「カフェインが弱い人の特徴」とは?過剰摂取した際の対処法も管理栄養士が解説!
公開日:2025/12/09

カフェインに弱い人の特徴とは?メディカルドック監修医がカフェインの一日の摂取量・過剰摂取すると現れる症状・取りすぎてしまった際の対処法などを解説します。

監修管理栄養士:
中島 三容子(管理栄養士)
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一般企業で約20年自動車部品の設計補助業務に従事したのち、栄養士の世界へ。2022年に管理栄養士資格取得後は、国家試験対策教材の制作サポートや食育コーディネートに携わる。また、持続血糖測定の管理事務および保健指導を行い、ひとりひとりの「なんとなくわかっちゃいるけど」に寄り添いアプローチする。
目次 -INDEX-
「カフェイン」とは?

カフェインの一日の摂取量

カフェインに弱い人の特徴

妊婦や授乳婦
妊娠中に摂取したカフェインは胎盤を通過して胎児へ、授乳中に摂取したカフェインは母乳から乳児へ移行し、胎児の発達や乳児の睡眠・成長に影響を及ぼす可能性があるとされています。そのため、普段の半分程度の量にしておくなどカフェイン摂取の際は注意が必要です。子どもや青少年
子どもや青少年はカフェインに対する感受性が高く、少量の摂取でも不眠や動悸などの症状が出やすい傾向があります。そのため、カフェインの摂取量には特に注意が必要です。例えば、体重40kgであれば100mg/日以下にとどめるのが望ましいとされており、これは健康な成人の1/4程度の量ということになります。睡眠障害がある人
健康な成人の場合でも1日のカフェイン摂取量が400mgを超えると、夜眠りにくくなる可能性があります。特に、睡眠障害がある人の場合は不眠の症状を悪化させる可能性があるため、カフェイン摂取を控える必要があります。特にカフェインの夕方以降の摂取は夜間睡眠に影響を与えるとされており、摂取する場合はタイミングにも気をつける必要があります。不整脈がある人
カフェインは交感神経を刺激し心拍数を増加させるため、不整脈や心房細動の既往がある場合、症状を悪化させる可能性があります。刺激に敏感な人
HSP(ハイリーセンシティブパーソン)の人は、外部からの刺激に敏感でカフェインによる中枢神経の刺激を過度に感じやすいとされています。そのため、少量のカフェイン摂取が不安や興奮などの症状を引き起こすきっかけになることがあります。カフェインの多い食べ物や飲み物

【1位】玉露
カフェイン含有量第1位は、玉露です。お茶の中でも群を抜いて多く、160mg/100mL含まれています。玉露は他のお茶と違い、収穫前に日光を遮るためカフェインが茶葉に多く蓄えられ、さらに低い温度のお湯で時間をかけて抽出することでカフェインの濃いお茶になります。【2位】コーヒー
コーヒー(ドリップ)に含まれるカフェインは、60mg/100mLで第2位です。コーヒー豆に含まれ、カフェインのイメージの代表格と言えるでしょう。一般的に「デカフェ」や「カフェインレス」と呼ばれる製品は、原料中のカフェインを90〜97%以上除去したものを指します(国や製品により基準は異なります)。超臨界抽出という方法でコーヒー豆からカフェインを溶かし出して除去することで作られています。【3位】エナジードリンク
エナジードリンクのカフェイン含有量は30~40mg/100mL、製品1本150mLあたりでは80~151mgとされています。ただし、エナジードリンクは製品によりさらに多く含まれているものもあります。そのため、購入の際は成分表示でカフェインの量を確認し、エナジードリンクを1日に何本も飲むことは控えましょう。【4位】紅茶
紅茶に含まれるカフェインは30mg/100mLです。紅茶は、玉露と同じ茶葉を発酵させて作られます。【5位】チョコレート
チョコレートの原料であるカカオ豆にはカフェインが多く含まれています。100gあたりの含有量は、一般的なミルクチョコレートで25mgですが、ハイカカオチョコレートの場合は70mgを超えています。カフェインを過剰摂取すると現れる症状

不眠・睡眠の質の低下
カフェインの覚醒作用が過剰に働き、寝付きが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。このような不眠症状は、カフェインの過剰摂取による典型的な症状であると言われています。カフェインの摂取量や摂取タイミングを調整しても症状が続く場合には、主治医または睡眠外来への相談をお勧めします。めまい・動悸・興奮・不安・震え
中枢神経系が過剰に刺激されることで、めまいや動悸(心拍数の増加)、興奮、不安、手や体の震えなどが症状がみられ、精神的にも落ち着きがなくなることがあります。安静にしても症状が治まらない場合は、主治医または循環器内科、心療内科・精神科への受診をお勧めします。下痢・吐き気、嘔吐
消化器官の刺激により、下痢や吐き気、嘔吐することもあります。カフェインの摂取を中止しても症状が続く場合は、主治医または消化器内科への受診をお勧めします。カフェインを取りすぎてしまった際の対処法

カフェイン摂取の中止
一定期間、カフェインの摂取を中止することで、体内での代謝と排出が進みます。一般的な成人では、摂取したカフェインの半分が体外に排出されるまでに約4〜6時間かかるとされています。ただし、妊婦や子ども、肝機能が低下している人では分解が遅く、8時間以上かかることもあります。症状が落ち着くまではカフェインを含む飲食物の摂取を控え、体調の回復を優先しましょう。積極的な水分補給
カフェインを含まない水分を補給することで、血中のカフェイン濃度を薄めることができます。また、カフェインの利尿作用による脱水を予防するためにも積極的な水分補給は有効です。ミネラルの補給
非ヘム鉄の吸収率は、カフェインと同時に摂取することで下がってしまいます。また、カフェインの利尿作用により、カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルが失われてしまいます。このように、カフェインを摂取することにより不足する可能性があるミネラルを食事から補給する必要があります。安静な環境
めまいや動悸・不安感がある場合は、できるだけ静かな場所で横になり、安静に過ごしましょう。激しい運動や刺激は避け、心拍のリズムを整えるためにリラックスすることが大切です。医療機関の受診
カフェイン過剰摂取の症状やカフェイン中止による離脱症状(頭痛や倦怠感など)が長く続いて日常生活が困難な場合は、主治医または内科を受診することをお勧めします。「カフェインに弱い人の特徴」についてよくある質問

ここまでカフェインに弱い人の特徴について紹介しました。ここでは「カフェインに弱い人の特徴」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
カフェインが合わないとどんな症状が現れますか?
中島 三容子
カフェインがあわない場合はカフェイン感受性が高いことが考えられ、「カフェインを過剰摂取すると現れる症状」として紹介した不眠・めまい・動悸・不安・震え・下痢・吐き気などの症状が、少量のカフェイン摂取でも現れる恐れがあります。
カフェインに弱い人はどうすれば治りますか?
中島 三容子
カフェインに弱い人は、カフェインの感受性が高いことが考えられますが、その程度には個人差があるとされています。どうしても必要な場合は、少しずつ取り入れてご自身の安全な量を把握することが肝要です。ただし、基本的にはカフェインが含まれていないものを選ぶようにしましょう。
まとめ
カフェインはコーヒーやお茶、エナジードリンク、チョコレートなど身近な飲み物や食品に含まれており、知らずに摂りすぎてしまうことがあります。適量であれば様々な健康効果が期待できますが、過剰摂取やカフェインに弱い人にとっては体調不良の原因になってしまうリスクもありますので、それぞれの健康状態に応じた適切な摂取を心掛けることが重要です。「カフェイン」と関連する病気
「カフェイン」と関連する病気は5個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。内科、睡眠外来の病気
循環器内科の病気
- 不整脈
- 心房細動
消化器内科の病気
- 下痢症
心療内科、精神科の病気
- HSP




