「ココアのカフェイン量」はご存じですか?過剰摂取すると現れる症状も管理栄養士が解説!

ココアのカフェイン量はどれくらい?メディカルドック監修医がカフェインの一日の摂取量・ココアの効果や就寝前や妊娠中に飲んでもいいのかなどを解説します。

監修管理栄養士:
西岡 佳余子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「カフェイン」とは?

カフェインとはコーヒー豆や茶葉、緑茶、カカオ豆などに含まれる成分であり、カフェインは脳の中枢神経に作用し身体を活発にする働きがあり覚醒作用や集中力向上の効果があります。
カフェインの一日の摂取量

健康成人:400mg以下(コーヒーではマグカップ(230mL入り)約3杯)
妊婦又は授乳婦:200mg以下(コーヒーではマグカップ(230mL入り)約1.5杯)
子ども及び青少年:体重1kgあたり2.5mg~3mgのカフェイン摂取が安全とされています。
※カナダの保健省の数値参照
ココアのカフェイン量はどれくらい?

純ココア(無糖)1杯(約10g)約20mg
調整ココア(市販のミルクココア等)1杯(約15~20g)微量~数mg
ココアとその他の飲み物のカフェイン量

・ココアのカフェイン量:20mg/100mL(純ココア粉末10g、熱湯150mL)
・コーヒーのカフェイン量:60mg/100mL(コーヒー粉末10g、熱湯150mL)
・緑茶のカフェイン量:20mg/100mL
・エナジードリンクのカフェイン量:32~300mg/100mL(製品1本当たり36~150mg)
ココアの効果

血行促進
ココアに含まれているテオブロミンやカカオポリフェノールには、血管を拡張させる作用があり手足の血行を良くする効果があります。温かいココアには冷え症改善効果が認められ冷えやむくみの改善に期待できます。
不足しがちな栄養素を補える
日本人はミネラルの摂取が少ないといわれています。カルシウム、マグネシウム、鉄、銅などのミネラルを補給することで体調が整います。ココアにはこれらのミネラルが比較的豊富に含まれており、歯や骨の形成、エネルギー代謝、神経伝達、免疫機能、赤血球の合成など、体のさまざまな働きをサポートします。牛乳でココアを摂取すると、カルシウムとマグネシウムのバランスが良くなり、カルシウムも効率的に摂取できます。
肥満の抑制
ココアには不溶性食物繊維のリグニンが含まれており、腸の蠕動運動を促進し、便通の改善に役立つとされています。また、カカオポリフェノールには抗酸化作用があり、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑えることで、動脈硬化の予防に寄与すると考えられています。これらの作用が代謝の改善や生活習慣病のリスク軽減につながる可能性があり、間接的に肥満予防にも役立つとされています。
抗酸化作用
ココアにはポリフェノールが豊富に含まれており、紫外線による肌ダメージを軽減したり老化や炎症を防ぐ効果があります。
脳の機能改善
ココアに含まれるテオブロミンは大脳皮質を刺激し、集中力や記憶力を高める効果があり、脳の神経細胞の働きを促すたんぱく質を増やす働きやリラックス効果もあります。また、記憶力や集中力を高める効果や認知症予防にも期待できる飲み物です。
ココアは寝る前に飲んでも大丈夫?

ココアに含まれるテオブロミンやカカオポリフェノールが血管を広げ血行を良くし、自律神経を整える作用があります。このことから、リラックス効果があり入眠しやすくなる効果が期待できます。
ココアは妊娠中に飲んでも大丈夫?

ココアは妊娠中に飲んでも基本的には問題ありません。コーヒーと比べてカフェイン量が少なく、1杯あたりの含有量もごくわずかです。ただし、妊娠中はホルモンの影響などにより糖代謝に変化が生じることがあり、血糖値が上がりやすくなる場合があります。そのため、糖分を多く含む調整ココアよりも、砂糖を加えずに純ココアを使用するなど、糖質の摂取量に注意することが大切です。飲みすぎには気をつけましょう。
カフェインを過剰摂取すると現れる症状

不眠症
コーヒーやカフェイン含有飲料や食品などの飲むタイミングにも注意が必要です。特に睡眠前のコーヒー摂取は睡眠の質を低下させ体のリズムを乱す可能性がありますので就寝前は量を減らすか飲まないようにするのをおすすめします。身体に不調がみられましたらカフェインの入っていない飲みものを摂取され、かかりつけの医師の受診をおすすめします。
めまい
カフェインに敏感な人や過剰にコーヒーを飲んだ場合に心拍数の増加や血圧の上昇を引き起こしたり、中枢神経に影響を与え血管を収縮させる効果もあり、これが脳の血管に影響を与えることもめまいの原因。めまいが発生する際は、コーヒーなどのカフェインの量を減らすことやカフェインレスのものに置き換えたり、コーヒーを飲む際は水分摂取量を増やし脱水状態を防ぐことが大切です。症状が悪化した場合は、かかりつけの医師の受診をおすすめします。
低カリウム血症
利尿作用のあるカフェインを大量に摂取することで体内のカリウムが尿として排出されやすくなり低カリウム血症のリスクを高めたり、腎臓機能の低下している方は特に注意が必要です。カリウムは体の様々な機能に関わる重要なミネラルです。不足すると倦怠感、吐き気、不整脈などの症状が現れることがあります。早急に内科を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。
カフェインを取りすぎてしまった際の対処法

水分補給
水分を多く摂ることで、カフェインを尿として排出しやすくなります。カフェインには利尿作用があるため脱水症状にも注意し水やお茶などのカフェインを含まない飲みもので水分補給をして下さい。
軽い運動
症状が比較的に軽い場合は軽い運動をすることで血行が良くなり頭痛などの症状を和らげ体を動かすことでセロトニンなどの気分を安定させる神経伝達物質が分泌されて、気分の落ち込みやイライラといった神経的な症状も軽減に繋がります。
カフェイン摂取量を減らす
飲む量を少しずつ減らしていく。例えば1日の量を3杯から2杯に減らしたり、カフェインレスやデカフェのものに置き換えていく方法です。
食事サポート
脳の機能や神経系の働きに関わる栄養素を意識して摂取することをおすすめします。食欲が低下する場合もありますので、少量でも栄養価の高いものや消化の良いものを選び、胃腸への負担を減らすことも心掛けて下さい。
医師などへ相談
辛い症状が2週間続いたり離脱症状が重かったり、精神的な症状(抑うつ、パニック発作など)が強い場合は自己判断せず医師に相談することをおすすめします。
「ココアのカフェイン量」についてよくある質問

ここまでココアのカフェイン量について紹介しました。ここでは「ココアのカフェイン量」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
カフェインが少ないお茶について教えてください。
西岡 佳余子
麦茶:大麦を原料
ルイボスティー:ハーブで甘みのある風味
そば茶:そばの実を焙煎したお茶
コーン茶:トウモロコシを原料
黒豆茶:黒豆を焙煎したお茶
ハーブティー:カフェインを含んでいない
まとめ
コーヒーや紅茶、チョコレートなどカフェインが含まれている飲料や食品は多くあります。カフェインの摂取は体によくないというイメージを持っている方もいると思います。カフェインの過剰摂取は体に様々な症状を引き起こす場合もありますが、1日のカフェイン量を超えなければメリットもあります。カフェインを摂取すると基礎代謝が上がり脂肪の燃焼を促進させる効果があります。交感神経を活性化させて体を目覚めさせてくれる効果もあり、勉強や仕事の集中力アップさせる覚醒作用にも効果的です。また、利尿作用があり、しっかりと水分と合わせて摂取することで、体の老廃物を流し出したり、腸の蠕動運動を促し便通を良くする働きもあります。カフェインの摂りすぎが気になったら、水分と一緒に果物、野菜、豆、海藻、キノコを含むミネラルで補給しましょう。カリウムやマグネシウムを含むミネラルウォーターは水分とともに補給したい成分が一緒に摂取できるのでおすすめです。
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「カフェイン」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
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