「オレイン酸」は心筋梗塞を予防する「効果」がある?多く含む食品も管理栄養士が解説!

オレイン酸の効果とは?メディカルドック監修医がオレイン酸の効果・一日の摂取量・不足すると現れる症状・不足しやすい人の特徴・過剰摂取すると現れる症状・多く含む食品・効果的な摂取方法などを解説します。

監修管理栄養士:
中岡 紀恵(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「オレイン酸」とは?

オレイン酸の一日の摂取量

オレイン酸の効果

悪玉コレステロール(LDL)の低下
オレイン酸は、血中の悪玉コレステロール(LDL)を減らす一方で、善玉コレステロール(HDL)は減少させない働きがあります。これにより、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などの生活習慣病の予防に役立つとされています。心疾患の予防
オレイン酸を多く含むオリーブオイルを中心とした地中海型食生活は、心筋梗塞の再発率を低下させるなど、心血管疾患の予防効果が研究で示されています。抗酸化作用
オレイン酸自体は酸化しにくい脂肪酸で、オリーブオイルにはポリフェノールなどの抗酸化成分も含まれているため、血中コレステロールの酸化を防ぎ、血管系疾患の予防にも寄与します便秘解消やダイエット効果
オレイン酸は腸の働きを活発にし、便秘の解消にも効果があるとされています。また食事にオレイン酸を含む油を適量取り入れることで満腹感が得られやすく、食事全体のバランスが整うため、体重管理に役立つ可能性があります。美肌効果
オレイン酸には皮膚を柔らかくし、乾燥による小じわや角質のゴワつきを抑制・改善する作用もあるため、美肌づくりにも役立つ可能性があります。オレイン酸が不足すると現れる症状

皮膚のトラブル
オレイン酸を含む脂質が不足すると、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や炎症を引き起こす可能性があります。免疫力の低下
体の免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。髪の毛の乾燥
頭皮のトラブルや髪の毛の乾燥が、脱毛等の原因につながることがあります。成長障害や発達障害(小児の場合)
子どもの場合は、成長に影響を及ぼすことがあります。疲れやすい・倦怠感
オレイン酸に限らず、脂質の摂取不足はエネルギー不足に繋がり、疲れやすいなど倦怠感を引き起こす可能性があります。オレイン酸を過剰摂取すると現れる症状

体重増加や肥満
オレイン酸を多く含む脂質は1gあたり9kcalあるため、摂りすぎるとエネルギーオーバーとなり、体重増加や肥満につながる恐れがあります。脂質異常症
脂肪の過剰摂取は血中脂質のバランスを崩し、脂質異常症や高脂血症のリスクが高まります。生活習慣病のリスク
脂質の摂り過ぎは動脈硬化や高血圧の要因となる場合があり、生活習慣病のリスクにつながることもあります。消化不良や下痢
胃腸の調子が良くないときの脂質の摂り過ぎは、消化不良や下痢につながることもあります。揚げ物などの摂取は控えましょう。他の脂肪酸とのバランス不足
オレイン酸(オメガ9)を過剰に摂ると、オメガ3脂肪酸など他の必須脂肪酸の摂取バランスが崩れ、健康への悪影響が出る可能性があります。オレイン酸を多く含む食品

オリーブオイル
地中海周辺の国々での心疾患による死亡率が低いのは、オレイン酸の多いオリーブオイルを使用しているためだといわれています。オリーブオイルは酸化しにくいので、そのまま生でドレッシング代わりに使用したり、アヒージョやソテーに使用するなど様々な調理法に適しています。ナッツ類
アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ピスタチオなどのナッツ類にはオレイン酸が豊富に含まれています。健康志向の高まりで間食に摂る方も増えていますが、食べ過ぎには注意が必要です。塩分が気になる場合は、無塩のものを選びましょう。刻んでサラダにトッピングするのもおすすめです。アボカド
アボカド100gあたり、脂質の約80%がオレイン酸などの不飽和脂肪酸です。血中コレステロールを適正に保つ効果や、中性脂肪を減少させる健康効果が期待できます。アボカド1個で約230kcalです。少量でも濃厚で満足感があります。菜種油(キャノーラ油)
オレイン酸を多く含む油は、多価不飽和脂肪酸を多く含む油に比べて酸化しにくく、加熱調理にも比較的適しています。そのため揚げ物を、サクッと食感よく揚げることができます。牛脂
牛脂は、牛の脂肪が原料となっているため、含まれる成分はほとんどが脂肪酸です。中でも、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が多く含まれている点が特徴です。牛脂には牛肉の匂いを凝縮したような特有の匂いがあります。中華料理やすきやき等に油の代わりに使用すると濃厚な旨味が味わえます。しかし摂り過ぎには注意が必要です。オレイン酸の効果的な摂取方法

オレイン酸を多く含む食品の摂取
サラダにアボカドやナッツを加え、ドレッシングにオリーブオイルを使用すると効率よくオレイン酸を摂取することが出来ます。普段使いの油をオリーブオイルや菜種油に替えるのも良いでしょう。地中海食が健康に良いと注目されていますが、オリーブオイルを使用していること以外にも、新鮮な魚介類や野菜をバランス良くとっていることも重要です。オレイン酸と一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
脂溶性ビタミン(A、D、E、K)、カロテノイドなどの油脂に溶けやすい栄養成分は、オレイン酸と一緒に摂取することで、体内に吸収されやすくなります。にんじんソテー、かぼちゃの天ぷら、野菜サラダにオリーブオイルを、ドレッシング代わりにかけることも良いでしょう。オレイン酸の効果を高める摂取タイミング
活動量が増える日中の摂取がおすすめです。オリーブオイルを朝食時のトーストのバターの代わりにしたり、野菜サラダのドレッシングとしてかけるのも良いでしょう。食後の活動量が少ない時間帯に脂質を多く摂ると、消化に負担がかかる場合があります。胃もたれを防ぐためにも、夜遅くの摂取は控えめにすると良いでしょう。サプリメントの場合、朝食後など忘れずに摂取できる時間を自分のライフスタイルに合わせて設定することが重要です。効果を高めるためには短期間ではなく継続的な摂取が必要です。「オレイン酸の効果」についてよくある質問

ここまでオレイン酸の効果を紹介しました。ここでは「オレイン酸の効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
オレイン酸のメリット・デメリットを教えてください。
中岡 紀恵
オレイン酸には悪玉コレステロール(LDL)の低下や、心疾患や動脈硬化の予防にも役立つとされています。他の脂肪酸に比べて酸化しにくく、加熱や長期保存にも比較的強い性質を持っています。しかし1gあたり9kcalと高エネルギーなので、過剰摂取すると肥満や体重増加のリスクがあります。酸化しにくいとされるオリーブオイルですが、保存方法や調理方法が不適切だと酸化が進んでしまうので注意が必要です。
オレイン酸は髪に効果的なのでしょうか?
中岡 紀恵
髪の保湿や艶出し効果やキューティクル保護、乾燥や熱ダメージから髪を守る効果、保湿効果や血行促進作用により、頭皮の健康維持や抜け毛予防にも役立つとされていますが、科学的な根拠は限定的です。少量を毛先中心に伸ばすと良いでしょう。
まとめ
オレイン酸は体に良いとされる脂質で、血液中のコレステロールを下げる作用等があります。積極的に摂りたい栄養素です。しかし、1gあたり9kcalと高エネルギーであることには変わりないので、油の特性を見極めた上で、ご自分に必要な摂取量を守りましょう。バランスの良い食事も重要になります。なお、食事だけでの摂取が難しい場合は、サプリメントなどを利用するのもひとつの方法です。ご自身のライフスタイルや食生活にあわせて選ばれると良いでしょう。「オレイン酸」と関連する病気
「オレイン酸」と関連する病気は2個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。内科の病気
- 肥満
- 脂質異常症
「オレイン酸」と関連する症状
「オレイン酸」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。関連する症状
- 皮膚のトラブル
- 肌や髪の乾燥
- 疲れやすい




