べ物は?

糖質が多く脂質も含む食べ物は?

スナック菓子

原材料のじゃがいもやとうもろこしを揚げて作られるスナック菓子は、糖質も脂質も多く含みます。例えば、ポテトチップス(100g)には、炭水化物が54.7g、脂質が35.2g含まれます。

洋菓子

バターや生クリーム、砂糖を多く使う洋菓子は、糖質が多く脂質も含みます。例えば、いちごのショートケーキ(100g)は、炭水化物を42.7g、脂質を14.7g含みます。

揚げ物とソース

とんかつや天ぷらなど衣の付いた揚げ物は、糖質の多い衣が油を吸い、あわせるソースにも糖質が含まれています。例えば、とんかつ(ロース脂身付き100g)と中濃ソース(18g)の組み合わせでは、炭水化物が15.4g、脂質が35.9gです。

糖質を過剰摂取すると現れる症状は?

糖質を過剰摂取すると現れる症状は?

肥満

食事から摂取した糖質は小腸で単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)まで分解され、吸収されます。吸収されたブドウ糖は血糖として全身の細胞に運ばれ、主要なエネルギー源として利用されます。果糖やガラクトースも肝臓で代謝され、一部はブドウ糖やグリコーゲンなどに変換されます。 肝臓と筋肉では、ブドウ糖からグリコーゲンが合成され、短期間のエネルギー貯蔵として蓄えられます。しかし、グリコーゲンの貯蔵量(肝臓で約100g、筋肉で約300g)には限りがあり、それを超えて余った糖質は、肝臓で脂肪酸に作り替えられ中性脂肪として脂肪組織に蓄積されます。このような糖質から脂肪への変換は通常の食事では多くありませんが、糖質の過剰摂取が続くと促進され、体脂肪の増加につながります。 体脂肪が増えると肥満となり、肥満は糖尿病、脂質異常症、高血圧症、さらに非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)などの生活習慣病の重要なリスク因子となります。

むし歯

歯の表面のプラーク(歯垢)の中に存在するストレプトコッカス・ミュータンス(虫歯菌)は、甘味飲食物の中の糖類(単糖類・二糖類)を分解して酸を出します。 この酸により歯は溶かされます(脱灰)。ヒトの唾液は、酸を緩衝して中性に近づけることで歯を守ります。また唾液は、カルシウムやリン酸を含んでおり、これらが脱灰された歯を修復(再石灰化)します。甘い糖類の摂取が頻繁で、酸の緩衝や再石灰化が間に合わずに脱灰された状態が続くと、その部分はそのうち崩壊することとなります。これがむし歯です。 そのため、むし歯の予防には、フッ化物配合歯磨剤の利用などと併せて、甘い糖類の摂取量および摂取回数の制限が必要とされています。

「糖質が多い食べ物」についてよくある質問

「糖質が多い食べ物」についてよくある質問

ここまで糖質が多い食べ物について紹介しました。ここでは「糖質が多い食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

糖質制限で食べてはいけないものはなんでしょうか?

中島 三容子中島 三容子

砂糖など精製された糖類は、消化・吸収が速く、食後血糖値を急上昇させます。これがインスリンの過剰分泌を招き、糖尿病や肥満のリスクを高める可能性があります。

糖質を抑えたい場合、主食はパンとごはんどちらが良いでしょうか?

中島 三容子中島 三容子

[炭水化物含有量(1食分)]
食パン6枚切り1枚(60g):27.8g < ごはん1杯(150g):55.7g
ドーナツ1個(80g):35.1g
クロワッサン1個(80g):41.2g
あんパン1個(80g):42.4g
1食分の炭水化物含有量は、パンよりごはんが多いです。ただし、ごはんの方が脂質が少ないため、おかずとのバランスが取りやすい場合が多く、糖質を抑えたい場合は、白米ではなく玄米や雑穀米などのごはんを選ぶと、食物繊維が豊富で血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待できます。

まとめ

糖質は、ヒトが生きていくために必要なエネルギーを産生する栄養素のひとつとして重要な役割を持っています。他のエネルギー産生栄養素と適正なバランスを保つとともに、摂取した糖質が体内で十分に働けるようにビタミンやミネラルの補充にも気を配る必要があります。また、炭水化物のうち、ヒトの消化酵素で分解されない食物繊維には食後血糖の上昇をゆるやかにするなどの生理機能を持つことが知られています。エネルギー源となる糖質の摂取は毎食必要ですが、主食・主菜・副菜が揃ったメニューを増やすことで、自然に他の栄養素を取り入れることができます。少しずつ意識をして、食べることで健康を維持していきましょう。

「糖質」と関連する病気

「糖質」と関連する病気は9個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内科の病気

循環器内科の病気

脳神経外科の病気

歯科の病気

  • むし歯

「糖質」と関連する症状

「糖質」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 肥満
  • 集中力、記憶力が低下する
  • 歯が痛む

この記事の監修管理栄養士