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「タウリンの多い食べ物」とは?不足すると現れる症状についても管理栄養士が解説!

 更新日:2025/09/09
「タウリンの多い食べ物」とは?不足すると現れる症状についても管理栄養士が解説!

タウリンの多い食べ物とは?メディカルドック監修医が一日の摂取量・効果・不足すると現れる症状・過剰摂取すると現れる症状・効率的な摂取方法などを解説します。

中島 三容子

監修管理栄養士
中島 三容子(管理栄養士)

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一般企業で約20年自動車部品の設計補助業務に従事したのち、栄養士の世界へ。2022年に管理栄養士資格取得後は、国家試験対策教材の制作サポートや食育コーディネートに携わる。また、持続血糖測定の管理事務および保健指導を行い、ひとりひとりの「なんとなくわかっちゃいるけど」に寄り添いアプローチする。

「タウリン」とは?

「タウリン」とは?

タウリンは、1827年にドイツの研究者が牛の胆汁中に発見したことから、ラテン語で雄牛を意味するtaurus(タウラス)が語源になっています。硫黄を含むアミノ酸の代謝中間体で、体内ではメチオニンやシステインから合成されます。化学名を2-アミノエタンスルホン酸と言います。タウリンは体内でたんぱく質の合成に利用されず、遊離アミノ酸として存在するのが特徴です。ヒトでは特に脳と心臓に高濃度に含まれ、貯蔵量としては骨格筋に最も多く、網膜や肝臓、母乳にも多く含まれています。タウリンはそれらの場所において、体の機能を正常に保つための様々な働きに関与していることが明らかになっており、現在も研究が進められています。厚生労働省によりタウリンは「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料) 」に区分されており、化学的に合成されたものを医薬品のタウリン、牛の胆汁や魚介類のエキスを使用したものを食品添加物のタウリンとして区別して扱われています。

タウリンの一日の摂取量

タウリンの一日の摂取量

日本人の食事摂取基準2025年版に、タウリンの摂取量の基準はありません。疲労回復などを目的としたサプリメントでは、1日500~2000mg程度のタウリンが配合されることがありますが、公的な摂取基準は設定されていません。最近の研究では、タウリンを約300mg╱日摂っている中高年者は、約100mg╱日の人に比べ脚の筋力を維持できている事が分かりました。他にも、タウリンを約300mg╱日摂るとメタボリックシンドローム予防につながるとの報告もあります。しかし、日本人の食事からのタウリン摂取量は減少傾向にあり、平均摂取量は200mg未満/日にまで減少していたとの調査結果があります。

タウリンの効果

タウリンの効果

疲労回復・滋養強壮

タウリンは、筋肉の疲労や摩耗の原因となる老廃物の除去を助け、筋肉細胞へのダメージや酸化ストレスを軽減する効果が確認されていることから、疲労回復や滋養強壮に寄与するとされています。一般的にタウリン配合の栄養ドリンクなどはこの効果を期待したものになります。

肝臓・心臓の機能強化

タウリンは肝臓で胆汁酸の分泌や肝細胞の再生を促進したり、細胞膜を安定化させたりすることがわかっています。これにより肝臓での解毒や代謝など重要な機能が正常に保たれます。また、心臓の収縮力を高め、心筋の機能をサポートする働きも報告されています。そのため、医薬品としてのタウリンは肝機能改善やうっ血性心不全の治療薬としても使用されています。

血中コレステロール値の改善

タウリンは胆汁の分泌を促進し、コレステロール値を下げる効果があります。胆汁がつくられる際、胆汁の主要な成分である胆汁酸が必要となります。この胆汁酸をつくる際は、コレステロールが必要となります。タウリンは、胆汁酸と結合する性質があるため、タウリンを摂取することで胆汁酸の必要量が増加するため、コレステロール値を下げる効果があるといえます。

高血圧の予防・改善

タウリンは、交感神経の働きを抑え血管の収縮を防ぐことで、高血圧の予防・改善に寄与します。

目の健康維持

タウリンは、目の網膜に存在しています。網膜には多数の光受容体があり、外部からの光刺激を感知することで、その刺激を脳中枢へと伝達しています。この光受容体にタウリンは存在しており、網膜の神経を抑制することで網膜を守る働きがあるとされています。また、タウリンには目の新陳代謝を促進し、角膜の修復を助ける働きもあるとされています。

タウリンの多い食品

タウリンの多い食品

貝類

タウリンは貝類に豊富に含まれています。特に牡蠣は含有量ランキングトップで、可食部100gあたり1130mgのタウリンが含まれています。他にもほたてに769mg、あさりに664mg含まれています。

たこ、いか

タウリンは、たこやいかに多く含まれています。たこには可食部100gあたり520mg、いかには350mg含まれています。

その他の魚介類

タウリンは、その他の魚介類にも多く含まれています。例えば、たらには可食部100gあたり300mg、ひらめに171mg、くるまえびに150mg含まれています。また、青魚の血合い部分にも多く含まれており、例えばかつおには可食部100gあたり80mg含まれています。

タウリンが不足すると現れる症状

タウリンが不足すると現れる症状

肝臓・心臓の機能低下

タウリンは、肝臓や心臓の機能強化に寄与していることから、長期間の不足が続くと心筋異常や肝障害が発生する可能性があります。

コレステロールの増加

動物実験などから、タウリンが肝臓やコレステロール代謝に関与していることが示されています。

目の不調

タウリンは、目の健康維持に寄与しているため、不足すると目の疲労感や視力低下などの症状が現れる場合があります。

タウリンを過剰摂取すると現れる症状

タウリンを過剰摂取すると現れる症状

通常の食事による摂取ではタウリンの過剰摂取によるリスクはほとんどありませんが、医薬品で高用量のタウリンを服用した際には、因果関係が否定できない副作用として以下の報告があります。

消化器症状

高用量のタウリンを服用した場合に、便秘、下痢などの消化器症状が現れる可能性があるとの報告があります。症状が現れた場合は、ただちに服用を中止し、主治医や薬剤師にご相談ください。

裂孔ヘルニア、口内炎

高用量のタウリンを服用した場合に、裂孔ヘルニアや口内炎が現れる可能性があるとの報告があります。これらの症状が現れた場合は、ただちに服用を中止し、主治医や薬剤師にご相談ください。

食欲減退、不眠

高用量のタウリンを服用した場合に、食欲減退、不眠の症状が現れる可能性があるとの報告があります。これらの症状が現れた場合は、ただちに服用を中止し、主治医や薬剤師にご相談ください。

タウリンの効率的な摂取方法

タウリンの効率的な摂取方法

タウリンと一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品

タウリンは体内で、メチオニンやシステインといった含硫アミノ酸から合成されるため、これらを多く含む大豆製品やごまなどの食品を取り入れることで、体内でのタウリン合成を助ける可能性があります。 また、ビタミンB6は補酵素としてタウリンの体内合成や利用に関与しており、バナナ、ブロッコリー、鶏肉、魚介類などビタミンB6を多く含む食品を組み合わせることで、タウリンの働きをサポートすると考えられています。

タウリンと一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品

現在の研究では、特定の栄養素や食品がタウリンの効果を下げると断定できるものは報告されていません。ただし、タウリンを含む栄養ドリンクなどには、カフェインが含まれているものが多く、カフェインの過剰摂取による体調不良や副作用のリスクを高めることがあるため、内容や摂取量には注意が必要です。

タウリンの効果を高める摂取タイミング

タウリンは水溶性で体内に蓄積されにくいため、1回に大量摂取するよりも、必要に応じて複数回に分けて摂るのが理想的です。栄養ドリンクや医薬品の場合、胃への負担を軽減するため、食後の服用が推奨されています。

「タウリンの食べ物」についてよくある質問

「タウリンの食べ物」についてよくある質問

ここまでタウリンの食べ物などを紹介しました。ここでは「タウリンの食べ物」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

タウリンを吸収しやすくする食べ合わせについて教えてください。

中島 三容子中島 三容子

タウリンは水溶性のため、煮汁ごと摂取することで効率よくタウリンを取り入れることができます。例えば、タウリンを多く含む貝類とタウリン合成の元となるメチオニンやシステインを多く含む大豆製品を組み合わせた「あさりの味噌汁」などは、タウリン摂取にはお勧めの食べ合わせと言えます。

まとめ

様々な働きをもつタウリンは人体にとって大切な栄養素のひとつであり、適切な摂取が健康に寄与します。日常の食事にタウリンが豊富な魚介類などを意識的に取り入れ、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。個人の判断で安易にサプリメントに頼ることは過剰摂取のリスクがあるため、不安がある場合は医療機関を受診して、必要な対策を講じることをお勧めします。

「タウリン」と関連する病気

「タウリン」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

内科の病気

消化器内科の病気

  • 高ビリルビン血症
  • 便秘症

脳神経外科の病気

  • MELAS症候群

「タウリン」と関連する症状

「タウリン」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

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